ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「27000冊ガーデン」

2023年07月11日 | 書籍関連

ブログ遣っていて良かった。」と思う事の1つに、「ブログを通じて御知り合いになられた方々から、色々情報を得られた、」というのが在る。「未知なる事柄に触れられた。」というのは大きな喜びで在り、又、自分を成長させてくれる。未知なる作家の存在を知ったのもブログを遣っていたからこそで、2011年にと或るブロガーさん(10年前に更新をストップされれしまっているが。)から紹介して戴いたのが切っ掛け

其の作家は大崎梢さんで、元書店員という経歴有する。「其の多くが、本に対する愛情を持っている。」というのが作家という職業だけれど、元書店員という事も在ってか、大崎さんの本に対する愛情が並々ならぬ事は文章から犇々と伝わって来て、自分は大崎作品にすっかりと嵌まってしまった。彼女の作品は、全て読んでいる。

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星川駒子(ほしかわ こまこ)は、県立高校図書館勤める学校司書だ。居合わせた出入りの書店員・針谷敬斗(はりたに けいと)と共に、生徒が巻き込まれた事件の解決に一役買う。

そんな2人のには、「ディスプレイ荒らし」や「小口ずらり事件」等、図書館や本に纏わる謎が、次々と持ち込まれる。
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今回読んだ大崎作品「27000冊ガーデン」は、「学校司書として辛い過去を有する星川駒子がジョン・H・ワトスン役(助手役)。」、「見た目は取っ付き難い印象を与えてしまう書店員・針谷敬斗がシャーロック・ホームズ役(探偵役)。」として、高校の図書館を舞台に、本に纏わる謎を解いて行くというストーリー。

5つの短編小説で構成されており、「27000冊ガーデン」の「27000冊」とは、此の高校の図書館の蔵書数を意味している。裏の書庫に移され、保管されている本も含む数の様だが、莫大な数だ。幼い頃より本が大好きだった自分にとって、図書館は非常に馴染み深い場所だったが、そんな図書館を「ガーデン(庭園)」と表現するのは、とても理解が出来る。実に居心地の良い場所だから。最近では「読書習慣が全く無い。」という人が老若男女を問わず増えている様だが、そういう人達は図書館に足を運ぶ事なんか無いのだろう。「“宝庫”で在り、何よりもあんなに居心地の良い場所を知らないで生きている。というのは、本当に勿体無い事だ。

自分もそうだが、本によって深く刻み込まれた記憶というのが結構在る。ストーリー其の物というのも在るが、他の人にとっては何でも無い記述が、「何年経っても忘れられない。」という事が在ったりする。「空を見上げて」という作品では、「自分を可愛がってくれた亡き祖母が、20数年前に読んだ本の中で記された“春雨尽くしの料理”を話していたので、其の内容を是非とも読んでみたい。でも、肝心の本のタイトル等が全く判らないので、何とか捜して貰えないか。」と駒子に懇願する女子生徒なんぞも、そんな1人だろう。「空を見上げて」は、個人的に印象深い作品だった。

過去の大崎作品と比べると、全体的に薄味な気がする。謎に、余り深みが感じられない。からだろうが、本に対する深い愛情は文章から相変わらず感じられるだけに、残念な内容。

総合評価は、星3つとする。


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