ドナルド・トランプ大統領に対する懸念は、以前にも「ドナルド・トランプ氏の勝利を受けて」及び「“トランプ王朝”を作り上げたいだけ?」で記して来た。腹の中では“トランプ・ファミリー・ファースト”の推進を考えている様な彼が、アメリカ国民向けには“アメリカ・ファースト”を掲げ、破茶滅茶な言動を繰り広げている。「アメリカさえ良ければ、他の国なんかどうなっても構わない。」という選択肢を、結果的にアメリカ国民は選んだ訳で、「こういう身勝手な思考が、今後は世界的に広まって行くのだろうな。」と暗澹たる思いが在る。
「アメリカがどう考え様が勝手だけれど、自国の利益の為だけから、他国を振り回すのは許されないし、又、他国は振り回されては駄目。」と考える自分としては、雫石鉄也様が記事「とつぜんコラム No.184 トランプオヤジに近江商人の教えを」にて書いておられる事に、基本的賛成で在る。
明日から行われる日米首脳会談では、安倍晋三首相に対するアメリカ政府の“厚遇振り”が喧伝されている。「アメリカが日本を重要視し、優遇して行こうとしている証左だ。」と喜んでいる日本人も居る様だが、本当にそうなのか?
以前から何度も書いている様に、安倍晋三首相が第一に考えているのは「日本や日本国民にとって最良の政治を行う。」では無く、「一日も長く政権の座に留まり、歴史に名を刻む事で、自分を軽んじて来た連中を見返したい。」という思いだと考えている。海外に次々と飛び、大金を散蒔いているのも、日本国民向けのパフォーマンスで在り、海外からの自身へのバックアップを期待する面が強いとも。
そんな安倍首相だから、「超大国アメリカから、自分はこんなに大事にされているんだぞ。」と今回の会談では最大限にアピールしたいのだろうが、トランプ大統領としては其の見返りしか考えていないだろう。経済面や軍事面等、あらゆる面での莫大な見返り、此れは日本人にとって大きな不利益となる訳だが、のみを期待している筈だし、“政権の延命”を最優先している安倍首相は、期待通りの“御土産”を持参する事だろう。アメリカにとって、安倍首相は“鴨葱”の存在なのだ。
「どんな時でも、アメリカに追随すれば良い。」というのでは困る。「是々非々で、アメリカと付き合って行く。」というのが、“真面な国の真面な外交”だ。