日本経済が飛躍的に成長を遂げた1955年から1973年に掛けてを「高度経済成長期」と呼ぶが、此の間、数多のインフラが整備された。上下水道やトンネル、河川、港湾等がそうだが、整備されてから半世紀以上が経ち、老朽化による危険性が指摘されて久しい。橋も、そんな1つだ。
昨日、ワイドショー「めざまし8」で、老朽化した橋に付いて取り上げていた。老朽化による危険性が高い為、通行出来ない橋が日本には多く存在し、其の殆どが高度経済成長期に作られた物だとか。番組内で取り上げられていた中には、「川に架けられている橋を使えば、対岸迄5分程で渡れるが、通行出来ないので迂回路を使うと、3倍近くの時間を要する。」なんてケースも在った。日常的に渡らなければならない場合は、本当に大変だと思う。
国や地方自治体が老朽化した橋を修繕したくても、予算の関係で中々出来ないと言う。略同時期に作られ、略同時期に老朽化した橋が多いからだが、其れ等の修繕が待たれている間にも、新たに修繕が必要な橋が出て来る等、収拾が付かない状況になっている。
老朽化の為、1日も早く修繕しなければいけないのだが、修繕出来ないで通行止めになっている橋には、予算面の理由以外の物も在る。「河川に於ける管理者不明の橋」もそうで、「勝手橋」とも呼ばれているそうだ。
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勝手橋:日本に於て、河川に架けられているが設置者が不明で、誰が管理するか決まっていない管理者不明の橋。川の周辺住民等が通行の便の為、勝手に設置した物が多く、木製の簡易な物から、コンクリート製の頑丈な橋迄、多種多様に存在する。
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「放置された儘、老朽化して倒壊等の危険性が在るものの、其の所有者が全く判らない為、権利関係の問題で、行政が建て壊したくても建て壊せない家屋。」というのが、近年、非常に問題となっている。勝手橋も同じ理由から、修繕したくても修繕出来ないケースが結構在る様だ。国土交通省の2022年5月の調査によると、回答分だけでも「日本全国に、勝手橋は9,697ヶ所存在していた。」とか。都道府県で勝手橋が最も多いのは滋賀県で、当時2,138ヶ所も存在し、此れは滋賀県が管理する河川に架かる橋の約4分の1にも相当。老朽化した勝手橋の中には、完全封鎖されて通行出来なくなっている物も在り、住民生活に大きな支障を来している様だ。