ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

人の振り見て我が振り直せ

2005年04月14日 | 時事ネタ関連
竹島問題を巡る韓国国内で反日運動の高まりが冷めやらない中、「歴史教科書問題」や「日本の国連常任理事国入り」に反対して、中国国内でも反日運動が激化の一途を辿っている。日系スーパーや飲食店、日本大使館等に押し寄せ、投石や破壊行為を成すデモ隊の姿が報道され、上海市の飲食店では日本人留学生2名が、日本人であるという理由だけで、中国人客からビールジョッキや灰皿で頭部を殴打されるという事件も起きた。

個人がどういった思想や信条を持とうが勝手で在って、人からどうこう言われるべきものではないと思っている。反日的な思想や信条を持つのも勝手だ。でも、報道で取り上げられる彼等の姿には思想や信条に突き動かされてデモを行なっているというのではなく、単なる破壊活動という愚行を成しているだけとしか思えない。

暴動とも言える反日運動の高まりの裏には、巷間言われている様に、「異常な迄の反日教育を叩き込まれて来た世代の台頭。」や「中国政府への不平不満を、反日運動で吐き出している。」、「中国本土への日本製品流入を、面白く思わない中国企業が煽っている。」等々、様々な要因が複雑に絡み合っているとは思う。でも、まるでピクニックに行くかの様に笑顔を見せながらデモ行進している姿や、”破壊活動”を成し「どうだ?」とばかりに誇らしげな顔で同士の反応を窺っている姿を見ると、其処に深い何かを見出せないのだ。言い方は不適切かもしれないが、日本でワールドカップ戦が行なわれた際、サポーターの名を借りて馬鹿騒ぎ&器物破壊を繰り広げた馬鹿連中と何等変わらない気がする。

実際問題、デモ隊に参加している人間の中には”プロ”の扇動家が存在すると言われているし、日本に関する知識が余りにも低い者も少なくないと聞く。中には「日本が核武装している。」と本気で信じている者迄居たという。破壊活動自体も言語道断だが、全くトンチンカンな知識を元に反日運動を行なっている連中も又、言語道断だろう。

中国政府は、「デモ活動は、歴史認識の足りない日本政府に対して行なわれたものであり、中国政府に責任が在るものではない。」とコメントを出し、デモ活動を黙認する姿勢を打ち出している。下手にデモ活動を取り締まれば、燃え上がる火の粉が一転、中国共産党に降りかかる事を承知しているからだろう。

戦争は人を殺す事が評価される狂気の状況に在る。かの喜劇王チャールズ・チャップリン氏が、映画「チャップリンの殺人狂時代」の中で一人殺せば悪人だが、百万人殺せば英雄だ。という台詞を吐いたが、正に異常な世界である戦争を良く表していると思う。この様な狂気の世界に在っては、人を殺し合う事を平和時の尺度で論じるのはどうかと思う。とは言え、人を殺めた事は決して許される事ではないし、ましてや戦争に於いて「勝てば官軍、負ければ賊軍」というのが常である以上、敗戦国の日本が非難される立場に置かれてしまうのも仕方が”なかった”のだろう。

ここで注意して欲しいのは、「”過去に”非難されても仕方がなかった。」という事であって、「”現在も”非難されて仕方がない。」というのではない事。詳細は以前に書いた記事「中国に報復を!」でも触れているので、そちらを読んで戴きたいのだが、第二次大戦中の侵略戦争に付いて、我が国の歴代総理は謝罪を繰り返し、現天皇も「遺憾の意を表明」している事実。又、その代償として技術援助や円借款等のODAを行なって来た事実が在る以上、未だ以って非難され続けるのは筋違いと思うのだ。

「歴史認識が足りない。」とする中国政府。「では、鎌倉時代に我が国を襲った”元寇”はどうなのだ?」等と非現実的で空虚な主張をするつもりはないが、少なくとも「延々と行なって来たODAの”歴史”に対する中国側の認識は足りなくないのか?」と主張したい。都合の良い部分だけを取り上げ、都合の悪い部分には敢えて目を瞑っているとしか思えない。これでは、男女平等を声高に叫ぶ一方で、「レディース・デイ」等の逆差別的な事柄には一切触れない似非男女平等主義者と何等変わらない。

