十歳で神童、十五歳で才子、二十歳過ぎれば・・・

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「＜子育て調査＞親の8割が『家の子って天才。』って思った経験在り」（10月7日、毎日新聞）

 

子育てに付いて保護者に聞いた所、約8割の人が自分の子供が天才だと思った経験が在る事が、ベネッセコーポレーションの調べで判った。

 

調査は、子供の好奇心等に付いて調べている同社のプロジェクト・チーム「こどもメガネ委員会」が、同社の0～6歳を対象にした幼児教育事業「こどもちゃれんじ」の会員の保護者を対象に、9月20～27日にインターネットで実施。有効サンプルは2，284人だった。

「『家の子って天才！？才能在るかも！？』と思った事が在りますか？」という質問に、「頻繁に在る。」（13．3％）と「時々在る。」（67．3％）を合わせて80．6％の保護者が「在る。」と回答。又、天才だと思った時期を聞いた所、「2歳」が87．1％で最も多く、4歳（84．8％）、3歳（84．6％）の順だった。

 

「どんな場面で天才と感じるか？」に付いて聞いた所、「物事の理解が早い。」（30．9％）で、「言葉を覚えるのが早い。」（24．3％）に並んで、「テレビ等で流れる曲を直ぐに覚えて歌っている。」（30．3％）、「音楽に合わせてリズムを取った。」（29．4％）等が多く、日常の中から才能を見出す場面が多かった。

 

又、どの様な職業に就いて欲しいかを聞いた所、男の子では公務員（10．1％）、女の子では薬剤師（11．4％）が1位で、安定感の在る職業を望む声が多かった。唯、「子供の自主性に任せて、将来を築いて欲しい。」と思っている保護者が85．1％を占めた。

 

子育ての場面で、子供の気持ちが覗ける“眼鏡”が在るとしたら、「どんな眼鏡が欲しいか？」という質問には、「子供の一見ネガティヴな行動の理由が判る。」眼鏡と回答した保護者が43．4％で最も多かった。次いで、「子供の才能の芽が見える。」（39．1％）、「子供の空想した世界が覗ける。」（30．1％）、「悪戯をした時に、叱るべき悪戯と見守って良い悪戯の判別が付く。」（29．4％）と続いた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

「家の子は天才！」と思うのは親馬鹿極まり無い事だが、自分に子供が居たならば、矢張り「家の子は天才！」と思ってしまう可能性は否定出来ない。誰しも我が子は可愛く、「他所の子よりは、家の子の方が優秀。」と欲目で見てしまうものだろう。

 

言い古された言葉に、「十歳（とお）で神童、十五歳（じゅうご）で才子、二十歳（はたち）過ぎれば只の人。」というのが在る。「幼少時には『神童』だ『才子』だと褒め称えられた者でも、大人になったら『凡人』というケース。」は良く在る事で、幼き頃に「天才少年現る！」等とテレビ等で大きく取り上げられた子供達が、其の後とんでもない発明等をしたという話は見聞しないし。

 

父が子供の頃、同年代の従兄弟の親、即ち伯母から良く言われたのは、「家の○○（息子の名前）は今は能力を発揮出来ていないけれど、大器晩成型なので将来は大物になる。」という事だったとか。「何度も何度も其れを聞かされたんだけど、中年になっても彼は只の人だったけどね。」と、父が苦笑いし乍ら話していたっけ。

 

幼稚園の時、初めて受けた知能検査で、自分は滅茶苦茶高い数値を叩き出したらしい。余りにも高い数値だったので、「誤りではないか？」と再検査を受けさせられた程だったが、再検査でも同様に高い数値が出たとか。「物凄い知能指数ですよ！」と担当者から興奮気味に説明され、両親はすっかり舞い上がってしまったそうだ。

 

そして小学校に入って受けた知能検査でも、矢張り高い数値が記録され、親のみならず自分自身も「天才なのでは？」と思ったもの。しかし肝心な学力はさっぱり続きで、今となっては「単なる普通のおっさん」なのは言う迄も無い。