アメリカ大統領選挙の投票が始まった。最早、「アメリカ=正義」と捉える人間も少なくなったとはいえ、超大国の指導者が選ばれるこの選挙には、世界中の注目が集まっている事だろう。
アメリカを身勝手な国と考える自分でも、彼の国を民主主義国家の先人として、見習うべき点が多いと思って来た。しかし、前回の大統領選挙(2000年)の疑惑まみれの決着を目にした辺りから、自分の中では「何か違うぞ」という思いが多くを占める様になっていた。そして、史上稀に見る大接戦になるのではないかと言われる今回に到って、様々な疑惑が噴出し、「アメリカは自らの手で民主主義を放棄しようとしている。」と思わざるを得なくなった。その疑惑の幾つかを下記してみたい。
① 前回の大統領選挙で、疑惑の大きな要因となったものに、「バタフライ方式」(投票用紙上に候補者の名前が記載され、有権者が投票したい候補の所に穴を開ける。)と呼ばれる旧式の投票システムが在った。穴の開いた位置の微妙さから、不正なカウントが在ったのではないかという疑惑を呼んだ訳だが、それに代わって今回は、タッチスクリーン方式の電子投票機が導入された所が増えたという。ところが、この電子投票機の場合だと多くの場合、投票用紙に結果が打ち出される訳でもなく、コンピューター上で不正が行なわれ易いのではないかというもの。万が一、不正を疑われても、再開票をする事が出来ず、バタフライ方式よりも不正が蔓延するのではないかという声が多く出ている。
この電子投票機のメーカーは、「誰が誰に投票したかは、きちんと記録されるので問題は無い。」としているらしいのだが、この機械を製造する2社(両社併せての全米シェアは80%以上とされている。)は、ブッシュ現大統領の所属する共和党と極めて近しい関係にあり、実際問題、共和党支持を旗幟鮮明にしているのだとか。不正を行なえる環境は完璧に整っていると言われても否定は出来ないだろう。
② 有権者登録が済んでいない人間に対し、ボランティア団体が全米各地で登録活動を行なっている。ボランティア団体は、原則、不偏不党の立場でこの活動に参加する事になっているのだが、先般、「共和党の支持者達が組織的にこの活動に参加し、登録時に支持政党を聞いた上で、民主党支持者の登録用紙(?)を全て廃棄していた。」と、活動に加わっていた人間が暴露したという。調査を進めた所、各地で同様の行為が組織的に行なわれていた疑いが出て来ているのだという。
③ フロリダ州で、警察官が黒人街に赴き、「民主党に投票すると、とんでもない目に遭うぞ。」といった脅迫めいた言動をとっていた事が表面化。このフロリダ州は、ブッシュ現大統領の実弟が知事を務めている州なのだが、調査に当たってこの知事は、「別件の捜査の過程で、警察官が赴いた事は事実だが、脅迫等はしていない。」とコメントしたという。
④ 「華氏911」で反ブッシュを明確に打ち出しているマイケル・ムーア監督だが、投票日前に公共放送でこの「華氏911」を放送しようと画策したが拒否された。そこで、有料ケーブルテレビでの放送を交渉し、11月1日に放送される事が決定したのだが、放送の2週間前になって急遽放送中止が発表された。「特定の党派に偏向した番組を、選挙期間に放送するのは、法律に抵触するから。」というのが、放送を中止したテレビ局の見解だった。(結局、放送はされたらしいが。)
ところが、民主党候補のケリー氏を批判する映画は問題なく放送されていたのだというから、おかしなもの。この映画を放送したテレビ局は、共和党に多額の献金をしており、尚且つ、放送倫理を審査管理し、反ケリー映画の放送を認めたFCC(連邦通信委員会)の会長は共和党のパウエル国務長官の息子というのだから、話は出来過ぎている。
