大分県の教員採用を巡る汚職事件は泥沼の様相を呈しているが、「教育委員会が不正が在ったとされる2006~2007年の小学校教員採用試験の答案用紙や面接結果に付いて、文書管理規定で10年間の保存期間が定められていたにも拘わらず、それぞれ試験の半年後に破棄していた。」事が新たに露見した。文書を保管する県教育委員会義務教育課では「答案用紙等は結果開示や問い合わせが終わった時点で役割を終え、規定の対象にならないと判断していた。今思えば公文書に準ずるもので、取って置くべきだった。」と釈明するも、「不正を隠す意図は無かった。」と“悪意”を否定しているとか。
大分県では数年前どころか十数年以上前から、教員試験で大々的にコネ採用が行われているとの噂が在ったと言う。「採用された半数近くはコネ。」という指摘も在る様だが、これだけ広く噂されていた事柄なのに、教育委員会の上層部が皆等しく「全く聞いた事も無いし、関与した事も当然無い。」としているのは信じられない話だ。答案用紙類に関して文書管理規定では10年の保存が義務付けられているというのに、半年で廃棄していたというのも、組織的な悪質さ以外の何物でも無いと思うのだが。
以前書いた記事「コネも実力の内?」でも触れた様に、組織の幹部職員や議員が関与してのコネ採用は広く行われている事なのだろう。真面目に取り組んでいる者が馬鹿を見る世の中というのは、本当に許し難い。不正に関与した幹部職員も糞だが、交通違反の揉み消しやコネ採用の働き掛けをする議員はもっと糞。議員のすべき仕事は本来、そんな低レベルな物では無い筈。(幹部職員や議員に、悪事を頼み込む国民も勿論悪いが。)今回の事件で徹底的に真相究明を図り、“悪しき根”を全て取り除いて欲しいもの。
閑話休題。
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下関の大学生・樽井翔太郎は、大学の先輩・甲本一樹からたこ焼き屋のバイトを任せられる。或る日、昼食を終えた彼は、二人の男に追われている女子高生・花園絵里香と出遭う。「助けて!悪い人達に追われているの!!」と懇願する彼女を助けた翔太郎。だがしかし、彼女は門司を拠点とする暴力団「花園組」の組長の娘だった。
病を抱える妹の為、多額の手術費が必要な彼女。「だったら俺が御前を誘拐してやろうか?」と翔太郎が冗談で狂言誘拐を提案した所、絵里香は大乗り気になってしまう。こうして一夏の狂言誘拐が始まった。
一方、狂言誘拐だとは露知らない組の面々。身代金を要求する電話を受け、「組長よりもヤクザらしく、組長よりも恐ろしい。」とされる絵里香の姉・皐月が妹を救うべく立ち上がる。
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東川篤哉氏のユーモア・ミステリー「もう誘拐なんてしない」。書評欄でこの作品が紹介されているのを目にして、読む事にした。東川氏の作品を読むのは初めて。
今から四半世紀近く前、赤川次郎氏の作品を読み漁っいた時期が在った。あの軽いタッチが好きだったのだが、年を経て赤川作品からは“引退”。この作品は赤川氏のタッチと似ていなくも無いが、全体的にユーモアのセンスが泥臭い気がする。登場人物達のノリ&突っ込みも野暮ったいし、ストーリーも書評で評価されていた様な魅力は感じられない。
総合評価は星2.5個。
大分県では数年前どころか十数年以上前から、教員試験で大々的にコネ採用が行われているとの噂が在ったと言う。「採用された半数近くはコネ。」という指摘も在る様だが、これだけ広く噂されていた事柄なのに、教育委員会の上層部が皆等しく「全く聞いた事も無いし、関与した事も当然無い。」としているのは信じられない話だ。答案用紙類に関して文書管理規定では10年の保存が義務付けられているというのに、半年で廃棄していたというのも、組織的な悪質さ以外の何物でも無いと思うのだが。
以前書いた記事「コネも実力の内?」でも触れた様に、組織の幹部職員や議員が関与してのコネ採用は広く行われている事なのだろう。真面目に取り組んでいる者が馬鹿を見る世の中というのは、本当に許し難い。不正に関与した幹部職員も糞だが、交通違反の揉み消しやコネ採用の働き掛けをする議員はもっと糞。議員のすべき仕事は本来、そんな低レベルな物では無い筈。(幹部職員や議員に、悪事を頼み込む国民も勿論悪いが。)今回の事件で徹底的に真相究明を図り、“悪しき根”を全て取り除いて欲しいもの。

閑話休題。
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下関の大学生・樽井翔太郎は、大学の先輩・甲本一樹からたこ焼き屋のバイトを任せられる。或る日、昼食を終えた彼は、二人の男に追われている女子高生・花園絵里香と出遭う。「助けて!悪い人達に追われているの!!」と懇願する彼女を助けた翔太郎。だがしかし、彼女は門司を拠点とする暴力団「花園組」の組長の娘だった。
病を抱える妹の為、多額の手術費が必要な彼女。「だったら俺が御前を誘拐してやろうか?」と翔太郎が冗談で狂言誘拐を提案した所、絵里香は大乗り気になってしまう。こうして一夏の狂言誘拐が始まった。
一方、狂言誘拐だとは露知らない組の面々。身代金を要求する電話を受け、「組長よりもヤクザらしく、組長よりも恐ろしい。」とされる絵里香の姉・皐月が妹を救うべく立ち上がる。
