対照することは、異なる、違うものをならべてみることである。その意味内容には、比較することで表されることとは違った意味特徴を持つ。それを辞書義で見ると、照らし合わせる、その用法を捉えることになる。比較対照するという用法では、同じものが比べられる、異なったものが照らされる、という語義がある。比較言語、対照言語にはその方法、目標とする結果の求め方がある。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
対照言語学 たいしょうげんごがく
contrastive linguistics
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言語学の研究方法の一つ。2つまたはそれ以上の言語を比べ合せて,それらの相違点や共通点を研究する。比べ合せる言語には系統上,時代上などの制限はない。この点,比較言語学とは目的も方法もまったく異なる。
比較言語学
ひかくげんごがく
comparative linguistics
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共通の起源を有する諸言語を比較研究し,それらの共通祖語を再構し,その祖語からそれらの諸言語への歴史的な変遷を説明しようとする学問。これにより,文献以前の状態がそれなりに推定でき,その言語の歴史がその分だけ明らかになることになる。比較方法は,任意の言語間に適用を試みることはできるが,音韻法則に支えられた系統関係の証明が確立しないかぎり,そこには比較言語学は成立しない。この意味では,日本語と他言語との比較言語学はまだ成立していない。この分野が確立されたのは 19世紀末の青年文法学派による印欧語比較言語学に始る。
比較言語学 comparative linguistics とは、言語学(歴史言語学)の一分野であり、親縁関係や同系性が推定される諸言語を比較することにより、同系性や親縁性(語族、語派)を見出したり、あるいは共通祖語を再構したりしようとする学問。
比較言語学 -ウィキペディア Wikipedia
対照言語学 contrastive linguistics は、言語と他の言語を比較する言語学の一分野で、目標の言語を基本の言語と対照すること、すなわち対照分析によってその目標言語の特徴を捉えようとする学問分野である。 ウィキペディア Wikipedia
対照と、対比と、その用法の解説がある。
デジタル大辞泉
[用法]対照・対比――
「筆者が違う同一人物の伝記を対照(対比)して読む」「色の対照(対比)が鮮やかだ」など、比べ合わせるの意では相通じて用いられる。
◇違いがきわだつの意では「対照」の方が多く使われる。「二人の性格は剛と柔のいい対照だ」「対照の妙」などでは「対比」は用いない。
◇「対比」は、二つ以上のものを比べて、その違いをはっきりさせる意で多く使われる。「目標数と達成数を対比したグラフ
◇類似の語「比較」は、比べ合わせて違いを考える意では最も広く使われる。「昨年同期の物価と比較する」「比較にならない実力の差」などでは、普通「対照」「対比」は使わない。
辞書の説明
デジタル大辞泉
2 全く性質の違う物どうしを並べ比べたとき、その違いがきわだつこと。また、その取り合わせ。コントラスト。「明と暗がおもしろい対照をなす」「対照の妙」
大辞林
② 〔contrast〕 二つのものの相違点が著しく際立っていること。コントラスト。 「 -の妙を示す」
精選版 日本国語大辞典
② 対立する事物を並べたとき、それぞれの特徴があざやかに発揮されて、著しい違いが目立つこと。とりあわせ。コントラスト。
※田舎教師(1909)〈田山花袋〉四一「厚い濃い緑の葉は、黄い寒菊の小さいのと趣に富んだ対照をなした」
デジタル大辞泉の解説
たい‐しょう〔‐セウ〕【対照】[名](スル)
1 二つの事物を照らし合わせて比べること。「訳文を原文と対照する」「対照表」
大辞林 第三版の解説
たいしょう【対照】( 名 ) スル
① 比べ合わせること。照らし合わせること。 「比較-する」 「 -表」
精選版 日本国語大辞典の解説
たい‐しょう ‥セウ【対照】〘名〙
① 照らし合わせること。くらべ合わせること。見くらべること。対比。
※蘭学逕(1810)「凡和蘭の医書を読んと欲せば、初に先づ字体、音韻〈略〉対照の訳例、兼て薬品の名を会し」