「愛知貰い子殺人事件」等

ＹｏｕＴｕｂｅに、「【日本の事件】大正・昭和時代に起きた７つの事件」【動画】というのがアップされていた。大正及び昭和に発生した７つの凶悪事件を紹介しているのだが、自分が知らない事件も在った。紹介されている７つの凶悪事件は、次の通り。

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・「愛知貰い子殺人事件」：１９１３年６月４日に発覚した、愛知県愛知郡愛知町日置若狭に在住の坂倉しげ（４５歳）を主犯とする大量殺人事件。１８９８年より私生児を４０～５０円（現在では８０万円～１００万円位か？）の養育費と共に引取り、其の私生児を次々と殺害。１９１３年５月時点で、殺害した私生児の人数は約２００人とされた。坂倉しげの他に、沖つた（４５歳、名古屋市中区在住）と猪飼なか（６２歳、愛知郡天白村平針在住）が共犯として逮捕され、１９１５年に３人全員が死刑となった。

・「鈴ヶ森おはる殺し事件」：１９１５年４月３０日、鈴ヶ森刑場跡で発生した殺人事件。被害者の愛人が容疑者として逮捕されたが、真犯人が名乗り出た。大正時代を代表する冤罪事件でも在る。又、名乗り出た真犯人に対しても、一度は証拠不十分で無罪判決が言い渡されたにも拘らず、被告側が有罪を主張して控訴するという珍事となり、話題になった。結局、真犯人として名乗り出た石井藤吉（４４歳）は、１９１８年に死刑となった。

・「小石川七人斬り事件」：１９１５年３月１５日、東京府東京市小石川区表町（現：東京都文京区小石川）に在った東京電燈（東京電力の前身）小石川出張所で、一家８人の内、幼児を除く７人が殺傷された事件。同年９月、犯人として大岩寅次郎（３９歳）が逮捕され、彼の自供から、共犯として香取彦次郎（３８歳）も逮捕。１９１６年、２人共死刑となった。

・「大輝丸事件」：１９２２年に発生した、日本の海賊による外国人殺害事件。「２年前（１９２０年）に発生した『尼港事件』で、数多の日本人がロシア人によて惨殺された事への復讐。」という名の下に、ロシア船を次々と拿捕して積み荷を略奪した上、ロシア人１２人、中国人４人、朝鮮人１人を殺害。事件後、乗組員だった田中三木蔵と菊池種松が、罪の意識に堪え兼ねて自首した事により、事件が発覚。首謀者の江連力一郎（３４歳）に懲役１２年、又、起訴された他の乗組員３４人には懲役１２年から罰金５００円迄の有罪判決が下された。

・「小笛事件」：１９２６年６月３０日、京都府京都市北白川に住む平松小笛さんの自宅で、彼女と其の娘、そして小笛が預かっていた知人の娘２人が死亡しているのが発見された“変死事件”。小笛さんの遺体には索溝が２条在る等、彼女の死因が自殺を偽装した他殺と判断され、彼女の愛人で在った男性Ａが検挙された。だが、一審判決でＡは証拠不十分により無罪。検察側は控訴するも、大阪控訴院での二審では「２人の鑑定人による再々鑑定結果が、共に小笛さんの死因を自殺とする物。」で在った事から、「検察側は、自らＡの無罪を求める論告を為す。」という異例の対応を行い、１９２８年に大阪控訴院は再度の無罪判決をＡに言い渡し、事件は終結した。

・「玉の井バラバラ殺人事件」： １９３２年３月７日、東京府南葛飾郡寺島町（現在の東京都墨田区）で発覚した殺人事件。此の事件によって、殺害された被害者の遺体を切り刻む猟奇殺人の名称として「バラバラ殺人」が定着。

・「人違いバラバラ殺人事件」：１９５４年、埼玉県で発生した殺人事件。此の事件では、加害者が殺害対象と誤認し、全く無関係の女性を殺害した上、被害者の身体を切断、遺棄した事で有名。又、加害者には一旦無期懲役の判決が下されたものの、控訴審で証人として法廷に現われた本来の殺害対象で在った女性に対して、加害者が危害を加えた事で、其の後に逆転の死刑判決が出された。１９５９年に死刑は執行。
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「愛知貰い子殺人事件」、約１５年間で約２００人の私生児が殺害されていた訳で、平均すると月に１人以上殺害してた計算になる。金銭目的なのか、又は快楽殺人が目的なのかは判らないが、考えられない事件だ。

そして「大輝丸事件」だが、１７人も殺害したのに、首謀者・江連力一郎ですら懲役１２年というのは、考えられない程“軽い刑”だと思う。加えて、「江連には数度の恩赦が適用され、８年後の１９３３年に出獄。翌年の１９３４年、『マリー・ローザンヌ号金塊引揚事件』に関与したとして江連は逮捕されるも、無罪となる。以降、何度も詐欺事件の関係者として名前が上がるも、捕まる事は無かった。」というのだから、昔良く在った「国粋主義者の犯罪は、大幅に減刑される。」が適用されたという事だろう。