小説作法の視点について、1人称視点の変換というのを思い出す。3人称か、叙述か。物語論は文章の技法としても見る。さて、そこで物語論を見ると、>ある「筋」によってまとめられるような、統一性のある表現一般を指す(トドロフ) について、言語技法が分析される。
>物語論(ものがたりろん、ナラトロジー、英語:narratology)は、物語や語りの技術と構造について研究する学問分野である。
物語論には、大きく分けて二つの潮流がある。内容の類型に関心を向けるものと、表現(しばしば「言説」と呼ばれる)の形式に関心を向けるものである。前者はロシア・フォルマリズムに始まり、構造主義と関連を持つ。後者は、古くはアリストテレスの『詩学』、プラトンの『国家』にまで遡るが、20世紀初頭から半ばにかけての英米やドイツ、フランスの研究があり、ロシア・フォルマリズムの紹介を経て、1970年代にジェラール・ジュネットが大成した。
ジェラール・ジュネット(Gérard Genette、1930年6月7日 - 2018年5月11日)は、フランスの文学理論家。
https://sakka-no-mikata.jp/2019/05/18/viewpoint-switching/
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作中の風景や人々の暮らしを「誰から見るのか」という意味の視点(立脚点)は、ジュネット理論によって以下の3つに分類されています。
立脚点の種類
全知全能の神視点(=作品世界の外から見る)
物語世界を俯瞰的に見る視点(=作品世界の中だけど人物の外から見る)
登場人物の視点(=人物に入り込んで内側から見る)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/05 22:14 UTC 版)
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ジュネットの理論
ジュネットは"temps"「時制」・"mode"「法」・"voix"「態」という文法用語を参考に理論を整理した。
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「視点」(viewpoint, point of view)という用語には「目で見る」という視覚に限られるニュアンスが強いので、"focalisation"(焦点化)という用語が提案されている。焦点化には大きく分けて3つの種類がある。
焦点化ゼロ、非焦点化 - 伝統的に「神の視点」や「全知の語り手」と呼ばれてきたもの。カメラの絞り解放に譬えている。潜在的にはあらゆる時間・空間、あらゆる登場人物の内面に至るまで把握することが可能である。
内的焦点化 - ある登場人物を「視点人物」として、その人物によって知覚された事柄のみが描かれるもの。
外的焦点化 - ある対象(特に登場人物)を描く際に外面のみを描くもの。思考や感情は窺い知れない。例えばダシール・ハメットの推理小説やヘミングウェイの「殺し屋」「白象に似た山々」などが例に挙げられる。例えば「カメラ・アイ」と呼ばれる手法に見られる。