昔は好みで無かった物が、馬齢を重ねて好きになったりする事が在る。自分の場合、食べ物で言えば筍や松前漬けなんかがそうで、子供の頃は「こんなの、何処が美味しいんだろう。」と受け付けなかった。然し、今は好んで食しているのだから笑ってしまう。
スポーツで言えば、“箱根駅伝”がそうだ。親戚に箱根駅伝が大好きで、毎年夢中になって見ている人間が居るのだけれど、「唯走っているだけなのを見て、何が面白いんだろうか?」と不思議だった。でも、7~8年位前から、自分も夢中になって見ている。必死に走る選手達の姿から、ドラマ性を感じる様になったから。
で、今年も箱根駅伝を見た。選手個々が生み出すドラマには感動させられたのだけれど、総合3連覇と大学駅伝3冠を達成した青山学院大学に関しては、応援している方々には申し訳無いのだけれど、正直鼻白む物が。余りに強過ぎ、横綱相撲を見ている様な感じがしたから。
青山学院大学の選手達の頑張りは高く評価しているし、「優勝して当たり前。」という世評の中で優勝するのは、非常にストレスが在った事だろう。だから、優勝にけちを付ける気は毛頭無いが、第三者としては「大接戦を繰り広げて欲しかった。」という思いが在る。
自分は「V9時代」の記憶が殆ど無い世代だが、V9時代の後半辺りでは、アンチジャイアンツの人達のみならずジャイアンツ・ファンの間からも、「ジャイアンツが強過ぎて、面白く無い。」という声が結構在ったと聞く。今の青山学院大学も、そんな感じなのだろう。判官贔屓な身からすると、「余り強く無いチームに勝たせて上げたいな。」と思ったりする。
個人的に一番グッと来たのは、関東学生連合チームの頑張り。特に、10区を走った照井明人選手(東京国際大4年)は凄かった。彼は「1時間10分58秒」で走ったのだけれど、此れは区間賞を獲得した作田直也選手(順天堂大4年)の「1時間11分00秒」を上回っていたから。関東学生連合はオープン参加で、記録も参考記録となる為、“幻の区間賞”となってしまったが、照井選手には何等かの御褒美を上げて欲しい物。
「箱根駅伝の歴代優勝校」を見ると、1959年~1964年に掛けて中央大学が達成した「6連覇」が、連覇の最高記録とか。「上には上が居るのだなあ。」と感心してしまう。
来年、青山学院大学が4連覇を達成するのか?其れとも、他の大学が頂点に立つのか?どういう結果になるにせよ、大接戦を期待したい。