ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「新聞記者」

2019年07月06日 | 映画関連

昨日の記事「同潤会代官山アパートメント」を書いていた時に気付いたのだけれど、6月30日の記事「蒼色の大地」が、文章の途中でアップされていた。読了した小説に関する記事なのに、何時もの様に総合評価が記されていない許りか、読点で終わっているという妙さ。

結論を言ってしまえば、本当はもっと長く文章を書き上げていたのだが、何故か半分以上が反映されず、“消えて”しまったのだ。「此のgooブログのリニューアルがされて以降、幾つかの不具合に悩まされている。」という事を4月に記したが、今回も其の不具合一環の様だ。

中途半端な形でアップしているのはだけれど、と言って、熱を込めて書き上げた長文を思い返し、再度書き直す気力も無い。なので、記事として成立する最低限の付け足しをして、文章を仕上げた。読んで下さっている方々には、中途半端な形でアップされてしまった事を申し訳無く思うと共に、こういう不具合は書く気を失わせる事を、gooブログスタッフには良く理解して貰いたい。

閑話休題

*********************************
東都新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョンさん)のに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名にて、FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母の下、アメリカで育ち、或る強い思いを秘めて、日本の新聞社で働いている彼女は、真相究明すべく、調査を始める。

一方、内閣情報調査室(略称:内調)官僚・杉原拓海(松坂桃李氏)は葛藤していた。「国民に尽くす。」という信念とは裏腹に、与えられた任務は、現政権に不都合なニュースのコントロール。

愛する妻の出産が迫った或る日、彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎俊尚(高橋和也氏)と再会するのだが、其の数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。

真実に迫ろうと藻掻く、若き新聞記者。“闇”の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。2人の人生が交差する時、衝撃の事実が明らかになる。
*********************************

権力阿り理不尽な事にも口を噤む が少なく無い昨今に在って、“政権の異常さ”を指摘し続け、政権から疎まれている女性が居る菅義偉内閣官房長官の“天敵”として有名になった、東京新聞の記者・望月衣塑子さんだ。そんな彼女が書いたノンフィクション新聞記者」をに、映画化されたのが「新聞記者」。

モリカケ問題」を始めとして、権力者による異常な公私混同際立つ安倍政権。自分にとって不都合な事を聞かれると、幼児如く打ち切れたり、全く無関係な話を持ち出して誤魔化し続ける安倍晋三首相の姿からは、知性の欠片すら感じられない。

きちんと検証すれば、「して来た事はパフォーマンス許りで、残した実績は無いに等しい。」事が判ろうものなのに、“表面的な部分”だけで安倍首相を支持している人が少なく無いのは、本当に理解に苦しむ。「自分にとって不都合な事には、打ち切れたり誤魔化し続ければ何とかなる。」という悪しき風潮を加速化させ、道徳概念瓦解させた安倍首相の罪は、万死に値すると思っている。

政治に興味を持って以降、自民党に対してシンパシーを感じた事は殆ど無い。でも、そんな自分でも、嘗ての自民党は、もっと真面だった。と思う。

何度も公私混同が指摘されて来た自民党所属のチンピラ議員が、国会内の“演説”で散々安倍首相を賛美した挙句、「(安倍首相を批判する)野党は、恥を知りなさい!!」と声を張り上げたり(という事は、野党を支持している国民に対して、彼女が「恥を知りなさい!!」と言っているのと同じ事だ。)ネット上に転がっている数々のデマ、安倍首相を此れでもかと賛美する文、野党の党首達を侮蔑するイラスト、安倍首相を美化したイラスト等で埋め尽くされた冊子。」を自民党が所属議員に送っていたり(此の件を指摘された安倍首相は、「党本部は色んな冊子を配っているが、一々見ていない。読んでいないので、反論のし様が無い。漫画なんかより、議論しましょう。」等と誤魔化していたが、彼の性格を考えると、全く知らないとは思えない。寧ろ、喜んで配布を指示していた可能性も考えられる。本当に知らなかったとしたら、自民党の党首として党内部を全くコントロール出来ていないという事で、其れは其れで問題ではないか?訳の判らない冊子を党として送っていたのだから、党首としてきちんと認め、謝罪するのが真面な大人だろう。)なんていう下品さと異常さは、嘗ての自民党には無かったから。

こんな異常な政権が長続きしている理由に、野党のだらしなさも確かに在る。でも、他に大きな理由が、少なくとも3つ在ると思っている。「権力の甘い汁を吸い、政権にべったりと寄り添う公明党が“自民党の集票マシン”となった事で、自民党がどんなに滅茶苦茶な事をしても、選挙で“大負け”する事が無くなった。」、「“言うだけ番長”の小泉進次郎氏が、自民党に対する不満の“瓦斯抜き役”を果たしている事に気付かず、『まあ良いか。』と自民党を支持する人達の多さ。」、そして「公安組織たる“内調”が、政権に都合の良い世論誘導を行っている(と思われる)。」事だ。

