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グローバライゼ―ション

2016-08-27 | 日本・日本人
globalization グローバリゼーション その意味する、社会的、経済的に地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象というのをとらえている。グローバル化と言ってきたのは、何であったか。デジタル大辞泉に、>国家などの境界を越えて広がり一体化していくこと。特に、経済活動やものの考え方などを世界的規模に広げること。グローバライゼーション。  とある。かつては、国際化 internationalization、多国籍化 multinationalizationなどと呼ばれていたというが、いずれも時代の変遷を意味する内容を持つ。日経新聞記事、コラム大機小機が適切に書いている。それは、グローバル化疲れであると、調整期をとらえる。


日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
グローバリゼーション
ぐろーばりぜーしょん
Globalization
>経済、文化、政治、環境問題など人類の活動とその影響が、国家や地域の境界を超え、地球規模で一体化していく現象のこと。地球(globe)からできたことばで、「グローバル化」ともよばれ、「地球規模化」または「地球一体化」と訳される。


ASCII.jpデジタル用語辞典の解説
グローバリゼーション

人、カネ、モノが国民国家の枠組みを超えて活発に移動し、各国経済の開放と、世界の産業、文化、経済市場の統合が進む現象をいう。文化的、商業的、経済的活動の分野において特に用いられることが多い。グローバリゼーションには、世界の異なる部分間の結びつきの強化が促進されるというメリットがある。他方で、自国の農業、工業が脅かされ、多国籍企業への利潤集中が発生する、貧富の拡大が世界規模ですすむ、といったデメリットもあるといわれている。グローバリゼーションから生じたと社会問題への反発から、「反グローバリゼーション運動」が発生している国も少なくない。


知恵蔵2015の解説
グローバリゼーション

交通機関の発達による国境を越えた人々の移動、政治経済分野における国家関係の緊密化により、様々な領域の問題が多くの国を巻き込んで地球規模に拡大している事態を表す。兵器体系の高度化により安全保障分野での主権国家間の争いは世界大へ拡大し、情報ネットワーク技術の発達によりインターネットを始めとした情報網が地球を覆う。さらに国際金融資本の発展によって資本主義市場もまた世界規模へ拡大し始めている。こうした状況の下、主権国家間の様々な問題に取り組むため、政治の領域においても、国際政治の基本単位が主権国家だけではなく、国際機関、社会集団などに広がってきている。このような新たに出現した問題群に対し、リベラリズムにどのような対応が可能かと問うことは重要といえる。リベラリズムは公権力を抑制する原理と、異質な価値観を持った人間同士の共存を可能にするための原理を併せ持つが、その実効性は国民国家により担保されていた。つまりリベラリズムは国民国家と結びつくことで発達してきたのである。国際社会においても、価値観の異なる他者との共存が求められる以上、リベラリズムがグローバルな正義の基礎となる原理となりうるのかが問われている。
(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)


世界大百科事典 第2版の解説
グローバリゼーション【globalization】

近代という時代は地球上のあらゆる人々を市場経済の中に巻き込み,地域固有の価値観や規範あるいは制度や権威を変形・解体して,ヨーロッパに形成された世界システムへの一元化をもたらしてきた(近代世界システム論)。このような近代世界の近似化は,国民国家による分割を通じて実現され,文化は国民文化として創り出され,経済は国民経済を単位として構成されてきた。社会科学や近代思想が論じてきた近代の普遍性とは,国民国家という単位に分断されながらも,地球全体が想像上の〈西洋〉へと均質化する傾向を前提としてきたのである。



大機小機グローバル化の調整期
2016/8/27付日本経済新聞 朝刊
 ロンドンの住民は、ベッドで朝の紅茶をすすりながら、電話一本で世界中から好きな産物を取り寄せ、世界の好きな資源や事業に投資することができた。思い立った時に好きな国に旅行することもできた。

 97年前の著作「平和の経済的帰結」でケインズは、第1次大戦以前の英国上流層の日常をこう描いた。

 1870年から開戦の前年の1913年までの間、世界貿易の伸び率は世界経済の成長率をずっと上回った。国境を越えた投資も盛んで、移民も増えた。

 電信・電話の実用化、蒸気船の定期航路、鉄道網、冷凍輸送などの技術革新に引っ張られたこの時代を、「第1次グローバリゼーション」と呼ぶ人もいる。

 ならば、今は「第2次グローバル化」になるわけだが、雲行きが怪しい。

 昨年の世界の貿易額は、資源安もあり、リーマン危機以来6年ぶりに前年比で減った。数量ベースの伸び率も、過去数年3%に満たず、かろうじて3%台を維持してきた世界経済の成長率を下回っている。

 政治にも「グローバル化疲れ」が見える。米大統領選のトランプ共和党候補は環太平洋経済連携協定(TPP)を目の敵にするが、クリントン民主党候補まで「大統領になってもTPPに反対する」と言った。

 英国の欧州連合離脱決定や、欧州で反移民のポピュリズム政党が勢いづくのも同根だ。グローバル化は「調整期」を迎えた。

 苦い歴史の教訓がある。第1次グローバル化が頓挫して、2度の大戦、大恐慌と凶事が続いた。

 格差拡大、先進国の中流の苦境、金融の暴走などの弊害が指摘されるが、第2次グローバル化を通じ、中国などで絶対的貧困人口が劇的に減ったのも事実だ。

 グローバル化を葬るのではなく、欠陥を補う賢い管理が必要だ。「パナマ文書」が暴露した租税回避地を使った税金逃れを国際協力で封じる試みは一例だ。

 国内ではセーフティーネットの強化を含む再分配政策や、技術革新に取り残されない教育の制度設計も課題になろう。逆風にひるまず、TPPの批准も率先すべきだ。平和裏の競争に背を向けてはならない。

 ケインズは、経済的進歩の素晴らしいエピソードが、第1次大戦で終わったことを惜しんだ。今こそ踏ん張りどころだ。

(手毬)


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