万葉の例、家持の「天皇の 食す国なれば みこともち 立ち別れなば」(17-4006)
みこともち 命、御言葉、用法には、>天皇の命を受けて土地の政治を司る者をいう。紀では、新羅の「宰」(神功前紀)、遠江の国の「司」(仁徳紀)などが「みこともち」と訓まれている と見える。万葉神事語辞典 万葉集に、命持ち歌人と説明があるのは、文学者による学説の展開である。さらに代作の語を用いて、代作者、代作歌人となり、それはまた宮廷歌人に連なるが、はたしてその行為はどう見るか。
みこともち - 國學院デジタルミュージアム
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しかし万葉の唯一の例である家持の「天皇の 食す国なれば みこともち 立ち別れなば」(17-4006)が示すように、「みこともち」は天皇 ... ような「『みこともち』の脈を引きながら新たに生まれてきた歌人、いわば天皇霊になりかわる″御言持ち歌人〟」としてとらえる。
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万葉神事語辞典
>さて、この「みこともち」の論は、戦後にあっても展開を見せる。伊藤博は、古く「神々や天皇などの告げごとを神々や天皇などに純粋に成り代って伝える宗教的な立場」の女性がいたことを想定し、額田王を、そのような「『みこともち』の脈を引きながら新たに生まれてきた歌人、いわば天皇霊になりかわる″御言持ち歌人〟」としてとらえる。天皇の歌の代作者として、「みこともち」という立場から額田王を捉える視点であり、折口の論の今日的な発展といえよう。
代作とは
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これは「みこともち」という天皇の言葉を伝える役目のものが、やがて詞書きを作成するようになったとの見通しに基づいてなされた ... さらに額田王の立場は宮廷歌人柿本人麻呂に連なるとしてこの問題を展開させた(「御言持ち歌人」万葉集の歌人と作品・上)。
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>折口はこの代作という視点を万葉集にも適用し、中皇子が間人連老を使いとして天皇に献歌したのも(巻一、3)老の代作とし、以下柿本人麻呂も同様の「代作詩人」として位置づけている(「万葉集講義」全集9など)。
この折口説を展開した伊藤博は、額田王作の異伝がすべて天皇であることから、それらを額田王の代作と見て「御言持ち歌人」」と規定し、さらに額田王の立場は宮廷歌人柿本人麻呂に連なるとしてこの問題を展開させた(「御言持ち歌人」万葉集の歌人と作品・上)。
次いで中西進は額田王の本文と異伝の作者名の違いを実作者と形式作者としておさえ、額田王の宮廷での立場を「詞人」ないしは「宮人」的立場にあるものとして展開させている(「額田王論」万葉集の比較文学的研究)。