ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“売り”が“ネック”に

2023年03月05日 | 其の他

嘗て熱海」は、観光地のメッカだった。自分の親世代で言えば、「新婚旅行は海外に。」なんて時代では無く(の両親はなけなしの金を叩いて、アジアを新婚旅行先に選んだそうだが。)、内で済ませるのが一般的で、其の多くは熱海だったと聞く。又、自分が幼い頃、熱海は“団体旅行の定番”で、修学旅行社員旅行等、大勢の観光客で溢れ返っていた。

「そんな熱海も今や、閑古鳥が鳴く有り様。」という話を聞いていた頃、今から四半世紀程前だったと思うが、熱海駅前を歩いた。出張帰りの金曜日、夕方の事だったが、シャッターが降ろされた店が滅茶苦茶多く、観光客の姿も疎らで、想像していた以上の“寂れ具合”に唖然としてしまった。

だから、申し訳無いけれど、「熱海=寂れた街」というイメージをずっと持ったいたのだが、今は全然違っていると言う。3日夜に放送された「日経スペシャル ガイアの夜明け」で熱海が取り上げており、今や“日中の熱海”は、若い人達を中心に観光客で溢れ返っていた。“インスタ映え”する様な飲食物を提供する店が増え、其処目当てに来る観光客、又、花火大会等のイヴェントにも多くが押し寄せていると言う。

、日中は大勢の観光客が押し寄せる熱海だけれど、夕方以降は様相一変する。熱海に宿泊せず、日帰りする観光客が多いからだ。昔、熱海と言えば「首都圏から近場温泉。」というのが“売り”だったが、今は其の“近場”というのが“ネック”となり、「近場だから、態々宿泊する必要は無い。日中観光して、夕方には電車等で帰る。」という観光客が多いのだ。実際、東京駅から熱海駅こだまだと50分を切っている。

「“売り”だった物が、今や“ネック”となっている。」というケースは、他にも在る。京都市と言えば“史跡溢れる 雅びな都市”で在り、其れが多くの観光客を呼び寄せる売りでも在った。だが、其の京都市も、財政破綻危機瀕している長引く新型コロナウイルス感染症の影響で、修学旅行の学生達のみならず、海外からの観光客が壊滅的に減少し、其の結果、売りだった観光による税収が激減。

又、固定資産税掛からない神社寺院等の宗教法人が多い上、人口の1割が大学生で、更に高齢者も多い事から、納税義務の在る人の割合が2021年度年度で43.5%と、政令指定都市で一番低くなっている。更に、“景観保全”の高層マンションが建てられない事から、固定資産税が多く見込めない。」という“特殊事情”が京都市には在る。

「史跡が多い。」というのは「神社や寺院が多い。」、「景観を保全する為、高層マンションが建てられない。」という事にリンクし、結果として「観光客が減ってしまうと、税収が大幅に減ってしまう可能性が在る。」となってしまうのだ。観光が大きな売りだったけれど、今や其の事がネックになってしまっている訳だ。


コメント    この記事についてブログを書く
« 何方も何方 | トップ | 郷土料理が美味しい都道府県 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。