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東京・五日市署管内の路上で、男性の首無し死体が発見された。刑事の鵜飼道弘(うかい みちひろ)は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていた事が判明した。
一方、プロのキックボクサーだった河野潤平(かわの じゅんぺい)は引退後、都内に在る製餡所で従業員として働いていた。或る日、同じ職場に入って来た有川美祈(ありかわ みのり)に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係している事を知ってしまい・・・。
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警察小説「ストロベリーナイト」等、映像化された作品が多い誉田哲也氏。今回読了した「フェイクフィクション」も、彼の作品で在る。
男性の首無し死体が発見された所からストーリーが始まる。「死体は拘束された跡も無く、生きた儘、一刀両断で“斬首”されていた。」という、実にグロテスクな設定。他にもグロテスクな描写は少なく無いのだが、元々初期の頃の誉田作品にはホラー的要素の強い物が結構在ったのだとか。個人的にはグロテスクな描写は苦手なので、減点ポイント。
胡散臭い新興宗教が、事件に絡んでいる事が明らかになる。こういう設定も、良く在るパターンだ。新興宗教に関するマイナス要素的な考え方が記されているが、自分も全く同感。そういう物を妄信されている方も居られ様から、具体的な記述は控えるが、「どう考えても理屈に合わない、実に胡散臭い対象を妄信してしまう人。」が、自分には全く理解出来ない。
一応、ハッピー・エンドの形で物語は終わる。そうじゃ無いと、余りに救いが無いが、“新興宗教との闘い”は現実問題として、救いの無い形で終わる事が殆どではなかろうか。
総合評価は、星3つとする。