判断とは何か、それは辞書義によればまずは、考えをきめることである。
真偽善悪などについて判定をするともある。
判断は、それを論理学で扱うとして、ある対象について何事かを断定する思考作用、と説明し、また、ある対象について何事かを断定する人間の思惟作用、というふうに、思考または思惟の作用だというが、じつはそこには言語形式に、「sはpである」「sはpでない」という形式、これを、命題の形式と捉える。
論理学の用語でいう命題のことになる。
その判断作用が推論作用として判断にある内容を言語対応させようとすることが行われた。
判断をこのように捉えてその現れを言語にみる命題形式となるが、そこに日本語の議論では文法論に、判断文という用語を用いて分類することが行われてきた。
物語文、品定め文に加えて、次ぐ判断文、現象文を区別した。
そして国語の議論は、日本語になると、判断作用が解釈されて推論だけでなく、いくつかの判断をモダリティーの現れと関連付けた。
判断作用は判断に近い、判断性の概念になって、限りなく言語表現の発話をモーダルに取り上げて、議論することになってしまっている。
判断文はその形式をとる分類から、判断性として、「あっ」という気づきを加えれば、どの言語表現入も人間の思惟作用があるかの解釈となってしまって、その論理を失っている。
かつて二重判断という語を用いて日本語特性を説明しようとすることがあり、そのすぐれた命名は理論的展開を得ることがあったようであるが、判断作用としてのとらえ方は、日本語における言語境界を曖昧にしてしまうモダリティーの分析に替わったかのようである。
https://kotobank.jp/word/%E5%88%A4%E6%96%AD-7539
以下は、コトバンクによる
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
判断
はんだん
judgment英語
Urteilドイツ語
jugementフランス語
>
一つの事実を断定すること。たとえば、電車の中でみかけた人の顔を見て「だれだったか」と考えているうちに、「ああ、古い知人の何々さんだ」という断定に達したときには、判断を下したことになる。伝統的論理学では、推論の基本単位となっている定言形の文、すなわち「SはPである」という形の文を「定言判断」とよび、「AならB」という形の文を「仮言判断」、「AさもなければB」という形の文を「選言判断」という。これは、推論の際にこれらの文に応ずる判断が心のなかで行われると考えることによるのである。現代論理学では、言語表現に即して論証の分析を行い、心のなかのことには直接は踏み込まないので、こういうことばは使わない。近ごろでは、いくつかの可能な場合のなかから一つを選び取ること、すなわち「意思決定」とよばれていることを「判断」ということもある。[吉田夏彦]
デジタル大辞泉の解説
はん‐だん【判断】
>
[名](スル)
1 物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定めること。「適切な―を下す」「なかなか―がつかない」「君の―にまかせる」「状況を―する」
2 吉凶を見分けること。占い。「姓名―」
3 《judgment/〈ドイツ〉Urteil》論理学で、ある対象について何事かを断定する思考作用。また、その言語表現。普通は「sはpである」「sはpでない」という形式をとる
大辞林 第三版の解説
はんだん【判断】
>
( 名 ) スル
①物事を理解して,考えを決めること。論理・基準などに従って,判定を下すこと。 「 -を下す」 「 -をあおぐ」 「善悪を-する」 「 -がつかない」
②吉凶をうらなうこと。 「姓名-」
③〘論〙 〔英 judgement; ドイツ Urteil〕 ある対象について何事かを断定する人間の思惟作用。命題を内容とする思考の働き。また,命題自体。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
判断
はんだん
judgment
>
論理学で,ある概念と概念との間,また概念は実在を表象するとの意味で,実在と実在との間に一定の関係があることを肯定または否定する知性の行為もしくはその能力またはその結果をいう。判断を言語で表明したものを命題という。
世界大百科事典 第2版の解説
はんだん【判断 judgement】
>
一般的にいえば判断とは〈何事かに関して真(または偽)と判ずるところの人間の心的作用〉を意味する。一方,命題propositionは論理学において通常〈その真偽に関して論じうる文(たとえば感嘆文や命令文は命題でない)〉と規定されており,したがって,命題は判断の言語表現であるといえる。ここでは論理学の用語としての〈判断〉について述べるが,論理学の対象として見るかぎりでは,判断と命題はとくに区別する必要はない。
真偽善悪などについて判定をするともある。
判断は、それを論理学で扱うとして、ある対象について何事かを断定する思考作用、と説明し、また、ある対象について何事かを断定する人間の思惟作用、というふうに、思考または思惟の作用だというが、じつはそこには言語形式に、「sはpである」「sはpでない」という形式、これを、命題の形式と捉える。
