ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「それでも空は青い」

2019年07月02日 | 書籍関連

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バーテンダーの僕・上林康祐(かみばやし こうすけ)は、骨折で入院した先の看護師の永峰衿子(ながみね えりこ)に恋をした。退院後、何度かバーを訪ねてくれたものの、バツイチで7歳年上の彼女との距離は、中々縮まらない。何故なら、彼女は“男”と暮らしている様で・・・。(「僕と彼女と牛男のレシピ」)
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直木賞作家荻原浩氏の「それでも空は青い」は、7つの短編小説から構成されている。7つの作品に登場する人達に共通するのは、「人間関係に悩んでいる。」という点。多様性を認めない風潮”が世界的に広まって行っている現代だからこそ、「人間関係に対する考え方も十人十色で在り、『此の形だけが正解。』なんて事は無い。」という事を訴える作品だとは思うのだけれど・・・。

作品内にスポーツを取り上げる際、概して作家の年代が色濃く反映される様に感じる。「スピードキング」に「僕と彼女と牛男のレシピ」、そして「人生はパイナップル」と、「それでも空は青い」に収録された内、3つの作品に“野球”が登場し、「スピードキング」では父親とキャッチボールする場面が描かれている。自分もそうだが、40代半ば以降の人だと「子供時代、行うスポーツは野球。」という感じで育って来たので、そういう世代が書く作品には、野球がスポーツとして登場する事が少なく無い。1956年生まれの荻原氏の場合も、例外では無いのだろう。(今の若い作家だと、サッカーバスケットボール等が登場する事が多そう。)

で、肝心の作品だが、「スピードキング」はまあまあ良かったけれど、後の7作品はぴんと来ない。特に「君を守るために、」という作品は、全く駄目。荒唐無稽さは決して悪い要素では無く、「あなたによく似た機械」の様なSF風の作品では「在り。」と思うが、「君を守るために、」の場合は荒唐無稽過ぎるし、読んでいて全く面白く無かった。

総合評価は、星2.5個とする。


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