戦時中、戦争で亡くなった者達をマス・メディアが過剰に賛美し、“悲劇のヒーロー”として祭り上げる事で、世論が一方向に誘導され、結果として国及び国民が危機的な状況に陥った。「爆弾三勇士(肉弾三勇士)」の逸話なんぞは、そんな1つだ。
「亡くなった者に対して弔意を示すのは悪い事。」と言っている訳では無い。「亡くなった者を“悪用”し、世論を一方向に誘導する事が危険。」と言っているのだ。(「爆弾三勇士」がそうだという訳では無いが)“悲劇のヒーロー”に祭り上げる為、亡くなった途端に“聖人君子”とされてしまう。人は誰しも功罪在って普通なのに、功の部分だけ、其れも作り上げられたデマも含めてだが、を執拗に報じる。
此処数日、TVを点ければ、“賛美の嵐”が渦巻いている。最早、プロパガンダの様に。こういう状況に全く違和感を覚えない許りか、心地好さすら感じている人が少なく無いという事か?くどい様だが、「亡くなった者に対して弔意を示すのは悪い事。」と言いたい訳では無く、「亡くなった者を過剰に賛美し、“悲劇のヒーロー”としてマスメディアが祭り上げる事。」に危うさを感じるのだ。
そうですね。安部さんにたいする称賛の嵐は大いに違和感を感じますね。
安部さんの死も森友問題に関係して自死した赤城さんも一人の人間の死です。同じです。安部さんの奥方も赤城さんの奥様も悲しみは同じはずです。
私自身、安部さんはそんなに良い首相とは思いませんでした。身内お友だちを公私混同的に優遇し、それも公金を使って。森友カケ学園桜を見る会などの問題の説明責任を果たさず亡くなってしまいました。その点に関しては残念です。これらのことは亡くなっても罪は罪として残ります。この世で安部さんを裁くことができませんので閻魔さんのお裁きに期待しましょう。
「民主主義への冒涜」とか「言論を暴力で封じるのはゆるさん」といってる人がおりますが、山上容疑者は安部さんのいってることが気に食わないといっているのではなく、極めて個人的な怨みで安部さんを撃ったのです。ですから上記に論評は的外れです。それに一国の首相が、多くの被害者を出している宗教団体に関わっていたということが問題です。
今回の犯行、思想的な面では無く、“個人的な恨み”が動機の様ですね。そういう意味では、我が国で過去に発生した要人相手のテロとは、大きく異なる点でしょう。
此れは与野党問わずですが、政治家達は“特定の組織”への依存度が極めて高い。組織票として大きく機能するからですが、こういう体質を少しづつでも変えて行かなければいけないと思います。特に宗教団体の場合、他の組織以上に「上からの指示に無条件で従う。」という点が在り、こうなると“自身の考えを全く持たないロボット”を支持者に抱え込む事になる。まあ、どういう助教に在っても、「自身の頭で考え、自身で動ける国民が増えれば良いだけ。」の話なのですが。
安倍元首相の死を嘆き悲しむ人達の中に、同じく無念の内に死を迎えなければならなかった赤城氏の事を、少しでも思い浮かべた人が居た事か。「力によって生命を奪う事を『許せない!』と言うので在れば、形は違いこそすれ、結果的に力によって追い込まれ、生を終えなければならなかった赤城氏にも、同じ思いを持たなかればおかしい。」と思っています。「坊主憎けりゃ、袈裟迄憎い。」で在ってはいけないけれど、同時に「贔屓の引き倒し」も駄目。
自分は手塚治虫氏の大ファンで在り、尊敬もしているけれど、だからと言って亡くなった際、彼に対する賛美の嵐が巻き起こっていたとしたら、何とも言えない不気味さを覚えた事でしょう。「日本の漫画界&アニメ界を牽引した大功労者。」で在るのは間違い無いけれど、其の一方で「結果的にでは在るけれど、アニメ業界の劣悪な労働環境を後押ししてしまった。」という“罪”の部分も在るからです。マスメディアもそうですが、我々国民も、功罪を併せて考えられる能力を付けなければいけないでしょうね。
話しは全然変わるのですが、日本人の国民性が大きく変わった“分岐点”は、所謂嫌韓本が書店にずらりと並び出した頃に在った様に思っています。時を略同じくして、TV番組では「スタジオに外国人出演者をずらっと集め、日本の国民性や文化を此れでもかという位に取り上げた後、外国人出演者達に絶賛させる。」というスタイルの番組が、当時は凄く流行りました。「自己主張しないのが美徳。」とされた我が国に在って、「劣等感を持ち続けて来た人達にとってはカタルシスを味わえる番組だった。」のでしょう。個人的に「主張しなさ過ぎるのはどうか。」と思っていましたが、「自分達で自分達を褒め上げる様なスタンス。」には、居心地の悪さを感じていた。そして、「こういうスタンスが行き過ぎると、次には“自分達よりも劣った存在”を作り上げ、声高に叩く風潮が強くなるのでは?」と懸念していたら案の定・・・。
岩盤支持層の3割はキープしていたものの、モリカケ問題等で支持率が低迷していた安倍首相(当時)。体調を理由に2度目の辞任を果たすや否や、支持率が一気に2割程上昇。辞任しただけで2割上昇って・・・国民の劣化を強く感じた出来事でした。