感情の赴くままに破壊活動を成す連中に対して、同様に感情的に対応するのは、全く低レベルな次元に身を落とす事になる。「人の振り見て、我が振り直せ。」という諺が在るが、あの様な愚行を他山の石とすべきだ。日本政府は、冷静且つ毅然とした態度で、破壊活動による損害賠償を中国政府に求めると共に、日本の正当性を訴えて行くべきだろう。

中国は歴史面で好きな国で在るので、今回の愚行は本当に残念だ。今回の反日運動に対して、中国国内でも眉を顰める人が少なくないとも聞くし、そうで在ると信じたい。
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7 コメント

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Unknown (issie)
2005-04-14 23:38:35
おじゃまします。おっしゃることにほぼ賛成です。僕は、自他共に認める三国志好きだったりしますが、今回の件で認識が変わりました。



中韓ともに、日本が好意を抱いてるのとは逆に嫌われていることを認識すべきと思いました。



反面、僕の父の家族は被爆してたりします。「原爆の被害者が数千人だった」「アメリカでは原爆について教育してない」なんて言われたら、僕でも怒ります。



ペヨンジュンが中越地震に寄付したり、韓流ブームを起こしてることは、何もしない両国民衆や両国政府にはまねできないもので、頭がさがります。



例のデモに「やあ、元気だね」と思う反面、個別の問題には是々非々で考えようと思う今日この頃です。

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あれはスポーツ観戦と同じ (BP)
2005-04-15 03:25:49
なのです。イギリス人がサッカーの試合を観て、アメリカ人がフットボールの試合をみて馬鹿騒ぎしたり、日本の学生が阪神優勝で馬鹿なことをするのと同じです。娯楽が他に無いのです。唯一「反日」が許されているのです。他のでもだったら戦車に轢かれてしまいますから。だから週末しかやらないのです。でもの最中に日本製のカメラで写真を撮ってもおかしいと思わないのです。



不思議なのは朝日のような中国にシンパシーを感じている新聞が詳細に報じる。詳細に報じれば報じるほど日本人のなかでの嫌悪感は増えていき朝日の思惑と反対に向かわせてしまうのに。



だから一番困っているのは中国政府なのです。やっている人達は単なる発散の場でしょうけど。欧米も注目するし(教科書に天安門事件が載っていないことがばれてしまったし)、日本の態度も今までとは異なって硬化してしまうし。そもそも中国人のみのインターネット上の「署名」で米仏が指示している日本の理事国入りという政策が変更を余儀なくされるのは、はっきり言って不快でしょう。かと言って強く出ないと国内の暴動が拡大していつ日本大使館から政府の建物へ方向が変わるかわからないし。



だから哀れみ憐れみを感じます。自分の首しめているだけなのにと。

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Unknown (やま)
2005-04-15 09:40:51
中国には言論の自由がありませんからね。

民衆レベルでは50年間で日本が中国にしてきた援助の数々は知られていないのでしょう。



それと、中国共産党の行ってきた一つの中国政策は、彼らの忌み嫌う帝国主義そのものであるという事もデモ(暴動)をしている人の何割が分かっているのでしょうね。
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世界はどう見るか (higu)
2005-04-15 09:58:27
14億の中の数万人は多いとも見れればその逆とも言えます。ですが今回の件は強い憤りを覚えました。歴史好きで中国語もちょっぴりかじった私でも、です。

しかし気になることもありました。新聞各社世界がどう伝えたか、と紙面に掲載しましたが「中国政府は責任をとるべきだ」と海外のどの新聞社も報じる一方、「日本は過去を反省すべきだ」「清算してこなかったツケがこの事態を招いた」。こう指摘する新聞社も多かったのです。これは中国や韓国の新聞ではありません。欧米の新聞社です。

大手紙とありましたが全ての新聞がこうした論調だとは思いません。けれどこれが‘世間’の少なからぬ人の日本を見る眼なのかと思うと哀しくなりました。

日本の歴代総理は確かに、謝罪してきました。けれど謝罪しても毎年のように出る『失言』。南京事件や従軍慰安婦はすべてでっちあげ、との見出しが躍る雑誌や週刊誌。教科書問題。やはりナチスドイツを徹底的に糾弾し、血という血を流し尽くして戦争責任を追及した国と比べると…、なのでしょうか。そんな国と比較されても困りますが、またそれだけの血を流さねば今日のドイツの国際社会での地位はなかった気もします。