映画「新聞記者」の中では、“内調”の具体的な世論誘導方法が描かれていて、非常に興味深い。「こんな事、在る訳無い。」と“無根拠”に切り捨てる人も存在するだろうが、過去にそういう事が行われていた“形跡”が明らかになった事が在るのに。

杉原拓海の上司が、「自分達は、を守っている。」と主張する場面が在る。でも、「国を守っている。」と言い乍ら、実際に彼等が必死になって守り抜いているのは“権力者”で在り、延いては“権力者の御友達”に過ぎない。又、彼が「此の国の民主主義は、形だけで良いんだ。」とも言っているが、偽らざる本音だろう。

杉原拓海役の松坂桃李氏の演技は光っていたが、吉岡エリカ役のシム・ウンギョンさんには、正直「うーん・・・。」という感じが。「演技している。」という感じが伝わって来る“表情の作り方”にはシンパシーを感じなかったし、安倍政権を無条件で支持しているネット右翼の多くが「安倍政権に少しでも異を唱える人に対して、馬鹿の一つ覚えの如く“在日認定”して喜んでいる現実。」を思えば、「政権を批判しているのは、矢張り在日だ!」と盲信させる“危険性”を考えわせると、“此の作品に関して言えば”、韓国人の彼女を敢えて“政権に批判的な新聞記者役”として起用する必要性は無かった様に思う。

総合評価は、星3.5個とする。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 「同潤会代官山アパートメント」 | トップ | 許せない!! »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本人女優をキャスティング出来なかった理由 (Kei)
2019-07-09 23:15:51
近年ほとんど作られなくなった、国家権力の横暴を痛烈に批判する社会派ドラマの力作ですね。
やや食い足りない点もありますが、安倍一強で野党もマスコミも元気がない今の時代に、よくぞ作ってくれました。しかもこれをイオン系シネコンで配給・上映してくれた事も快挙です。応援する意味で、映画は極力イオンシネマで観るようにしています(笑)。
興行的にも健闘していて、私が行った映画館もよく入ってました。観客の反応も良くて、上映後拍手が起きたという話もあちこちで聞きます。
そして凄いのが、興行ランキングで初登場10位。そしてなんと2週目には8位にランクアップするという、異例の展開になっています。口コミで話題が広がってるようで、「この世界の片隅に」のような息の長い興行になってくれたら嬉しいですね。

それで、吉岡記者を韓国系のシム・ウンギョンが演じている点について。私もこの配役は疑問と思いますね。原作者の望月衣塑子記者は東京生まれの日本人ですから、あえて韓国ハーフにする必要性は感じられません。
この配役になった理由が一部で報じられていて、それによると
「実は、最初は女優の宮崎あおいや満島ひかりにオファーしていたんです。しかし、この映画に出演すると“反政府”のイメージがついてしまうため断られた。大手事務所に所属の女優さんは誰もやりたがらなかったんです。だからしがらみのない韓国人の女優さんに決まったというのです。役柄も日本人の父と韓国人の母の間に生まれ米国育ちの設定になっています」(映画ライター)
出典:https://www.excite.co.jp/news/article/Asagei_129364/
という事のようです。情けない話ですね。事務所の反対を押し切って出演希望する度胸のある日本女優はいなかったのでしょうか。その点、出演を受諾した松坂桃李はエラいですね。見直しました。
返信する
>Kei様 (giants-55)
2019-07-10 01:09:50
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

自分が足を運んだ映画館では、上映されたのが遅い時間帯という事も在り、入りは今一という感じでしたが、興行成績は結構良い様ですね。後述しますが、マスメディアが此の作品を殆ど取り上げていない中、口コミで観客が増えているとか。本当に、多くの人に見て欲しい作品です。

で、此の作品をマスメディアが殆ど取り上げないのは、「“実質的に”安倍政権を批判している事から、忖度して“自主規制”しているから。」とも言われていますね。又、陰謀論めいた話になってしまいますけれど、此の作品の公式サイトが暫くの期間、アクセス不能状態になっていたとの事。同じIPから大量にアクセスされる等、此の作品を多くの人が見る事に不快さを感じている“組織”が在るのでしょう。

そんな状況故、「主人公の女性を“日本人”では無く、“韓国人”の俳優を起用したのは、色々な圧力が在ったのかなあ?」という気はしていましたが、矢張り・・・。

「そんな状況下、敢えて出演した松坂桃李氏は“骨”の在る俳優だなあ。」とも思っていましたが、今回の情報で、より其の思いを強くしました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。