確かに、アメリカでは1987年に「放送は不偏不党でなければならない。」という公平原則が撤廃されてはいる。それ以降、共和党によるマスメディアの囲い込み工作が激化し、今やABCやNBC、FOX等の大手テレビ局並びに全米のラジオ局の6割以上を独占支配するクリア・チャンネル社も、共和党支持を隠さない有様。それは判っているものの、余りにも露骨なメディア統制ではないか。
勿論、共和党だけではなく、民主党も疑惑を持たれる様な行為を成しているとは思う。投票当日に、支持者を会場迄運ぶ為のバスの在り処を共和党陣営がひた隠しにしているのは、事前にばれてしまうと、民主党支持者にバスを破壊されてしまうのは恐れているからだという話も有るからだ。(当然、この逆も有るだろうが。)
この他にも、投票用紙の廃棄がされるのではないかという不信感を持つアメリカ国民も少なくないという事で、こうなってしまうと、フィリピン等の”民主主義未発達”の国と何等変わらない気すらして来る。
アメリカは民主主義の手本にすらもならない国家に成り下がってしまったのだろうか・・・。
アメリカを身勝手な国と考える自分でも、彼の国を民主主義国家の先人として、見習うべき点が多いと思って来た。しかし、前回の大統領選挙(2000年)の疑惑まみれの決着を目にした辺りから、自分の中では「何か違うぞ」という思いが多くを占める様になっていた。そして、史上稀に見る大接戦になるのではないかと言われる今回に到って、様々な疑惑が噴出し、「アメリカは自らの手で民主主義を放棄しようとしている。」と思わざるを得なくなった。その疑惑の幾つかを下記してみたい。
① 前回の大統領選挙で、疑惑の大きな要因となったものに、「バタフライ方式」(投票用紙上に候補者の名前が記載され、有権者が投票したい候補の所に穴を開ける。)と呼ばれる旧式の投票システムが在った。穴の開いた位置の微妙さから、不正なカウントが在ったのではないかという疑惑を呼んだ訳だが、それに代わって今回は、タッチスクリーン方式の電子投票機が導入された所が増えたという。ところが、この電子投票機の場合だと多くの場合、投票用紙に結果が打ち出される訳でもなく、コンピューター上で不正が行なわれ易いのではないかというもの。万が一、不正を疑われても、再開票をする事が出来ず、バタフライ方式よりも不正が蔓延するのではないかという声が多く出ている。
この電子投票機のメーカーは、「誰が誰に投票したかは、きちんと記録されるので問題は無い。」としているらしいのだが、この機械を製造する2社(両社併せての全米シェアは80%以上とされている。)は、ブッシュ現大統領の所属する共和党と極めて近しい関係にあり、実際問題、共和党支持を旗幟鮮明にしているのだとか。不正を行なえる環境は完璧に整っていると言われても否定は出来ないだろう。
② 有権者登録が済んでいない人間に対し、ボランティア団体が全米各地で登録活動を行なっている。ボランティア団体は、原則、不偏不党の立場でこの活動に参加する事になっているのだが、先般、「共和党の支持者達が組織的にこの活動に参加し、登録時に支持政党を聞いた上で、民主党支持者の登録用紙(?)を全て廃棄していた。」と、活動に加わっていた人間が暴露したという。調査を進めた所、各地で同様の行為が組織的に行なわれていた疑いが出て来ているのだという。
③ フロリダ州で、警察官が黒人街に赴き、「民主党に投票すると、とんでもない目に遭うぞ。」といった脅迫めいた言動をとっていた事が表面化。このフロリダ州は、ブッシュ現大統領の実弟が知事を務めている州なのだが、調査に当たってこの知事は、「別件の捜査の過程で、警察官が赴いた事は事実だが、脅迫等はしていない。」とコメントしたという。
④ 「華氏911」で反ブッシュを明確に打ち出しているマイケル・ムーア監督だが、投票日前に公共放送でこの「華氏911」を放送しようと画策したが拒否された。そこで、有料ケーブルテレビでの放送を交渉し、11月1日に放送される事が決定したのだが、放送の2週間前になって急遽放送中止が発表された。「特定の党派に偏向した番組を、選挙期間に放送するのは、法律に抵触するから。」というのが、放送を中止したテレビ局の見解だった。(結局、放送はされたらしいが。)
