ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「陽だまりの偽り」

2010年11月07日 | 書籍関連
シリーズ史上最長の5時間43分となった日本シリーズ第6戦は、「2対2」の引き分けに終わった。9回以降はドラゴンズが一方的に押し捲った印象が在るものの、マリーンズとの力差は余り感じられず、非常に面白い試合だった。両チームの選手達、御疲れ様。

長岡弘樹氏の「陽だまりの偽り」を読了。失礼乍ら「長岡弘樹」なる作家の事を、つい先達て全く知らなかった。週刊誌の書評欄で同氏の近作線の波紋」が取り上げられており、書評を読むと「面白そうだなあ。」と感じ、「取り敢えず処女作の『陽だまりの偽り』を読んでみるか。」となった次第

表題にもなっている「陽だまりの偽り」の他、「淡い青の中に」、「プレイヤー」、「写心」、そして「重い扉が」と合計5つの短編小説で構成されている。「物忘れの酷くなって来た高齢の男性が、同居する嫁から預かった金を紛失。『市立中学の校長を務め上げ、今は町内会長を務めている自分に認知症の影が忍び寄っているなんて、誰にも知られる訳にはいかない。』と余りに強過ぎるプライドから、彼は或る策を講じる。そして其の事で彼は、『掴み所の無い相手』と警戒めいた思いを持っていた嫁の本当の姿を知る事に。」というのが「陽だまりの偽り」の梗概だが、全編を通して言えるのは「人間の心の揺れ動きを上手く描いている。」という事。「何気無い出来事が、人をとんでもない方向に導いてしまう。」というのは世の中に少なからず在ったりする物だが、5編にはそういった偶発性の怖さもサラリと盛り込まれている。

人間の持つ邪悪な面を焙り出した「プレーヤー」は読後に不快感を残すものの、他の4編は「人間も捨てた物じゃないな。」という思いを残させてくれる。特に「写心」が良かった。

大絶賛出来る内容では正直無いけれど、落ち着いた気持ちで読み進められる作品。総合評価は星3つ

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2 コメント

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Unknown (クロ)
2010-11-07 06:23:13
試合見てたら晩御飯を作りそびれて夜中に食って、満腹が落ち着くのを待っていたら朝になってしまいました。まぁ休日なので良いんですが大バカ者です。

面白い試合だったことは確かですが、壮絶なバント失敗の繰り返しには両軍、観客、視聴者の全てが頭を抱えたかと思います。緊迫した場面で警戒されながらのバントなので難しいのででしょうが。これほど難しいことを黙々とこなしてきた川相は偉大な選手の一人だと思いました。スタッツ見るとすごい成功率ですね。

この試合の中継は変な演出もなく、特に後半はCMも挟まずに行われていてフジの中継にしては
好感が持てました。が、視聴率的に苦戦してる折にスポンサー筋に怒りを買う延長だったと思われるので、今回が最後の中継になるかもしれません。

今日のゲストは清原です。清原一人であれば割りとまともな解説者だと思いますが、残念ながら絡むメンツが悪く、去年の悪夢再来が予想されます。今日に限ってBSも中継しないし・・・場合によってはラジオに逃げてテレビの音声を消します。
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>クロ様 (giants-55)
2010-11-07 09:53:31
書き込み有難う御座いました。

昨日の試合、最終盤は「やけにCMが少ないなあ。」と思っておりましたが、放送したフジテレビが「5時間以内での試合終了を想定していた為、午後11時迄しかシリーズ中継のCMを販売しておらず、午後11時から午前0時迄の約1時間はCMが一切無かった。」んですね。此の事で同局が被った損失は3千万円位とも言われておりますし、野球に全く関心の無い視聴者にとっては「こんなに長時間延長するな!迷惑だ!!」という思いも在ったでしょうね。

唯、一人の野球ファンとしては、そういう環境下でもしっかり最後迄放送してくれたフジテレビに、心から感謝したい。同局の野球中継には此れ迄、過度な演出(訳の判らないタレントを呼んで、大騒ぎさせる等。)に辟易とさせられる事が多かったけれど、昨日の放送スタイルは良かった。口数の少ない野茂英雄氏も、個人的には心地良かったし。

マリーンズの終盤の攻撃には、今季のジャイアンツの試合を思い起こさせました。チャンスを作るも、悉くバントが決められずにチャンスを潰してしまう。質の高いドラゴンズの投手陣がバントし辛い球を投げているのですから、中々決められないのは判るものの、それにしても残念な攻撃でした。川相氏等、バントの職人と言われて来た選手達の凄さ(心技共に)を自分も感じます。
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