論理学の用語でいう命題のことになる。
その判断作用が推論作用として判断にある内容を言語対応させようとすることが行われた。
判断をこのように捉えてその現れを言語にみる命題形式となるが、そこに日本語の議論では文法論に、判断文という用語を用いて分類することが行われてきた。
物語文、品定め文に加えて、次ぐ判断文、現象文を区別した。
そして国語の議論は、日本語になると、判断作用が解釈されて推論だけでなく、いくつかの判断をモダリティーの現れと関連付けた。
判断作用は判断に近い、判断性の概念になって、限りなく言語表現の発話をモーダルに取り上げて、議論することになってしまっている。
判断文はその形式をとる分類から、判断性として、「あっ」という気づきを加えれば、どの言語表現入も人間の思惟作用があるかの解釈となってしまって、その論理を失っている。
かつて二重判断という語を用いて日本語特性を説明しようとすることがあり、そのすぐれた命名は理論的展開を得ることがあったようであるが、判断作用としてのとらえ方は、日本語における言語境界を曖昧にしてしまうモダリティーの分析に替わったかのようである。
https://kotobank.jp/word/%E5%88%A4%E6%96%AD-7539
以下は、コトバンクによる
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
判断
はんだん
judgment英語
Urteilドイツ語
jugementフランス語
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一つの事実を断定すること。たとえば、電車の中でみかけた人の顔を見て「だれだったか」と考えているうちに、「ああ、古い知人の何々さんだ」という断定に達したときには、判断を下したことになる。伝統的論理学では、推論の基本単位となっている定言形の文、すなわち「SはPである」という形の文を「定言判断」とよび、「AならB」という形の文を「仮言判断」、「AさもなければB」という形の文を「選言判断」という。これは、推論の際にこれらの文に応ずる判断が心のなかで行われると考えることによるのである。現代論理学では、言語表現に即して論証の分析を行い、心のなかのことには直接は踏み込まないので、こういうことばは使わない。近ごろでは、いくつかの可能な場合のなかから一つを選び取ること、すなわち「意思決定」とよばれていることを「判断」ということもある。[吉田夏彦]
デジタル大辞泉の解説
はん‐だん【判断】
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[名](スル)
1 物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定めること。「適切な―を下す」「なかなか―がつかない」「君の―にまかせる」「状況を―する」
2 吉凶を見分けること。占い。「姓名―」
3 《judgment/〈ドイツ〉Urteil》論理学で、ある対象について何事かを断定する思考作用。また、その言語表現。普通は「sはpである」「sはpでない」という形式をとる
大辞林 第三版の解説
はんだん【判断】
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( 名 ) スル
①物事を理解して,考えを決めること。論理・基準などに従って,判定を下すこと。 「 -を下す」 「 -をあおぐ」 「善悪を-する」 「 -がつかない」
②吉凶をうらなうこと。 「姓名-」
③〘論〙 〔英 judgement; ドイツ Urteil〕 ある対象について何事かを断定する人間の思惟作用。命題を内容とする思考の働き。また,命題自体。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
判断
はんだん
judgment
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論理学で,ある概念と概念との間,また概念は実在を表象するとの意味で,実在と実在との間に一定の関係があることを肯定または否定する知性の行為もしくはその能力またはその結果をいう。判断を言語で表明したものを命題という。
世界大百科事典 第2版の解説
はんだん【判断 judgement】
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一般的にいえば判断とは〈何事かに関して真(または偽)と判ずるところの人間の心的作用〉を意味する。一方,命題propositionは論理学において通常〈その真偽に関して論じうる文(たとえば感嘆文や命令文は命題でない)〉と規定されており,したがって,命題は判断の言語表現であるといえる。ここでは論理学の用語としての〈判断〉について述べるが,論理学の対象として見るかぎりでは,判断と命題はとくに区別する必要はない。