ところが、民主党候補のケリー氏を批判する映画は問題なく放送されていたのだというから、おかしなもの。この映画を放送したテレビ局は、共和党に多額の献金をしており、尚且つ、放送倫理を審査管理し、反ケリー映画の放送を認めたFCC(連邦通信委員会)の会長は共和党のパウエル国務長官の息子というのだから、話は出来過ぎている。
確かに、アメリカでは1987年に「放送は不偏不党でなければならない。」という公平原則が撤廃されてはいる。それ以降、共和党によるマスメディアの囲い込み工作が激化し、今やABCやNBC、FOX等の大手テレビ局並びに全米のラジオ局の6割以上を独占支配するクリア・チャンネル社も、共和党支持を隠さない有様。それは判っているものの、余りにも露骨なメディア統制ではないか。
勿論、共和党だけではなく、民主党も疑惑を持たれる様な行為を成しているとは思う。投票当日に、支持者を会場迄運ぶ為のバスの在り処を共和党陣営がひた隠しにしているのは、事前にばれてしまうと、民主党支持者にバスを破壊されてしまうのは恐れているからだという話も有るからだ。(当然、この逆も有るだろうが。)
この他にも、投票用紙の廃棄がされるのではないかという不信感を持つアメリカ国民も少なくないという事で、こうなってしまうと、フィリピン等の”民主主義未発達”の国と何等変わらない気すらして来る。
アメリカは民主主義の手本にすらもならない国家に成り下がってしまったのだろうか・・・。

ところが今は・・・
あれじゃー、昔の日本の中国戦争や太平洋戦争時に、提灯記事を書いた、当時の日本の新聞と、ほとんどかわりがありません。
世の中に、ジャーナリストと言われる人種はいなくなってしまったのでしょうか?
悲しいです。
今回は史上稀に見る接戦で注目を浴び、投票率も上がるであろうに、結局裏は醜く、汚い選挙になりそうですね。(苦笑
政治の世界は、どこも国も一緒でキタナイ事だらけ・・・
アメリカは民主主義を掲げつつ、すでに民主主義を放棄してしまっているのかもしれませんね(泣)
byアフガン、イラク首脳
また広い視点での“発達障害”“自閉症”他、様々な福祉についての啓蒙にも期待しています。
また今後とも宜しくお願いします。
さすがとしか言えないです。
アメリカの民主主義 万歳(バンセー)
電子投票、怖いですね。インチキルーレットみたいです。米十大企業中、ケリー側にも資金を提供したのは、シテイBGのみと聞いてますから、社員への締め付けすごいでしょうね^^;。
ブッシュ家は、石油業者と聞いていますからこうした超財閥の代理人といえましょうか。
アメリカのガソリンにも、トルエン、ベンゼン添加して有るんでしょうか?
ブッシュ氏が勝てば、イラク戦でたくさんの人が死ななければなりません。
更に、米財政の再破綻→対外資産の目減りに拠る日本の金融機関再の破綻。
石油製品の値上がりまたは高止まり、
ドル価値の再目減りなどが、予想されますね
giants-55さんのコメントは、堂々たるものですので、記事にされて、TBで発信して頂くととてもありがたいです。
これからも、どうか宜しくお願い致します。
昨夜の段階では両者伯仲で今回も長期戦となりそうな雰囲気でしたが、一転ケーリー氏が敗北宣言、ブッシュ氏が勝利宣言を行い事実上再選が決まった模様です。なにかいまひとつすっきりしない気分ではありますが、どちらが勝利してもアメリカの中東問題への根本的スタンス(特にパレスチナ問題)は変わらないという意見も有りますしアメリカ国民が自ら決めた事なので仕方がないとは思います。ただ今回の投票率が高かった事は評価したい。私が選挙権を得て20数年来此のかた投票所に行列が出来る選挙など経験した事がない(投票システムに問題があるのかもしれませんが)これはちょっと羨ましく感じました。