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語彙論再説

2013-09-25 | 語と語彙
語彙論再説

語の論と語彙の論とがあって語論は何をあつかい語彙論は何をあつかうかを述べる。

語論は一つの語について述べる。
語彙はその語の集合を述べる。

その違いはあるか。おそらく語彙論となる前は、文法論にかかわる語構成の論があってそれが語論を作り、単位としての語を見れば語の論として成立していた。いまも語論は文法研究の一部門であり、単語の形態、用法、種類を研究する、あるいは単語の構成、活用、品詞性など種々の文法的な働きについてのものという辞書の解説がある。

したがって語彙をとらえるときに一つの語とほかの語との関係をはじめ、それをまた語のグループとして全体を見るようなことになる。
語彙が一つの語の語の論から始まってもよいだろう。

さてその語であるが、もともと日本語でこの字義から語ると読むのでひとつの語だけを指すものでもない。
単語というようになったのは語を数え立てるようなことからだから、日本語というようにこの語は複数の単語を指している。

そう考えると、語彙と翻訳したのはなかなかに日本語の妙である。

語については語誌がある。
語について記す。
語についての誌であるが、これを しるす と読む。
それをまた、デジタル大辞泉の解説では、語誌、語志、語史として、ある言葉の起源や意味、用法などについての変遷、また、それを書いたものと言う。

大語誌という名の辞書を計画したが、その名称がいわくありげだった。それは、国立国語研究所「日本大語誌」構想の記録  によって、次のようである。

>国家の事業としての日本語大辞典の構想と計画はどのようなものだったか。計画当初から約35年の歳月をへた今日、国立国語研究所が推進したその全貌が初めて公開される。日本語辞典とは、理想の日本語辞典は何か、その理念と作り方をとらえた画期的な文献。1977年(昭和52)ころ、林大国立国語研究所長(当時)は国語大辞典の編集を計画され、近代語研究室長であった飛田良文がその担当者になるように要請された。そして国語辞典編集準備室が設けられ、国家の事業としての国語大辞典の編集計画が約10年以上の長期間にわたって推進された。その立案計画は国語辞典編集準備資料(1~10)としてまとめられた。しかしその後の行政改革のあおりで、残念ながら国語辞典編集室は廃止され、ついに日本大語誌は日の目を見ることはなかった。

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