この間から少しずつ万葉集の書物を処分している。古書屋に持っていく。研究書が多いのでまとめて出して、誰か読む方がいれば幸いと送り出す気持ちになる。
万葉集大成、校本万葉集と、続いてどうするか。大成は平凡社の版、校本万葉は岩波書店、17冊か、別館の広瀬本は持っていない。
西本願寺本の複製を出そうとしたら、端本だからと断られた。美術品か。
万葉集索引は使い込んだし、沢瀉註釈も揃いであるはずが、なかなか . . . 本文を読む
令和年号は国書から語を選定したとその経緯が広く人に知られるところとなった。中国漢籍からの出典を国語の文献からという議論は採用した万葉集にてらして意見が出された。元号としての語の扱いもあって落着したのが文字の組み合わせと語義、そして音感にあったのであるが、それでなお万葉歌の成立解釈から強く主張した意見として、解説が研究者の立場から出されている。年号に触れるのはおそがいような、その焼却炉の灰から消し . . . 本文を読む
[訓読]霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み ぬえこ鳥 うら泣け居れば 玉たすき 懸けのよろしく遠つ 神 我が大君の 行幸の 山越す風の ひとり居る 我が衣手に 朝夕に 返らひぬれば 大夫と 思へる我れも 草枕 旅にしあれば 思ひ遣る たづきを知らに 網の浦の 海人娘子らが 焼く塩の 思ひぞ焼くる 我が下心
霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず
むら . . . 本文を読む
いくさのおほきみ
舒明天皇が讃岐国安益郡に行幸された時に、従駕した軍王詠んだとされる長歌
現在の香川県綾歌群
わづきも知らず 和豆肝之良受 語義不詳
たづきを知らに 鶴寸乎白土 たづき たどき
たづき例 13 たどき例 16
日本国語大辞典より
わずき[わづき]
解説・用例〔名〕
語義未詳。
*万葉集〔8C後〕一・五「霞立つ 長き春日の 暮れにける 和豆肝(ワヅきも)知らず〈軍王 . . . 本文を読む
万葉の歌人に、時代が、意見をしている。そのときは、時世である、自大の子である、いや時代の寵児である。高校生の教科書でも知られているといった、ものの見方を変えてしまう先例になる。日本史教科書の事項に新見解が入れられる時世であるから、それがただしければ、それに常識の異なることが起こるだけである。むかしはそうでなかったと、その内実が、事実よりも真実の語りを求めることになる。
さて、歌人について令和の議 . . . 本文を読む
対とリフレインの、リフレイン形式とは、楽曲の形式、歌や詩、文章などで同一句による繰り返し表現、その歌い上げる妙である。ありのまま、自然のままである。
八隅知之 我大王乃
朝庭 取撫賜
夕庭 伊縁立之
御執乃 梓弓之 奈加弭乃 音為奈利
朝猟尓 今立須良思
暮猟尓 今他田渚良之
御執 弓之 奈加弭乃 音為奈里
玉尅春 内乃大野尓 馬數而
朝 . . . 本文を読む
むらきも むらぎも 群肝・村肝(読み)むらぎも
五臓六腑
昔、人の心は内臓の働きにあると信じられ、多くの臓器が集まることから 広辞苑
学研全訳古語辞典
むらきも-の 【群肝の】分類枕詞
「心」にかかる。心は内臓に宿るとされたことからか。「むらぎもの」とも。
出典万葉集 七二〇「むらきもの心くだけてかくばかり」
[訳] 心もくだけてこれほどまで。
[歌番号]01/0005
[題詞]幸 . . . 本文を読む
うち‐の‐おおの〔‐おほの〕【宇智の大野/内の大野】 の解説
奈良県五條市の吉野川沿いにあった野。古代の猟地。宇智の野。[歌枕]
「たまきはる―に馬並 (な) めて朝踏ますらむその草深野」〈万・四〉
大野、中野、小野 とそれぞれに、わかりにくい語である。荒れ野は曠野である。平野ではなさそう。
野、野原そのものに、イメージを持たない、持ちにくい国土だからだろう、大野は、地名も、その多さには、どう . . . 本文を読む
くさふかの くさ ふか の
くさぶか の
草の生い茂っている野原
草深い野原
馬なめて 背丈もせいぜい130センチ程度
たのしい万葉集: 馬(うま)を詠んだ歌
馬(うま) Horse
>一般的には、日本の古代の馬は古墳時代(の4~5世紀頃)に朝鮮半島から日本にもたらされた、と言われています。よく知られているサラブレッドと違って、背丈もせいぜい130センチ程度であまり大きくなか . . . 本文を読む
やすみ-しし 【八隅知し・安見知し】
枕詞 国の隅々までお治めになっている意で、「わが大君」「わご大君」にかかる。
しし 八隅知之
知し これを知る 論語 「知之者不如好之者 」
しらすの解説
学研全訳古語辞典
しら-・す 【知らす・領らす】
分類連語
お治めになる。統治なさる。▽「知る・領(し)る」の尊敬語。
動詞「しる」の未然形+上代の尊敬の助動詞「す」
出典:デジタ . . . 本文を読む