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東川篤哉氏のユーモア・ミステリー「もう誘拐なんてしない」。書評欄でこの作品が紹介されているのを目にして、読む事にした。東川氏の作品を読むのは初めて。
今から四半世紀近く前、赤川次郎氏の作品を読み漁っいた時期が在った。あの軽いタッチが好きだったのだが、年を経て赤川作品からは“引退”。この作品は赤川氏のタッチと似ていなくも無いが、全体的にユーモアのセンスが泥臭い気がする。登場人物達のノリ&突っ込みも野暮ったいし、ストーリーも書評で評価されていた様な魅力は感じられない。
総合評価は星2.5個。

>交通違反の揉み消しやコネ採用
母親が昔、酔払い運転の公務員に追突されたのですが、警察対応が露骨でした。当時は女性ドライバーの事故では女性を悪く扱うということもあったのですが、それ以上に明らかに加害者の味方だったんです。よく二時間ドラマで描かれるような世界ですよ。公務員の両親はいわゆる公務員一族の一員でした。
なんだか母親が悪いほうにされそうだったので、一家全員激怒。加害者も「あなたが悪いんですよ」みたいな電話かけてくるし、ノイローゼになるか思いました。もっとも両親ついに切れて「教育委員会に訴えるぞ、この酔払い運転野郎!」と言ったら、突然低姿勢に。泣き出す始末。マンガのようでした。なんだったのでしょう。すぐに慰謝料持ってきましたが、「お前のくそえばってる親連れてきて土下座されろ!」と親父が怒鳴ったり大騒ぎでした。
あれ以来、両親の公務員嫌い・警察嫌いは近所でも有名なほどのレベルに^^;。
20年以上前の話だけれど、今はどうなんでしょうね。
ユーモア・ミステリーという範疇に在り乍ら、ユーモアのセンスが何とも古臭い感じがする作品でした。謎解きの部分でもピンと来なかったし、書評での評価がそこそこ高かったのが不思議。
過去の話とはいえ、御母様は災難でしたね。教師をしている友人曰く、「大学を出て直ぐに『先生』と呼ばれる立場になった事で、勘違いして威張り散らす様な同僚も居るんだよね。」と。「先生」というのを錦の御旗にして勘違いな言動を為すものの、その錦の御旗が相手に効果を為さないと見るや、急に弱気になってしまうのは笑えるとも自嘲気味に話していました。勿論、こんな勘違い教師は少数派だとは判っていますが・・・。
一般企業にも駄目な人材(これは処理能力が遅いとかそういう話では無く、明らかに遣る気の無い人間という意味です。)は結構居ます。ですから公務員ばかりが責められてしまうのも気の毒に思っていますが、唯、駄目な人材はどんどん解雇出来る環境(法律の整備等で。)にして欲しいもの。「解雇する事で、国民生活に不利益を生じる。」といった理由を挙げる人も居りますが、地方自治体では実際に大幅な人員カット(駄目な人材を解雇という訳では無く、あくまでも人件費削減の観点からの早期退職の結果ですが。)をしたにも拘わらず、却って住民サービスの質が上がったとされる所も在る。その事で職員の残業が増えてしまうというのでは駄目ですが、少なくとも前にTV番組で取り上げられていたその自治体では、残業も増えていないとの事でした。
官民問わず、信賞必罰をもっと厳格にすれば良いと思うんです。得た利益以上の物を吐き出させる等、不正が割りに合わないと明確に知らしめる事で、不正がゼロになるとは思わないけれども、かなり減らせるのではないかと。
この手の不正に対し、「そりゃあ良くない事だろうけど、自分の身内が便宜を図って貰ったら嬉しいでしょ?」と言う人が自分の周りにも居ます。心情的には理解出来ても、それを言っちゃあおしまい。私利私欲だけを前面に押し出していては、社会は乱れる一方。真面目に頑張っても実力が足りないで試験に落ちたというなら仕方ないけれども、単にコネが無かったから“代わりに”落ちたというのは言語道断。こういう不正に手を出すのって上でも書きました様に、割りに合う可能性が多分に在るからで、絶対に割に合わないと思わせる重罰が在れば、かなり防げると思うんですけどね。まあ、不正に関わる可能性が高い御偉いさん連中が法を作るのですから、間違っても厳罰主義は打ち出さないでしょうが・・・。
私は大分県民でなくてよかった・・・こう述べると大分県民のみなさんは腹が立つでしょうが、県民の方々を馬鹿にしているわけではありません。事件の当事者や知っていて知らんふりしていた人たちに言ってやりたいのです。
「こんなことがいつまでも続いていたら大分県は日本中の笑いものですよ」、彼らにそう言ってやりたいです。
「そんなのどこの自治体でもやってるよ」とこっそり思ってはいけません。「カネやコネで教員や管理職になるなんてありえない」世の中にならなければ。
誰を合格させるか少数の人事担当者の裁量に委ねられている仕組みそのものがおかしい。
大分県の教育委員会はメンバーも制度も一新させる必要があります。そんなことしたら関与した人数が多すぎるので誰もいなくなる?その場合は文科省や民間から人材をひっぱってくればいいです。
どっちみち現状では「自治」できる自治体ではないです。自治は、自ら治めるものにだけ与えられた権限です。今後は監視が必要です。
贈賄した側も収賄した側もどちらも教職者。そんなことをした人をもはや先生とは呼べません。毎日さまざまな事件が起こりますがその中でもあまりにあさましい事件です。