ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

流出問題

2010年11月06日 | 時事ネタ関連
尖閣諸島沖で海上保安庁巡視船中国の漁船が衝突した事件で、海上保安庁が撮影したビデオの一部と思われる映像がインターネット上に流出した。アメリカですら極秘情報がインターネット上に流出する時代、今回の様な事態は充分考えられたし、撮影したビデオを政府が出来得る限り早く、包み隠さず見せるべきだった。来週から日本で開催されるAPECへの悪影響等を考慮したのだろうが、結局は自国民の間に疑心暗鬼を生んだだけだった。其の意味では政府の一連の対応は、御粗末だったと言わざるを得ない。

それにしても今回の映像を見た上で、一部の中国人とは言え「日本の陰謀だ!」とか「日本側がぶつけて来たんだ!」等と日本サイドを口汚く罵っている者が居る様だ。元宮内庁長官の手帳に「昭和天皇の言葉」として書き残された内容に関して、証拠を指し示す訳でも無く、「賢明昭和天皇様が、そんな御言葉を口にされる訳が無い!」の一言で全否定をした元ニュースキャスターの女性ジャーナリストが居るけれど、映像を目にしても事実を認められない一部の中国人達にも同様の頑迷さが感じられ、憤りよりも憐憫の思いが湧いてしまう。

冒頭でも述べた様に、撮影された映像は国民に公開されるべきと思っていたので、結果として今回国民の目に触れる事になったのは良かった。少なくとも政府が「機密扱い」としていた事物が「流出」という形で公になったのは、別問題として重要視しなければいけないと思っている。先達ての「警視庁公安課の内部資料と見られる文書の流出」では、知らぬ間にテロリストとして名前が載せられていた者達が生命の危機を訴える等、大問題化している。まともな国家としては機密事項を流出させない最善の策と、流出させた者への法による厳罰化を図るべきだろう。

一般企業等の内部告発(勿論、善意に基づく物に限ってだが。)は否定しないが、国家の機密事項は別だ。今回の映像の流出に関しては流出者を英雄視する人も居る様だが、其れは非常に危険だと思う。流出者のハンドル・ネーム仙谷由人官房長官を思わせる「sengoku38」が使われている等、政府の対応に義憤を感じての行為というのでは無く、政府に対する悪意を強く感じるからだ。流出に関与したのが冷や飯を食わされている野党や官僚なのか、それとも与党の中の反主流派なのか、又は彼等と全く無関係な存在なのかは判らないけれど、兎に角単純に正義からの行動という感じは受けない。今回の行動を英雄視してしまえば、今後は「自分達の意に沿わない人や組織に対するでっち上げた資料を“流出の形”で公にし、社会から抹殺する。」事だって起こり兼ねない。

くどい様だが、結果的に撮影された映像が公になった事は良かったと思っている。でも、其れと機密事項を流出させた罪は別に考えなければいけない。

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4 コメント

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同感です (悠々遊)
2010-11-06 08:17:42
国民の税金を使って得た情報は、基本的には国民に開示すべきものと考えます。関係国との信頼関係に重大な影響が出るなど、デリケートなものは時機を見て、ということも必要ですが、今回のように意見の対立が先にあるものは、早急に客観的証拠としての映像は公表するべきだったと思います。

結局のところ、国民への公表義務より中国の顔色を伺っているから、逆効果を生み今般の一連の事態を招いたのでしょう。

それにしてもこれらの情報流出は、公務員が関わらなければ発生し得ないものと考えると、公務員の守秘義務感覚の劣化は誠に憂うべきものがあります。

もし仮に義憤に駆られての行動なら、私だったらWEBへの公開の時限装置をセットした上で、先ず政府に映像の公開を迫り、不開示の明確な理由説明が無い時、無視された場合、及び開示阻止を目的に身辺に捜査が及びそうな場合には、時限装置を作動させる、と迫りますね。それが順序でしょう。
予告も無く抜き打ちでWEBにUPというのは、やはり政府と中国、両方への悪意を感じます。
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>悠々遊様 (giants-55)
2010-11-06 16:44:56
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

青年将校達が、国家の要人を殺害した「五・一五事件」や「二・二六事件」。真に国を憂う義憤の気持ちが彼等に在った“としても”、結局は軍部の尋常ならざる台頭を許し、破滅的な戦争の道へと突き進ませた事を考えると、「義憤からの行為」というのを盲目的に賛美する姿勢には正直怖さを感じてしまいます。

尖閣諸島沖の事件(事故という表現は正しくないと思うので。)に於ける政府の対応は、ハッキリ言って御粗末極まりないと思う。対外的な影響、そして国内への影響等を総合的に勘案して政府が対応を図らなければいけないとは思うけれど、今回の場合は其の悪質さを考えても、早急に政府の手によって映像が公開されるべきでした。(今回の件で鬼の首を取ったかの様に糾弾する自民党の政治家達にも違和感在り。金正男氏と思われる男性が密入国で身柄を拘束された際、とっとと出国させたのはどの政権の時代だったのか?与野党関係無く、他者を責める以上は、自らが其の件では“身綺麗”でなければならないと思います。)

ですから、結果として今回の映像が国民の目に触れる事になったのは良かったと思うけれど、其の方法論等が問題で、諸々の悪意を感じる所からも、此れを英雄視するのは非常に危険に感じます。力の在る者が、其の力を行使する事で、でっち上げた“証拠擬き”を然も流出した様な形で公開し、其の事で無辜の民を社会から抹殺も出来る訳ですから。何時自分達が其の犠牲者になるとも限らず、其の辺はしっかり考えなければいけない。

「自分が気に食わない対象への行為は何でも在りだけれど、同じ事を自分がされるのは許せない!」というので在れば、其れは余りに身勝手と思うのです。
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ついに出てしまった (ハムぞー)
2010-11-07 20:42:09
役所から流出したのなら
勿論機密保持の問題で重大なことです。
しかし「政権側が手詰まりで誰かに流出させた」とか、いろんな局面を想像してしまいました(あくまで私の与太ですが)。

しかしこの先の展開が読めませんね。
官房長官は「中国にご説明申し上げる」
とのことですが、
ここはへりくだるところではないのでは?

政府はこの「アクシデント」を
チャンスに変えるくらいの図太さが欲しいところです・・・
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>ハムぞー様 (giants-55)
2010-11-08 00:07:26
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

「(映像は)日本の俳優が演じているに違いない!!」、今回の映像を見てそう書き込んだ中国人が居るとか。辺境極まりない見方しか出来ない人というのは何処の国にも居るものだけれど、こうなるともう笑うしかないですね。

中国政府の理不尽な言い種には憤りを覚えるけれど、あの強かさは日本政府が見習うべき所が在るとも思います。「ピンチはチャンスでも在る。」という言葉が在るけれど、今の政府にそういったパワーが在るとも思えない。無いならば無いなりに、事が起きたら早急にベターな手を打つという姿勢が無いと、政権運営は手詰まりになる一方でしょうね。
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