ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

世界初の実験

2022年01月06日 | 時事ネタ関連

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小惑星の衝突から地球を守れ 9月に探査機の体当たりで軌道を変える世界初の実験」(1月4日付け東京新聞[夕刊])

小惑星や彗星の衝突から地球を守る取り組み「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」が、今年から本格化する。米探査機DART(ダート)が9月、小惑星に体当たりして、軌道をずらす世界初の実験をする。其の後、2026年には欧州の探査機Hera(ヘラ)が、ダートの衝突で出来たクレーターを観測する。ヘラには、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の研究者達も参加する。

ダートは、米航空宇宙局(NASA)が昨年11月に打ち上げ、飛行を続けている。体当たりの目標は、地球と火星の間を公転する小惑星ディディモス直径780)の衛星ディモルフォス160m)だ。

小惑星は約115万個見付かっているが、地球に衝突すると、大変な影響を及ぼす可能性が在る。「約6,600万年前の恐竜絶滅は、直径約10kmの小惑星が地球に落ち、舞い上がったで、太陽の光が遮られて寒冷化したからだ。」とされる。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)吉川真准教授は、地球規模の被害を出す直径10km以上の小惑星は、発見されており、近い将来落ちる事は無い。と話す。

一方、直径1kmより小さい小惑星は、続々と発見されている。2013年、直径約20mの小惑星が大気圏に突入し、ロシア南部のチェリャビンスク州の上空で爆発。衝撃波で50km離れた街でも、建物の窓硝子が割れる等して、1,500人超が怪我をした。現地調査した吉川さんは、「直径数十mでも、地域的被害は大きい。早めに見付けて、軌道を逸らした方が良い。」と指摘する。 

ダートは重さ550kgと、小型車並み。秒速6.6kmで、ディモルフォスに激突する。衝撃でディモルフォスの軌道が変わり、ディディモスを周回する周期が変化するのが、地球から観測出来ると予想される。後続のヘラは2024年に打ち上げ、はやぶさ2に使ったカメラの改良版を載せ、小惑星の性質や地形、衝突跡のクレーターを詳しく調べる。

はやぶさ2は2019年、小惑星「りゅうぐう」に重さ2kgの金属弾を衝突させて、人工クレーターを作った。其の研究責任者を務める荒川政彦神戸大教授も、ヘラに参加する。「クレーターの状態と軌道のずれを合わせて調べる事で、地球防衛に役立つ知識が得られる。」と強調する。

はやぶさ2は現在、地球と金星の間を航行中。2026年に次の小惑星「2001 CC21」のを秒速5kmで通過し、観測する。其の航法システムを担当するJAXAの三桝裕也
さんは、「小惑星に正確に近付く事は、危険な小惑星に衝突して軌道を変える技術に繋がる。」と語る。吉川さんは「小惑星の知識と技術を蓄積する事で、未来の人類を救える可能性が高まる。」と期待する。
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「巨大な小惑星が地球に衝突し、人類が絶滅する。」、SFの世界では良く取り上げられる題材だ。「
地球規模の被害を出す直径10km以上の小惑星は、略発見されており、近い将来落ちる事は無い。」という事だが、物事に“絶対”というのは無い。だから、“危険な小惑星に衝突して軌道を変える技術”というのは高める必要が在るだろう。

馬齢を加えるに連れて宇宙への関心が強まっている。「地球で発生する様々ないざこざ辟易としている。」というのが、大きな理由だろう。だから、9月に行われる“世界初の実験”に興味津々だ。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2022-01-06 21:04:17
こんばんは
SF好きの出番を作っていただき、ありがとうございます(笑)。
地球と小天体の衝突を回避するというテーマのSF映画といえば、近年では「ディープインパクト」や「アルマゲドン」といったハリウッド物が有名ですね。
しかし日本にはそれを上回るスケールの映画が1962年に公開されているのをご存じですか?
「妖星ゴラス」という映画で、地球の6000倍以上の質量をもつ黒色矮星ゴラス(小天体どころではない!)が地球と衝突する、というもので、ゴラスを爆破するか、地球に推進力を持たせて衝突軌道から逃げ出すかという話。
私はこのテーマの作品としてはこの「妖星ゴラス」が何かにつけ最高作だと思ってます(笑)。
冗談はともかく、現実としては将来衝突しそうな天体を探すスカイサーベイの段階から、いよいよ衝突回避へ行動する段階に入ってきたんですね。
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>悠々遊様 (giants-55)
2022-01-06 22:18:31
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

天空に関する事象に深い知見を持たれ、SF作品が大好きな悠々遊様なら、必ずや今回の記事に反応して戴けると思っておりましたので、非常に嬉しいです。

映画「妖星ゴラス」に関しては、実際に見た事は無いのですが、「面白い作品。」という評価は、此れ迄に何度か目にして来ました。悠々遊様も高評価されておられるので、機会を見付けて、見てみたいと思います。

「将来衝突しそうな天体を捜すスカイ・サーヴェイの段階から、いよいよ衝突回避へ行動する段階に入って来た。」という事に、人類の進歩を感じますね。

其の一方で、昔から「人類が“共通の敵”と直面した時に、漸く人類は一致団結出来る。」と言われ続けて来ましたが、人類の共通の敵たる新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていても、ワクチンの独占等、一致団結出来ない人類。「巨大な小惑星が、地球に衝突する。」という事態になった時、果たしてどうなる事やら。
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