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本当に俺が殺したのか?
二日酔いで目覚めた朝、藤村光哉(ふじむら みつや)はベッドの横の床で、女性がうつ伏せになっているのを目にした。血溜まりの中、胸にナイフが突き刺さり、既に事切れていた彼女の顔に、光哉は全く見覚えが無かった。
部屋は密室状態に在り、他に人は居ない。「酔っ払って、見ず知らずの人間を殺してしまったのか?否、そんな訳は無い。では、誰がどうやって殺したのか?」、残された手掛かりを元に、光哉は彼女に付いて調べる事に。
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貫井徳郎氏は好きな作家の1人なので、其の作品は全て読んで来ている。今回読了した彼の「女が死んでいる」は、図書館で借りたのだけれど、最初手にした際には、「何だ此れ!?」と思ってしまった。A5版で薄い厚みの表紙には、モデルの様な感じで佇む、御笑いコンビ「ライセンス」の藤原一裕氏(イケメンで有名。)の写真が使われていたから。中を開いてみると、矢張り彼の写真がふんだんに使われていた。「藤原氏を小説のモデルにした、書き下ろしの貫井作品。」という事だが、文章量の方が写真の量より多いものの、「藤原氏の写真集に、御負けとして小説が付いている。」という感じがした。
“最悪の男”を描いた様だが、内容的には実に薄っぺらい。展開や落ちが読めてしまったし、貫井作品には珍しい“遣っ付け仕事感”溢れる作品。藤原氏のファンには魅力的かもしれないが、其れ以外の人には御薦め出来ない内容。
総合評価は、星1.5個とする。