謝っても、謝っても「でもね」とつまらぬことを口にして怒られる小さな子供…。そうした風に日本は外からは写るのでしょうか。

中国への激しい怒りが渦巻くのとは別に、世界地図を見てなんだか空しい思いが胸に湧いてきました。





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>BP様 (giants-55)
2005-04-16 05:28:42
初めまして。(何度か書き込んで下さったbp様とは別の方ですよね(^o^;;;?)書き込み有難うございました。



基本的に、書き込みして下さった方のブログへ、直接レスを付けさせて戴く形を取っているのですが、貴ブログが見当たりませんでしたので、こちらに書き込む失礼の段を御許し下さい。



記事の中でも書きましたが、自分も今回のデモ(破壊活動)にワールドカップ時の度を越した馬鹿騒ぎがオーバーラップしたのは事実です。反日を掲げながら、デモ隊の中に日本製のカメラを持った人間が少なからず居るのを見てしまうと、趣旨を理解して行動しているのだろうか?という思いが在りますね(笑)。



流石に、今回の愚行が世界的に報じられ始めてやっと、中国政府もデモを牽制し始めましたが、遅きに失した感が在ります。何度も書きますが、どういった主義主張を持とうが個人の勝手ですが、それをああいった破壊活動で意思表示するのはやはりおかしいと思いますね。悠久の歴史を持った国家だけに、今回の愚行は残念です。



これからも宜しく御願い致します。
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>higu様 (giants-55)
2005-04-16 05:58:28
書き込み有難うございました。



中国や韓国のみならず、他国でも日本の非を少なからず報じているのであれば、それはそれで反省すべき点が在るのかもしれません。



実はこの記事を書くに当たって、付記しようかどうか迷った点が在りました。それは、higu様が書かれている日本の政治家達の言動に付いてです。



南京事件が巷間言われている様な「大虐殺」レベルのものだったのかどうかは諸説在りますので何とも言えませんが、少なからずの残虐行為は在ったと考えるのが自然だと思います。それは元寇の際、元の兵士達が、捕虜にした日本の婦女子達の両手に穴を開け、そこに紐を通して連行したという話も在りますし、第二次大戦時、米国が使用した原爆も残虐な行為で在った事は間違いなく、戦争という狂気の状況下では残虐行為は日常的に行なわれていておかしくないと思うからです。(従軍慰安婦に関しても、100%でっち上げとしてしまうのは、一寸無理が在る気がしますし。)



敗戦国として謝罪した事実が在るのに(それで以って卑屈になる必要はないと思っていますが。)、某都知事の様に”わざわざ”「三国人」だ「支那」だと挑発的な言葉を並べ立てる愚かさ。それは、他の政治家の問題発言も同類です。



犯罪の場合でもそうですが、被害者の側は理屈としては納得していても、感情面ではその”痛み”が何時迄も癒される事がない訳で、敗戦国&勝利国共に御互いを気遣う姿勢は求められると思います。



又、戦争で尊い命を失われた人々に哀悼の意を表するのは全く悪い事ではなく、寧ろそれは人間として本能的なものだと思います。でも、”わざわざ”終戦の日に、それも徒党を組んで”ぞろぞろ”と政治家連中が靖国神社参拝をするのはどうかと。又、わざわざ”首相の立場”で参拝するのもどんなものでしょうか。個人的には、”真に”戦没者に対して哀悼の気持ちを持っているので在れば、1年365日、”何時でも”&”何処でも”哀悼の気持ちは表せると思うのです。例え自宅に在ってでもそれは出来るのです。わざわざ靖国参拝を”あの日”に行なうのは、集票マシーンである遺族会等を意識したパフォーマンスとしか思えないのです。どうしても参拝したいので在れば、徒党を組まず行くべきだと思います。



首相の場合であれば、幾ら”私人の立場”で参拝したと言っても、世界的には納得出来ないと思われ、避けるべきだと思っています。これは、別に外圧に屈したとか、卑屈になっているとかではなく、世界の常識として、又は成熟した国際人の常識として避けるべきだと。



とは言え、今回の中国での破壊行動が愚行で在る事は否定しませんが・・・。
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Unknown (o_sole_mio)
2005-04-17 11:55:23
こんにちは。



giants-55さんとhiguさんのご意見を拝見して、まさに「わが意を得たり」という思いがしました。



一点付け加えさせて頂きますと、デモに参加した多くの若者は中国の80年代以降からエスカレートした愛国教育を受けたもので、中国にしても自国に都合のよい歴史を教育しているということです。



それを信じた若者が過激な行動をとったのですから、今回のデモに限って言えば「責任は中国政府にある。」と言えると思います。



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