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免疫症

2014-12-07 | 病名のことば
免疫不全をさして、免疫機構が機能しないことを言う。そも、免疫とはなにか。免疫現象を解明するための学問を免疫学immunologyという。マイペディアによると、免疫は、生体が自己と異質な物質を識別し排除する現象およびその機構である。そして、病原体や毒素、花粉、ほこりその他の外来物、他人の臓器、自らの変性したタンパク質などの異物は抗原として認識され、生体防御機構としての免疫が発動する、とある。あるいは、病原体や毒素に生体が反応した結果、獲得するそれらに対する抵抗性、多くの機構という、栄養生化学辞典の解説がある。   >自己免疫疾患(じこめんえきしっかん、英:Autoimmune disease)とは、異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を起こす疾患の総称。
自己免疫疾患は、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分けることができる。関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)に代表される膠原病は、全身性自己免疫疾患である。



デジタル大辞泉の解説
めんえきふぜん‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【免疫不全症候群】
免疫機構が機能しないため、病原微生物への抵抗力がなく、感染症に繰り返しかかり、重症化し、治りにくい状態を呈するもの。原発性のものと後天性のものとがある。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
疫不全症候群  めんえきふぜんしょうこうぐん
immunodeficiency syndrome

生体の感染防止能力をもつ免疫機構すなわち抗体を産生する細胞系が、なんらかの原因によって障害され、有効に機能しなくなった状態をいう。種々の病原体による感染頻度の増大、同一感染因子による反復感染、感染症の重症・慢性・難治化などのほか、普段はほとんど侵されない弱毒菌による感染(いわゆる日和見(ひよりみ)感染)をおこすことが特徴とされている。
 先天性(原発性)と後天性(続発性)に分けられる。
 原発性免疫不全症候群は、生まれつき免疫機構に障害のあるもので、大部分は遺伝的原因による。
 おもにリンパ球の欠損、減少、機能異常によって生ずる。おもな疾患には、無γ(ガンマ)グロブリン血症、重症複合型免疫不全症、ウィスコット-アルドリッチWiskott-Aldrich症候群等がある。
 続発性免疫不全症候群は、基礎疾患や医療行為などに随伴しておこるものをいう。
 基礎疾患としては、細胞性免疫不全をおこすホジキン病など、体液性免疫不全をおこす多発性骨髄腫などがあり、医療行為による医原性のものとしては、放射線照射、免疫抑制剤や副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤などの投与、脾(ひ)臓や胸腺など免疫担当組織を摘出する外科的処置などがあげられる。
 このほか、ウイルス感染、進行癌(がん)、内分泌異常、栄養低下、老化などによるものもあり、AIDS(エイズ)は、HIV感染によりヘルパーT細胞が破壊され重篤な免疫不全を示す。
 免疫不全症候群は、血液検査によって、正常な血清タンパク質の一部が欠如していたり、異常な血清タンパク質が増えている場合に診断される。また、日常的に接触している病原微生物に対する抗体がどの程度存在するかを調べる検査も行われる。原発性の場合には、家族の病歴を調べる。治療としては、補充療法などの対症療法が行われる。[山口規容子]
『菊地浩吉編『医科免疫学』第3版(1989・南江堂) ▽塚田聡編『免疫不全の分子医学』(1996・羊土社) ▽日本臨床内科医会編『診断、治療、病診連携、ケアのためのHIV/エイズ診療のてびき』(1999・文光堂)』


日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
免疫  めんえき
immunity

さらに19世紀末には、R・コッホ、パスツールにより病原微生物が分離され、純粋培養ができるようになると、伝染病の原因も明らかとなった。これに伴ってニワトリコレラ、炭疽(たんそ)、狂犬病などの予防法も開発された。そして1881年、一度伝染病にかかっても、さいわいに回復できると、二度と同じ伝染病にかからないという、いわゆる「二度なし現象」とよぶ免疫の概念がパスツールによって提唱された。現在では、分子レベルでの研究が進み、多くのことが解明されたが、当時においては、この二度なし現象がどのような機序(メカニズム)でおこるかは明らかでなく、細胞説と体液説とが対立していた。今日の細胞性免疫の考え方を初めて唱えたのはロシアの細菌学者E・メチニコフといわれ、彼は細胞の貪食(どんしょく)機能の研究結果から、この機能が免疫現象に重要な位置を占めることを主張した。
 1890年、ドイツの細菌学者E・フォン・ベーリングと北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)は、ジフテリアおよび破傷風菌に対する抗毒素がヒトの血清中にあることを発見し、免疫の本体が抗体の存在であることを明らかにした。これ以降、血清学(抗原抗体反応)は黄金時代を迎えることとなった。血清反応は、初めは細菌に対する抗体の反応と考えられていたが、やがて、病原微生物に限らず卵白や動物血清などのタンパク質に対しても血清反応がおこることが証明された。この結果、なんらかの免疫反応をおこし、抗体をつくる物質を抗原と総称するようになった。このような歴史を経て、20世紀の免疫学の基礎が築かれたわけであり、今日の驚異的な近代免疫学の進歩へと発展するのである。
>自己免疫
生体は自己の体の構成成分に対して免疫反応をおこさないものと考えられていたが、実際にはこの基本原則に反して、自己の構成成分に対してその生体が免疫反応をおこす事実がみいだされた。これが「自己免疫疾患」とよばれるものである。歴史的には1907年、オランダのドナートW. F. DonathとオーストリアのランドシュタイナーK. Landsteinerによって初めて発見されたもので、両者は、発作性寒冷血色素尿症患者の血清が自己の赤血球を壊すということをつきとめた。自己免疫疾患の代表例としては、橋本病、悪性貧血、重症筋無力症、若年性糖尿病、全身性ループスエリテマトーデス、皮膚筋炎などがあり、ほとんど厚生労働省の難病指定を受けている。
>免疫は古典的血清学から近代免疫学へと進み、さらに現在では遺伝子工学、細胞工学などとの関連において研究が急速に進んでいる。具体的には、抗原抗体反応の理論、生体防御機構、分子遺伝学、免疫細胞の相互作用などの各領域において、さらに大きな進歩を遂げようとしている。[辻 公美]


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