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「修学旅行先変更、理由は車酔い・・・ 兵庫・姫路の小6生 60年続いた伊勢から京都へ」(12月1日、神戸新聞NEXT)
姫路っ子の小学校時代の思い出と言えば、「伊勢・奈良」の修学旅行。兵庫県姫路市内の略全校が約60年続けて来た行事だが、来年度から訪問先が「京都・奈良」に変更される。6年前、各校が長年利用したJRの貸し切り列車が故障。バスに切り替えた途端、児童の車酔いが相次ぎ問題になった。伊勢旅行に馴染みの在る保護者等は惜しんだが、校長会が移動距離の短いルートを選んだ。
姫路市立小学校(全69校)の修学旅行は、6年生が対象。旧家島町を除き、5~6月に1泊2日の日程で実施している。
校長会によると、「伊勢・奈良」行きは、戦前に一部の小学校が導入。1957(昭和32)年頃には、全校に広がったと言う。
姫路と伊勢の移動距離は約300km。旧国鉄やJRの通常運行では使われない予備の車両を貸し切り、移動に使った。
ルートは市内の最寄り駅を出発し、奈良へ。東大寺の大仏を見学し、再び列車で伊勢・二見浦に向かう。翌早朝は「夫婦岩」で日の出を拝み、伊勢神宮や鳥羽水族館を訪ねた。
ところが6年前、特急「はまかぜ」にも使われた気動車が老朽化で故障。代替車両が見付からず、翌年から全行程をバスに切り替えた。
列車内は自由に歩き回れたが、バスはシートベルトを着用。車酔いで体調を崩す児童が増え、保護者が迎えに来る事態が度々起きた。
校長会は2年前から行き先の変更を検討し、移動距離が短い「京都・奈良」に決めた。今年に入り、来年以降の宿泊場所の目処が立ったと言う。
「祖父母の時代から、修学旅行は伊勢だったのに・・・。」。今春、各校で行われたPTAへの説明では、変更を惜しむ声が相次いだ。
校長会長を務める 城陽小の原田貞雄校長は「児童の身体を第一に考えた苦渋の決断。残念に思う人も多いが、理解して欲しい。」と話す。
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中学年以降を関東圏で過ごして来た自分の場合、修学旅行先と言えば「京都・奈良」という組み合わせがパッと頭に浮かぶ。姫路市の修学旅行事情には全く疎いのだけれど、「同市では略全ての市立中学が約60年間、修学旅行先として『伊勢・奈良』を選んで来た。」という歴史を知ると、今回の変更を惜しむ市民が少なく無いのは理解出来る。
唯、自分の時代でも、遠足等で長距離バスを使用した際、車酔いしてゲロを吐く同級生は結構居た。体質的に車酔いをした事が無いのだけれど、ゲロを吐いている同級生を見て「大変だなあ。」と思ったし、又、そういう姿を周りに見られ、非常に気まずい思いをしているで在ろう同級生が気の毒でも在った。児童の体調管理という観点を含め、今回の変更という決定は致し方無いだろう。
大変なのは、中学旅行先から外された伊勢市。「兵庫県内公立小学校児童数(平成26年5月1日現在)」によると、2年前の時点で姫路市立小学校に通っている6年生の全人数は「5,363人」となっている。現在も同程度の人数で、姫路市の宿泊先に支払う費用を「1万円/人」とした場合、総額で「5,363万円」(此の他に、引率する教師等の宿泊代も発生するけれど。)が、来年からは落ちない事になる。 又、同市の観光地に落とされていた金(土産代等。)も含めると、1億円を超える金額が消えて無くなってしまうと思われ、此れは同市の観光地にとって死活問題となろう。