ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

広東住血線虫症

2018年11月09日 | 時事ネタ関連

幼少期、父に赴任の話が持ち上がった。「内の或る地域に新拠点を作るので、其処になって欲しい。」という事だった。其の新拠点が作られるという地域には全く土地勘が無かったのだけれど、会社からは留意事項が記されたレジュメが渡され、両親が真剣に読んでいたのを覚えている。結局、新拠点を作る話自体が流れ、赴任する事は無かったのだけれど。

 

で、其のレジュメに書かれている内容で、唯一覚えているのが、「彼の地域には住血吸虫症なる慢性疾患が存在しているので、充分気を付けて欲しい。」という事。川で遊泳したり、衛生管理されていない水を飲んだりした際、住血吸虫科に属する寄生虫が体内に入り込み、感染するという疾患致死率は高く無いものの、発熱蕁麻疹下痢肝脾腫等の症状が出て、長期に亘り内臓を痛め付けると言う。風土病の一種だが、国内では22年前に完全撲滅された。父の赴任話からウン十年経っているが、「住血吸虫症」というおどろおどろしい病名は、今も忘れられない。

 

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蛞蝓食べた男性死亡 、寄生虫感染で8年闘病」(11月7日、日本経済新聞

 

オーストラリアのシドニーで、8年前に巫山戯て蛞蝓を食べ、寄生虫が原因で昏睡状態に1年以上陥り、体に麻痺が残った20代後半の男性が、2日に死亡した。地元メディアが、6日に伝えた。男性は家族や友人等に見守られ、息を引き取った。

 

男性は19歳だった2010年、屋外で友人等とワイン等を飲んでいる最中、現れた蛞蝓を見て「食べてみるか。」という話になり、飲み込んだと言う。

 

数日後、男性は脚に激しい痛みを訴え、病院で蛞蝓の寄生虫広東住血線虫が原因と診断された。寄生虫はに感染し、髄膜炎発症。420日間、昏睡状態となった。

 

男性は意識が回復した後も、脳に重い障害が残り、体が麻痺。車椅子での生活を強いられ、24時間介護が必要だったと言う。

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一寸した悪巫山戯が、文字通り“命取り”になってしまった訳だ。こんなとんでもない事になろうとは思いもせず、当該男性は蛞蝓を飲み込んだのだろう。本人も御遺族も、悔やんでも悔み切れない出来事だったに違い無い。

 

日本でも2001年以降、去年迄の17年間で、広東住血線虫症感染は20例報告されているそうだ。蛞蝓や蝸牛に触れた際は、良く手を洗う事。野菜に蛞蝓が付いていた場合、取り除いた個所は火を通し、生では食べない事。と、専門家は呼び掛けている。


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