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ストライキ:労働者による争議行為の一種で、労働法の争議権の行使として雇用側(使用者)の行動等に反対して、被雇用側(労働者、特に労働組合)が労働を行わないで抗議する事。
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勉強する事が嫌いだったので、子供の頃は“学校が休みになる事”が嬉しくてならなかった。春休みや夏休み、冬休み等の“決まった休み”の他、“不測の事態による休み”になると、浮き浮きした気持ちになった物。
不測の事態による休み、其れは「台風や大雪、豪雨等の自然災害により、交通機関が運休等した場合の休み。」の他、「ストライキが決行され、交通機関が運休等した場合の休み。」だ。小学生から中学生の頃は屡々、春闘(2月~3月位)の時期になるとストライキが話題になり、「明日のストライキは行われるのか?」等と、夜から朝に掛けて報道されていた。0時位迄報道を見守っていて、「ストライキは避けられない模様。」というテロップに大喜びして布団に入るも、朝起きてTVを点けると、「ストライキはぎりぎりの所で回避されました。」なんぞと報じていて、「何だよ・・・。」とがっかりした事が何度か在ったっけ。
3年前の「佐野SAでのストライキ」、もっと前で言えば18年前の「日本プロ野球選手会のストライキ」と、日本でストライキが行われなくなった訳では無いが、自分が子供の頃と比べると、格段と減った印象が在る。調べてみたら、「我が国ではピーク時の1974年、1年間に9,581件ものストライキ等の労働争議が行われた(約26.2件/日の発生率。)が、4年前の2018年には、僅か58件に迄激減した。」そうだ。ピーク時から比べると、約0.6%の件数なのだから、「明日のストライキは行われるのか?」といった夜通しの報道を目にしなくなった訳だ。
ストライキに関する話が、此方に色々記されている。非常に勉強になる内容なので、是非読んで戴きたいが、“日本でストライキが激減した理由”として、「不況により、企業に大きな影響を与えられず、実施するメリットが少ない。」や「組合に加入していない労働者が多く、ストライキの実施方法も継承されていない。」等が挙げられている。
又、ストライキのデメリットに関しては「ストライキ中の賃金は支払われない。」、「ストライキ参加によって、減給される事も在る。」、「損害賠償を請求される可能性が在る。」、「業績悪化や倒産のリスクが在る。」が挙げられている。
ストライキは「団体行動権」として、日本国憲法で認められている労働者の権利。明々白々な違法行為は論外だが、法律に則った上でのストライキは、決して非難されるべき物では無い。でも、「権利を主張する労働者疎ましく感じる雇用者サイドが、労働組合の分断を図る目的で、『労働組合=赤の集団』とレッテル張りを執拗に行った。」事に加え、上記したデメリットから、「ストライキ=悪」という認識が広まってしまったとしたら、其れはどうかと思う。
「必要以上に求めてしまうのは問題だけれど、適正な事を適正な形で求める。」のは人として当然で在り、其れは労働者も例外では無い。当然の権利を求める事に萎縮してしまっては、自身の労働環境を悪化させるだけだし、逆に雇用者サイドを増長させるだけなので。
その時、組合員にも会社にも、つねづねいってきたのは、「会社と組合は車の両輪。どちらの大きさが違っても会社があらぬ方へ行く」
また、会社には「組合のいうことは耳に痛いことかもしれないが、『良薬口に苦し』組合のいうことも聞かなくては会社は病気になる」
最近、労働組合の存在感が薄くなってきたように感じます。日本の企業の衰退の一因かも知れません、
「会社と組合は、車の両輪。何方の大きさが違っても、会社が在らぬ方向へ行く。」というのは、全く其の通りだと思います。人間で在る以上、多少なりとも“我欲”という物が在るけれど、其の我欲が出過ぎてしまうと、組織は潰れてしまう。
「客からのクレームは、会社にとってチャンスでも在る。」って言いますよね。「五月蠅い事を言う客だ。」で済ますのでは無く、其のクレームからビジネス・チャンスに繋げられる事も在る訳で、組合員の主張に耳を傾けられる企業というのは、大きく発展出来る可能性が在るとも言えます。
企業と組合員がいがみ合う関係では無く、可能な限りウインウインの関係で在る事が、日本の発展の為にも望ましいでしょうね。