一通の残暑見舞い、うつくしい便りである。毎年、この見舞い状をいただく。それはみごとに作られた作品である。つくづくと眺めて、昭和40年代までタイムスリップ、懐かしく、しかし、努力の日々だったころである。どんな努力だと言おう、教室で眠り込む隣席に彼がいた、同じように眠りこけていた、それが日常の現れである。生きるために、学ぶために、彼は深夜に、わたしは早朝に時間をもって、つくりだしては、毎日、あたり前のようにしていた。学ぶことはそのさきに目標があった彼である。それは、それからあとの歩みを続ける長い、長い時間からすれば、ひととき、瞬く間のことで、わたしは大学院から教育研究の道にすすみ、彼は教師になるべく、望んだとおりの道を行く。わたしに、彼に、おこることは、あの日々のひとときからすればあっというまであったろうか。
一通の残暑見舞い、うつくしい便りである。毎年、この見舞い状をいただく。それはみごとに作られた作品である。つくづくと眺めて、昭和40年代までタイムスリップ、懐かしく、しかし、努力の日々だったころである。どんな努力だと言おう、教室で眠り込む隣席に彼がいた、同じように眠りこけていた、それが日常の現れである。生きるために、学ぶために、彼は深夜に、わたしは早朝に時間をもって、つくりだしては、毎日、あたり前のようにしていた。学ぶことはそのさきに目標があった彼である。それは、それからあとの歩みを続ける長い、長い時間からすれば、ひととき、瞬く間のことで、わたしは大学院から教育研究の道にすすみ、彼は教師になるべく、望んだとおりの道を行く。わたしに、彼に、おこることは、あの日々のひとときからすればあっというまであったろうか。