歯がジクジクと痛むので歯科医に行った所、「じゃあ”取り敢えず”レントゲン写真”を撮ってみましょう。」と言われる。これ迄に歯科医でレントゲン撮影された回数は、一体何度程になるだろうか?それに他の診療科での回数を加えると、相当な数になる。
先だって、知人が転倒して足を痛めた。痛みがなかなか退かないので病院に行った所レントゲン写真を撮られ、その結果骨折している事が判明。「1週間後に又来て下さい。」と指示された為、言われた通り1週間後に行くと、「ではレントゲン写真を撮りましょう。」と。知人は「1週間前に撮ったばかりなのに、又撮るのか?」とは思ったものの、何等かの意味が在るのだろうと思い従った。そして、出来上がったレントゲン写真を手にした医師はふっとカルテに目をやり、「あれ?1週間前にレントゲン写真撮ってたのか。じゃあ撮る必要無かったなあ。」と言ったそうな。
自分及び自分の身の回りで言えば、X線を照射されるのは決してレア・ケースでは無い。素人目からすると、「こんな簡単にレントゲン写真って撮っても大丈夫なの?」と思うケースも在る。これ迄に照射されて来たX線の蓄積量を考えると、空恐ろしくなる事も。
東京新聞の医療面では今月のテーマを「がん検診の現状」としており、昨日はその2回目「受診のデメリット 蓄積される放射線」という記事が載っていた。
2004年、イギリスの医学雑誌「ランセット」に「日本の癌患者の3.2%は、診断の為に浴びたX線が癌の原因。」とする報告が掲載され、この事は医学界に波紋を投じたという。この報告に関しては専門家の間でも賛否が分かれたそうだが、国連科学委員会が2000年に発表した「世界15ヶ国のX線検査件数」によると、我が国のX線検査の頻度が他国に比べて圧倒的に多い事だけは間違い無い様だ。
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【世界15ヶ国のX線検査件数(人口千人当たりの件数/年)】
1位: 日本(1,477件)
2位: ドイツ(1,254件)
3位: アメリカ(962件)
4位: クロアチア(903件)
5位: クウェート(896件)
6位: カナダ(892件)
7位: チェコ(883件)
8位: スイス(750件)
9位: ノルウェー(708件)
10位: フィンランド(704件)
11位: ポーランド(641件)
12位: オランダ(600件)
13位: スウェーデン(568件)
14位: オーストラリア(565件)
15位: イギリス(489件)
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X線検査自体を否定するつもりは全く無い。「欧米ではマンモグラフィー検診の普及で、早期乳癌が増加。一方で、人口10万人当たりの乳癌による死亡率が、十数年前に比べると2~3割減った。」(日本乳癌検診学会)、「検診を受けず腹痛等の症状が出てから受診し、胃癌が発見された人の5年生存率は約46%だったのに対し、癌検診を受けて胃癌が見付かった人は約71%と高かった。」(横浜市立市民病院がん検診センター)等、X線検査が癌等の早期発見に結び付き、ひいては命を救済するケースも少なくないからだ。
しかし、元放射線医学総合研究所研究官の崎山比早子さんが「放射線によって遺伝子が傷付けられると、その傷害は蓄積する。検査一回の被曝線量は少なくても、数を重ねる度に蓄積する。それなのに被曝を知らされないまま、余りにも気楽に検査を受けたり、病院も検査をしている。」と警告している様に、医師及び患者の側がもう少しX線検査に対してシビアになる必要性は在る様に思う。要は、何事にもメリットとデメリットが存する事を認識しなければならない。
「デメリットが過小評価されている。」と言う国立がんセンターがん予防・検診研究センターの斎藤博・検診技術開発部長は、受診者のメンタル面での影響に付いて次の様に述べている。
「完全無欠な検診は無い。見落としも、癌が無いのに『陽性』と診断される事も在る。最大の問題は、放置していても進行せず命の別状の無い癌迄、過剰に発見される事だ。受診者は不必要な精密検査や治療を強いられる上に、結果が出る迄精神的に不安にさせられる。」
先だって、知人が転倒して足を痛めた。痛みがなかなか退かないので病院に行った所レントゲン写真を撮られ、その結果骨折している事が判明。「1週間後に又来て下さい。」と指示された為、言われた通り1週間後に行くと、「ではレントゲン写真を撮りましょう。」と。知人は「1週間前に撮ったばかりなのに、又撮るのか?」とは思ったものの、何等かの意味が在るのだろうと思い従った。そして、出来上がったレントゲン写真を手にした医師はふっとカルテに目をやり、「あれ?1週間前にレントゲン写真撮ってたのか。じゃあ撮る必要無かったなあ。」と言ったそうな。
