言い間違いトップ10より、あららげる について、声をあららげる 、の言い方が正しいとする説明である。しかし、この言い回しについて、あららぐ あらぐ この語について、荒字の読み方をとらえるだけで、それぞれ説明の及ぶところがみられない。不可解なことだ。これまた、文化庁の調査による誤用だという、このさらなる間違った解説によるもので、またかと思わされることがあるかと思う。すなわち正しいとするのは、声を荒らげる とするので、その根拠はなんであろうかと不審である。さかのぼって、NHKが1991年に全国調査を行い、その結果に基づく説明をするものがあって、その解説にも伝統的な言い方とあるだけで、なにか判然としないが、その後は、あららげる あらげる その二つを使うように認めているとあるから、その用法について公共放送の、それから影響したとすれば、一般には、声を荒げる として広まったわけである。あらげる というのが、新聞社によって俗な言い方とするのも、その俗であるという説明は、それなりにあるかもしれないとしても、よってくるのは、NHK、新聞、文化庁と挙っての、人々の言葉の使いようを間違っているとするようである。
日本国語大辞典にその語の項を検索をして、いずれも浄瑠璃の例を載せる。
あらぐ あらげる とあるのは、あららげる の変化した語と見える。
あらく あらける という語が、方言であるのは注意されてよいが、いずれにしても、この語について、あらげる 荒らげる この表記に因るかどうかはわからないが、一般には認められる言い方で、声を荒げる として間違いではない。
荒(あら)げる - NHKオンライン
www.nhk.or.jp › ... › 放送現場の疑問・視聴者の疑問
Q:政局をめぐる最近の新聞記事の中で、ある政党の幹部が怒って「声を荒(あら)らげた」という表現がありました。放送では「荒(あら)げる」という言い方も耳にします。どちらの言い方でもよいのでしょうか。A:本来の言い方は「あららげる」ですが、放送では「あら ...
「声を荒立てる」「度をこして激しい声で言う」ことをさすことばとしては、「声をあららげる」が伝統的な言い方です。新聞社などの多くは「あららげる」のみを認め、「あらげる」は俗な言い方としています。しかし、声に出して言う場合、「あららげる」より「あらげる」のほうが言いやすいことや、「荒らげる」と書いてあるのを「あらげる」と読むという思い違いもあってか、今では「声をあらげる」と言う人のほうが多くなっています。NHKが平成3年(1991年)に行った全国調査でも、「あららげる」と言うと答えた人が19%にとどまったのに対して、「あらげる」と言うと答えた人が77%にものぼりました。このため、放送でも (1)「あららげる」[アララケ°ル]とあわせて (2)「あらげる」[アラケ°ル]を使うことも認めるようにしました。
日本国語大辞典
あら・げる 【荒】
〔他ガ下一〕あら・ぐ〔他ガ下二〕(「あららげる(荒)」の変化した語)
荒くする。物事を乱暴に行なう。
*浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松〔1718〕中「声あらけても泣顔はかべより外にもれにけり」
*今昔較〔1876〕〈岡三慶〉下・質素と開化風「直に右の若侍を呼出し、声を荒らげて、〈略〉以来は気を付よと云て」
*小説日本銀行〔1963〕〈城山三郎〉二〇「声をあらげて、からんできた」
日本国語大辞典
あらら・げる 【荒】
〔他ガ下一〕あらら・ぐ〔他ガ下二〕
荒くする。物事を乱暴に行なう。
*仮名草子・花山物語〔1648~61頃か〕一五「行王、勅定にはちちみかどこそ、あららくとも、丸は心の内おさめんとて」
*浄瑠璃・本朝二十四孝〔1766〕四「いかにいかにと声荒らぐれば、両弾正、辞するにおよばず」
*富本・四十八手恋所訳(相撲をし鳥)〔1775〕「景久声をあららげて此股野にうらみをなさんとたくみしけしゃうめ」
*二十五絃〔1905〕〈薄田泣菫〉天馳使の歌・あまくだり「打あららげし羽叩(はばた)きも」
大辞林 第三版の解説
あららげる【荒らげる】
( 動ガ下一 ) [文] ガ下二 あらら・ぐ
荒々しくする。荒くする。 「声を-・げる」 「斧枝は屹(きつ)となつて較(や)や言葉を-・げ/社会百面相 魯庵」
