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「<外国人犯罪デマ>被災地半数聞き、86%信じる」(1月16日、河北新報)
東日本大震災直後に宮城県内で流れた「被災地で外国人犯罪が頻発している。」というデマを聞いた仙台市民の8割以上が事実と信じたとする調査結果を、郭基煥・東北学院大教授(共生社会論)が纏めた。宮城県警によると当時、外国人犯罪が増えた事実は無い。会員制交流サイト(SNS)の普及で真偽不明の情報が拡散し易い状況と、大災害直後の特殊な心理状態が背景に在ったと見られる。
調査は昨年9~10月、被災した仙台市青葉、宮城野、若林の各区に住む日本 国籍の20~69歳、計2,100人を対象に実施。質問を郵送し、770人から回答を得た。回収率は36.7%。
回答者全体の51.6%が「『被災地で外国人の犯罪が在る。』るという噂を聞いた。」と答えた。其の内、信じた人は86.2%に上った。年齢や性別で、大きな差は無かった。外国人犯罪を「確かに見た。」と答えた人は0.4%、「そうだと思われる現場を見た。」は1.9%と、極僅かだった。
情報源(複数回答)は「家族や地元住民」が68.0%と口コミが最も多く、次いで「インターネット」が42.9%。噂となった犯罪(同)は「略奪、窃盗」97.0%、「遺体損壊」28.0%の順だった。
当時はSNSで「被災地で、外国人窃盗団が横行している。」「外国人が遺体から、金品を盗んでいる。」といったデマが飛び交い、被災者の間でさ囁かれた。
宮城県警は、「噂が事実では無い。」と確認。流言を否定する散らしを避難所に配り、治安は保たれている事を強調した。ウェブサイトでは「2011年3月12~21日の重要犯罪は4件で、10年同期の7件と比べて多く無い。」と説明した。
県警によると、県内の刑法犯罪の摘発者に占める外国人の割合は、震災のあった2011年が1.5%。震災前の10年、翌年の2012年は共に1.3%だった。刑事総務課の天野英克管理官は「2011年が、特別に増えたとは言えない。」と話す。
1923年の関東大震災では「朝鮮人が暴徒化した」というデマが広がり、朝鮮人や中国人の虐殺に繋がった。昨年4月の熊本地震では、熊本市動植物園からライオンが逃げ出したとのデマを流した男が、偽計業務妨害容疑で逮捕された。
宮城県警生活安全企画課の金野聡課長補佐は「当時は、一つ一つ打ち消すしか無かった。災害時には必ず(デマが)出ると見て、丁寧な広報に努めたい。」と話す。
郭教授は「非常時には常にデマが出回るが、実際に犯罪は殆ど無い。次の大規模災害に備え、デマ対策を災害教育に位置付けるべきだ。」と提言する。
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「外国人犯罪のデマを、回答者全体の86.2%が信じた。」という事では、必ずしも無い。飽く迄も「回答者全体の51.6%が「『被災地で外国人の犯罪が在る。』るという噂を聞いた。」上で、其の内の86.2%が信じた。」という事。そうなると「回答者全体の約44.4%がデマを信じた。」という単純計算になる訳だが、まあ確率論から言えば、仮に回答者の全員がデマを聞いたならば、矢張り86.2%近くの人が信じてしまうと考えて良いだろう。
「疑心暗鬼を生ず」という表現が在るけれど、大災害等、追い詰められた状況下では、不安が更なる不安を生んで行くというのは、良く見られる事。日常では信じないで在ろう事柄も、そういった状況下では信じてしまうというのは判らないでも無い。
でも、そういう状況下だからこそ、見聞した情報を鵜吞みにするのでは無く、一旦冷静になって真偽を考える事が大事。加害者の国籍を問わず、被災地で略奪や窃盗が増加しそうな事は在り得ても、(少なくても日本では)遺体損壊が多発するなんて事は在り得ないと判断出来ない物か?(遺体から金品を盗むというのは在り得るだろうけれど。)
日常で在っても、特定の組織や人物を攻撃したいが為に、全くの嘘を然も事実の様に、平然と流す馬鹿は居る。面白おかしく、デマを飛ばす愉快犯も居る。「受け取ったデマをデマと思わず、親切心から拡散する人達が殆ど。」と信じてはいるが、悪質な連中がより跋扈するのが常で在る事を念頭に置き、冷静に判断しないといけない。
根拠のない希望に拠って「性善説」を唱え、何かあると「想定外」と逃げを打つ人たちの無責任を思うと、尚更にそう思います。
残念な事では在りますが、自分も「性悪説」の立場を取る身ですので、悠々遊様の御指摘は全く同感です。
「デマと思わず、親切心からデマを拡散してしまった人達。」に対しては同情の思いが無い訳では無いけれど、そういう人達を少しでも減らす為にも、学校等で「メディア・リテラシー」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC)に付いて教えるべきだし、又、悪意を持った連中に対しては法によって厳罰を科すべきでしょうね。