今バケツの中が熱い。春でも立ち上る湯気にニヤツキながら、僕はガスコンロから離れられないでいる。ついに寿命が来たようだ。いままでガスのスイッチをまわせば、なんとか火は付いて、3分ぐらいスイッチをめいっぱいまわした状態からちょっと戻すとなんとか火力が安定したんだけど、まわしても火すら付かなくなった。一応ガスは出てるのでチャッカマンに登場してもらいことなきを得ている。前に住んでいた人の置き土産だからしょうがない。だましだまし使っていたけどもうだまされないぞとガスコンロに火がついたんだけど働かなくなった。一番つかってるなーと思っているのが食事の他に寝る前の足湯である。沸騰したやかんをもってバケツと台所の間をリレーにして1メートル。立ち上る湯気は乾燥したのどを潤す。健康ののろし。熱さと足の裏の厚さ対決。いつも軍配は向こう。謙虚な気持ちにしてくれる。感じることは生きている証。いいじゃないのと僕はバケツにはまるんじゃなくて浸かる。