デジタル大辞泉の解説
あらら・げる 【荒らげる】
[動ガ下一][文]あらら・ぐ[ガ下二]声や態度などを荒くする。荒々しくする。「言葉を―・げる」
◆近年「声をあらげる」とすることもあるが、誤り。文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「声をあららげる」を使う人が11.4パーセント、間違った言い方「声をあらげる」を使う人が79.9パーセントという逆転した結果が出ている。
次は、1年前のブログである。
日本国語大辞典にその語の項を検索をして、いずれも浄瑠璃の例を載せる。
あらぐ あらげる とあるのは、あららげる の変化した語と見える。
あらく あらける という語が、方言であるのは注意されてよいが、いずれにしても、この語について、あらげる 荒らげる この表記に因るかどうかはわからないが、一般には認められる言い方で、声を荒げる として間違いではない。
荒(あら)げる - NHKオンライン
www.nhk.or.jp › ... › 放送現場の疑問・視聴者の疑問
Q:政局をめぐる最近の新聞記事の中で、ある政党の幹部が怒って「声を荒(あら)らげた」という表現がありました。放送では「荒(あら)げる」という言い方も耳にします。どちらの言い方でもよいのでしょうか。A:本来の言い方は「あららげる」ですが、放送では「あら ...
「声を荒立てる」「度をこして激しい声で言う」ことをさすことばとしては、「声をあららげる」が伝統的な言い方です。新聞社などの多くは「あららげる」のみを認め、「あらげる」は俗な言い方としています。しかし、声に出して言う場合、「あららげる」より「あらげる」のほうが言いやすいことや、「荒らげる」と書いてあるのを「あらげる」と読むという思い違いもあってか、今では「声をあらげる」と言う人のほうが多くなっています。NHKが平成3年(1991年)に行った全国調査でも、「あららげる」と言うと答えた人が19%にとどまったのに対して、「あらげる」と言うと答えた人が77%にものぼりました。このため、放送でも (1)「あららげる」[アララケ°ル]とあわせて (2)「あらげる」[アラケ°ル]を使うことも認めるようにしました。
日本国語大辞典
あら・げる 【荒】
〔他ガ下一〕あら・ぐ〔他ガ下二〕(「あららげる(荒)」の変化した語)
荒くする。物事を乱暴に行なう。
*浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松〔1718〕中「声あらけても泣顔はかべより外にもれにけり」
*今昔較〔1876〕〈岡三慶〉下・質素と開化風「直に右の若侍を呼出し、声を荒らげて、〈略〉以来は気を付よと云て」
*小説日本銀行〔1963〕〈城山三郎〉二〇「声をあらげて、からんできた」
日本国語大辞典
あらら・げる 【荒】
〔他ガ下一〕あらら・ぐ〔他ガ下二〕
荒くする。物事を乱暴に行なう。
*仮名草子・花山物語〔1648~61頃か〕一五「行王、勅定にはちちみかどこそ、あららくとも、丸は心の内おさめんとて」
*浄瑠璃・本朝二十四孝〔1766〕四「いかにいかにと声荒らぐれば、両弾正、辞するにおよばず」
*富本・四十八手恋所訳(相撲をし鳥)〔1775〕「景久声をあららげて此股野にうらみをなさんとたくみしけしゃうめ」
*二十五絃〔1905〕〈薄田泣菫〉天馳使の歌・あまくだり「打あららげし羽叩(はばた)きも」
大辞林 第三版の解説
あららげる【荒らげる】
( 動ガ下一 ) [文] ガ下二 あらら・ぐ
荒々しくする。荒くする。 「声を-・げる」 「斧枝は屹(きつ)となつて較(や)や言葉を-・げ/社会百面相 魯庵」
デジタル大辞泉の解説
あらら・げる 【荒らげる】
[動ガ下一][文]あらら・ぐ[ガ下二]声や態度などを荒くする。荒々しくする。「言葉を―・げる」
◆近年「声をあらげる」とすることもあるが、誤り。文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「声をあららげる」を使う人が11.4パーセント、間違った言い方「声をあらげる」を使う人が79.9パーセントという逆転した結果が出ている。
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