今から34年前の1972年、西ドイツ(現在のドイツ)のミュンヘンでミュンヘンオリンピックが開催された。開会式は8月26日に行われたのだが、それから10日後の9月5日に世界中を震撼させる大事件が起こった。世に言う「ミュンヘンオリンピック事件」で在る。
パレスチナの武装グループ”黒い九月(ブラック・セプテンバー)”のメンバー8人が、オリンピック会場内のイスラエル選手村に乱入。イスラエル人選手とコーチの2名を殺害した上、残り9名を人質に取り、イスラエルに収監されているパレスチナ人234人の解放を要求した。イスラエルのゴルダ・メイア首相はこの要求を突っ撥ねた上、イスラエルによる事態解決を西ドイツに求めるも、西ドイツからは「自国内の問題故、自国で対応する。」と拒否されてしまう。
西ドイツ政府は犯行グループと交渉を行い、彼等が飛行機でエジプトのカイロに脱出する事を認める。だが実際には、飛行機を用意したとするミュンヘン国際空港迄彼等を行かせるつもりは無く、(空港へ)移動する為のヘリコプター2機が置かれた空軍基地にて彼等を狙撃し、人質解放を図る思惑が政府には在った。
しかし、彼等全員の狙撃に失敗。生き残った者達との銃撃戦と相成り、彼等がヘリコプター1機を手榴弾で爆破する等、最終的には人質9人全員と警察官1人が死亡するという最悪の結果となってしまった。(犯行グループ8人は、5人が射殺され、残り3人は逮捕された。)
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、この事件及び”後日談”を描き上げた。その作品「ミュンヘン」を先週末に鑑賞した。
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ミュンヘンオリンピック事件で、自国民11人を殺害されたイスラエル。怒りに燃えたゴルダ・メイア首相は、国の機密情報機関で在るモサドに対し、事件の首謀者11人(殺害された人数と同数。)の暗殺を命じる。秘密裏に構成された暗殺チーム。リーダーに抜擢されたアヴナー(エリック・バナ)と他のメンバー4人の総勢5人は、首謀者を次々と暗殺して行くが、やがて自らの命も狙われる様になって行く・・・。
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史実に基づいた作品だけに見応えは在った。映画「アンタッチャブル」の如く、暗殺チームの”仲間”が次々と殺害されて行く展開には、固唾を呑んで見入ってもしまった。国家に忠誠を誓い、それが正義と信じて暗殺を為して行く彼等が、国家の威信を懸けた”争い”の中で殺されて行く切なさ。国という大きな存在の前には、個々人の存在等、喩え様も無い程軽いという事か。
見応えの在る内容なのは確かだが、3時間近い上映時間は如何せん冗長過ぎる気がした。又、ストーリーの”締め”に、やや物足りなさを感じた部分も在る。*1よって総合評価は、星数3.5としたい。
*1 小心者の自分にとって、暗殺で用いられる爆薬の破裂音の凄まじさが恐怖でも在った。何時爆発するか判らない為、”怪しげなシーン”では耳を軽く手で覆って、スクリーンを見詰めていたのだが、廻りの観客からすればさぞや間抜けな姿に映った事だろう。
パレスチナの武装グループ”黒い九月(ブラック・セプテンバー)”のメンバー8人が、オリンピック会場内のイスラエル選手村に乱入。イスラエル人選手とコーチの2名を殺害した上、残り9名を人質に取り、イスラエルに収監されているパレスチナ人234人の解放を要求した。イスラエルのゴルダ・メイア首相はこの要求を突っ撥ねた上、イスラエルによる事態解決を西ドイツに求めるも、西ドイツからは「自国内の問題故、自国で対応する。」と拒否されてしまう。
西ドイツ政府は犯行グループと交渉を行い、彼等が飛行機でエジプトのカイロに脱出する事を認める。だが実際には、飛行機を用意したとするミュンヘン国際空港迄彼等を行かせるつもりは無く、(空港へ)移動する為のヘリコプター2機が置かれた空軍基地にて彼等を狙撃し、人質解放を図る思惑が政府には在った。
しかし、彼等全員の狙撃に失敗。生き残った者達との銃撃戦と相成り、彼等がヘリコプター1機を手榴弾で爆破する等、最終的には人質9人全員と警察官1人が死亡するという最悪の結果となってしまった。(犯行グループ8人は、5人が射殺され、残り3人は逮捕された。)
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、この事件及び”後日談”を描き上げた。その作品「ミュンヘン」を先週末に鑑賞した。
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ミュンヘンオリンピック事件で、自国民11人を殺害されたイスラエル。怒りに燃えたゴルダ・メイア首相は、国の機密情報機関で在るモサドに対し、事件の首謀者11人(殺害された人数と同数。)の暗殺を命じる。秘密裏に構成された暗殺チーム。リーダーに抜擢されたアヴナー(エリック・バナ)と他のメンバー4人の総勢5人は、首謀者を次々と暗殺して行くが、やがて自らの命も狙われる様になって行く・・・。
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史実に基づいた作品だけに見応えは在った。映画「アンタッチャブル」の如く、暗殺チームの”仲間”が次々と殺害されて行く展開には、固唾を呑んで見入ってもしまった。国家に忠誠を誓い、それが正義と信じて暗殺を為して行く彼等が、国家の威信を懸けた”争い”の中で殺されて行く切なさ。国という大きな存在の前には、個々人の存在等、喩え様も無い程軽いという事か。
見応えの在る内容なのは確かだが、3時間近い上映時間は如何せん冗長過ぎる気がした。又、ストーリーの”締め”に、やや物足りなさを感じた部分も在る。*1よって総合評価は、星数3.5としたい。
*1 小心者の自分にとって、暗殺で用いられる爆薬の破裂音の凄まじさが恐怖でも在った。何時爆発するか判らない為、”怪しげなシーン”では耳を軽く手で覆って、スクリーンを見詰めていたのだが、廻りの観客からすればさぞや間抜けな姿に映った事だろう。
爆破シーンには何度も椅子から飛び上がりました。
「アンタッチャブル」で仲間を次々に失う悲しみも思い出しますね・・
重苦しい映画でしたね。
スピルバーグのメッセージが込められた
ラストシーンが強烈。
それに比べてたいして大きな音でもないのに、ある女性を撃つときに使用した竹筒の水鉄砲みたいな改造銃の発射音も、怖ろしかったです。
あんなの何発も撃ち込まれてじわじわ死ぬのはイヤだなーとか思いつつ、TBありがとうございました。
大きな音がいきなりくるから怖いんですよ!
でも考えられることがたくさんありましたしこの映画を観なかったら知ることがなかったことだったので観てよかったと思いました。
見終わった後は疲れましたが・・・
いつもお世話になっております。
報復合戦のむなしさを充分に感じ取らせながら、サスペンス風タッチで飽きさせない手腕はさすがにスピルバーグだなぁと感心しました。
自転車に装備した空気銃が怖かったです(汗)
ラストシーンのマンハッタンの景色が目に焼きついてます
重たいテーマの作品でしたけど、時間を感じさせない運び方、さすがは巨匠!ですよね。
しかし重苦しい内容とストーリーの為、隣の人にチラ見されて恥ずかしい思いを致しました・・
いろんな意味で辛い映画でした~・・
上映時間長めだったことと内容の重苦しさに上映後はクラクラ…でした。
トラックバックありがとうございます。
>映画「アンタッチャブル」の如く、暗殺チームの”仲間”が次々と殺害されて行く展開には、固唾を呑んで見入ってもしまった。
確かに似た感じはありました。ただこちらは救いがありませんでしたが。スピルバーグ久々の力作だと思います。