自分及び自分の身の回りで言えば、X線を照射されるのは決してレア・ケースでは無い。素人目からすると、「こんな簡単にレントゲン写真って撮っても大丈夫なの?」と思うケースも在る。これ迄に照射されて来たX線の蓄積量を考えると、空恐ろしくなる事も。
東京新聞の医療面では今月のテーマを「がん検診の現状」としており、昨日はその2回目「受診のデメリット 蓄積される放射線」という記事が載っていた。
2004年、イギリスの医学雑誌「ランセット」に「日本の癌患者の3.2%は、診断の為に浴びたX線が癌の原因。」とする報告が掲載され、この事は医学界に波紋を投じたという。この報告に関しては専門家の間でも賛否が分かれたそうだが、国連科学委員会が2000年に発表した「世界15ヶ国のX線検査件数」によると、我が国のX線検査の頻度が他国に比べて圧倒的に多い事だけは間違い無い様だ。
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【世界15ヶ国のX線検査件数(人口千人当たりの件数/年)】
1位: 日本(1,477件)
2位: ドイツ(1,254件)
3位: アメリカ(962件)
4位: クロアチア(903件)
5位: クウェート(896件)
6位: カナダ(892件)
7位: チェコ(883件)
8位: スイス(750件)
9位: ノルウェー(708件)
10位: フィンランド(704件)
11位: ポーランド(641件)
12位: オランダ(600件)
13位: スウェーデン(568件)
14位: オーストラリア(565件)
15位: イギリス(489件)
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X線検査自体を否定するつもりは全く無い。「欧米ではマンモグラフィー検診の普及で、早期乳癌が増加。一方で、人口10万人当たりの乳癌による死亡率が、十数年前に比べると2~3割減った。」(日本乳癌検診学会)、「検診を受けず腹痛等の症状が出てから受診し、胃癌が発見された人の5年生存率は約46%だったのに対し、癌検診を受けて胃癌が見付かった人は約71%と高かった。」(横浜市立市民病院がん検診センター)等、X線検査が癌等の早期発見に結び付き、ひいては命を救済するケースも少なくないからだ。
しかし、元放射線医学総合研究所研究官の崎山比早子さんが「放射線によって遺伝子が傷付けられると、その傷害は蓄積する。検査一回の被曝線量は少なくても、数を重ねる度に蓄積する。それなのに被曝を知らされないまま、余りにも気楽に検査を受けたり、病院も検査をしている。」と警告している様に、医師及び患者の側がもう少しX線検査に対してシビアになる必要性は在る様に思う。要は、何事にもメリットとデメリットが存する事を認識しなければならない。
「デメリットが過小評価されている。」と言う国立がんセンターがん予防・検診研究センターの斎藤博・検診技術開発部長は、受診者のメンタル面での影響に付いて次の様に述べている。
「完全無欠な検診は無い。見落としも、癌が無いのに『陽性』と診断される事も在る。最大の問題は、放置していても進行せず命の別状の無い癌迄、過剰に発見される事だ。受診者は不必要な精密検査や治療を強いられる上に、結果が出る迄精神的に不安にさせられる。」

なんとも、レントゲンの服作用で毛が抜けるのがいやなのだそうな。
レントゲン撮影とその先生の若はげ(失礼)は、因果関係はないとおもますが、当人にとっては、切実な問題だったようです。
常々、「医療費は高過ぎる。」という思いを持っていたのですが、海外の医療費の現状を見聞すると日本の医療費は安い部類に入るのだなあと感じます。黙っていても患者が来てくれる時代は過ぎ、今や医師余りの時代に入ったとも言われ、顧客で在る患者に足を運んで貰う為に医師は自らの技量&知識を高めるべく会合に参加し、高額の医療機器を次々に導入せざるを得ない現実。それ等に投入させる費用を償却するには、不必要とも思われる”措置”を取らざるを得ない事情が在るのかもしれないなあと医師の側に立って考えるとそう思ったりします。
今はどうか判らないのですが、以前放送されたTV番組で、「医師が診察時『風邪の時は○○を食すと良いですよ。』といったアドバイスを患者にした場合、それはアドバイス費(実際の名称は違っていたと思いますが。)という事で医療報酬の中に点数として組み込める。」といった話が取り上げられていました。一昨年の記事「国民医療費、過去最高を記録す」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/c376ed37353dfe9734a95885c19f5cf1)でも触れました様に、国民の側も無駄な医療費抑制の努力が求められますね。