初めて熱海を訪れたのは、今から10数年前の事だった。「嘗ては新婚旅行先のメッカとして、多くの訪問者で溢れていた熱海だが、近年は寂れる一方。」と当時聞いてはいたが、実際にメーン・ストリートを歩いてみると、シャッターが下ろされた店舗が目立ち、思っていた以上の寂れ具合だった。
そんな熱海だが、近年は活気を取り戻しつつ在ると聞いてはいたけれど・・・。
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「観光地“熱海”にバブルの再来 一体何故?」(11月8日、テレ朝news)
関東切っての観光地「熱海」で、ホテルの建設ラッシュが続いている。其の規模は、バブルの時を上回る勢い。一時は観光客の激減に悩んだ熱海に今、何が起きているのか取材した。
静岡県熱海市。観光スポット「貫一お宮の像」が在るエリアでは、ホテルの建設の計画が続々と進んでいる。来年夏に開業予定の熱海初、五つ星クラスを謳う「熱海パールスターホテル」。其の直ぐ横には、全327室のホテルが建つと言う。
少なくとも8つのホテルの開発計画が進んでいる熱海市。昭和40年代、熱海市の旅館やホテルの宿泊客数は年間500万人を超える事も在った。だが、其の数は年々減少。東日本大震災があった2011年度にはピークの半分以下、250万人程度に迄落ち込んだ。然し、今は・・・。
市内の彼方此方で御洒落な若者向けの御店が増える等した結果、宿泊客数は増加。今は300万人台に迄回復している。そんな賑わいを取り戻しつつ在る熱海市で今、何故ホテルの開発計画が相次いでいるのか。
其の理由の1つが、2020年の東京オリンピック等で増加が見込まれる外国人観光客の需要を見越しての、バブル期以上のホテル開発ラッシュだと言う。
実は、外国人の間では、熱海は余り認知度が高く無く、宿泊客も年間約3万人程度。此れから需要を掘り起こして行きたいと言う。
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熱海パールスターホテルに付いて調べてみた所、「元々は『つるやホテル』の跡地で、『ジョイント・コーポレーション』が商業ビルとして2005年に建設に着手したものの、倒産した事で中断。“塩漬け状態”になっていたビルを、中国系投資会社がホテルに用途変更し、建設している物。」だとか。世界各地で幅を利かせている中国資本、本当に恐るべしだ。
落ち込んだ時期よりは回復しているものの、ピーク時の年間宿泊客数500万人以上からすると、約6割の300万人台という熱海。「観光の目玉に乏しい。」という感が在り、「2020年の東京オリンピックで来日する観光客が増えても、熱海を訪れる人は、そんなに増えないのでは?又、人口減社会に入っている事を考え合わせると、東京オリンピック後の経営は厳しそう。」と思ってしまうのだが・・・。