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語彙の論 2

2014-09-06 | 語と語彙
語彙の論について かつて古典対照語い表というのがあって、1971年、笠間書院発行、その後に版を重ねて、第3版が1992年9月にあり、語彙を考えるに重宝する語彙表であった。その改訂増補版、日本古典対照分類語彙表が出版された。収録された作品が、版元のサイトによれば、収められた古典作品でどの単語が何回ずつ使われているかを表にし、漢語、和語を峻別したものであったが、それに加え、すべての単語に、国立国語研究所編、分類語彙表、増補改訂版、2004年刊、の分類番号を追記したという。

それによって、個々の単語がもつ性格も即座に識別できるようにしたそうだ。改訂増補版は2014年7月に刊行ということで、B5判、1150頁の1冊を心待ちにしている。付録CD・別冊解説書付。
>また旧版の『古典対照語い表』は徒然草・方丈記・大鏡・更級日記・紫式部日記・源氏物語・枕草子・蜻蛉日記・後撰和歌集・土左日記・古今和歌集・伊勢物語・竹取物語・万葉集の14作品を対象としていたが、これに平家物語・宇治拾遺物語・新古今和歌集の3作品を追加して17作品とし、平安作品と徒然草とのあいだの空白を埋める。  
とある。

この、対照語い表は、1960年代の、文学作品における国語研究が作品索引づくりを進めていた成果であった。源氏物語大成索引が1953年、徒然草総索引が1955年、そして紫式部日記、更科日記、その後に、竹取物語、古今和歌集などの索引が作られていた。万葉集総索引は、1929‐31年に作られた。これまでの14作品に、平家物語、宇治拾遺物語、新古今和歌集改訂版、3作品を加えて17作品委なっている。それぞれは、サイトによると、次のようである。

http://kasamashoin.jp/2014/05/post_2932.html

古典索引刊行会『万葉集索引』(2003年、塙書房刊)
山田忠雄『竹取物語総索引』(1958年、武蔵野書院刊)
伴 久美「伊勢物語に就きての研究 索引篇」(大津有一編『伊勢物語に就きての研究』所収)(1961年、有精堂出版刊)
西下経一・滝沢貞夫『古今集総索引』(1958年、明治書院刊)
日本大学文理学部国文学研究室『土左日記総索引』(1967年、桜楓社刊)
大阪女子大学国文学研究室『後撰和歌集総索引』(1965年、大阪女子大学刊)
佐伯梅友・伊牟田経久『かげろふ日記総索引』(1963年、風間書房刊)
榊原邦彦・武山隆昭・塚原清・藤掛和美『枕草子総索引』(1967年、右文書院刊)
池田亀鑑『源氏物語大成 索引篇』(1953年、中央公論社刊)
東京教育大学中古文学研究部会『紫式部日記用語索引』(1956年、日本学術振興会刊)
東節夫・塚原鉄雄・前田欣吾『更級日記総索引』(1956年、武蔵野書院刊)
秋葉安太郎「校本大鏡総索引」(『大鏡の研究 上巻 本文篇』所収)(1960年、桜楓社刊)
滝沢貞夫『新古今集総索引』(1970年、明治書院刊)
青木伶子『方丈記総索引』(1965年、武蔵野書院刊)
増田繁夫・長野照子『宇治拾遺物語総索引』(1975年、清文堂出版刊)
近藤政美・武山隆昭・近藤三佐子『平家物語語彙用例総索引』(1996年、勉誠社刊)
時枝誠記『徒然草総索引』(1955年、至文堂刊)

旧版では正宗敦夫『万葉集総索引』によったが新版では古典索引刊行会の索引に切りかえた。

 >分類番号について
すべての単語に国立国語研究所編『分類語彙表』(増補改訂版、2004年)の分類番号を記した。
『分類語彙表』は品詞と意味分野とを組み合わせた形になっている。
品詞としては体の類(名詞)・用の類(動詞)・相の類(形容詞・副詞)・その他の類(接続詞・感動詞など)があり、これに意味分野として
  抽象的関係
  人間関係の主体
  人間活動-精神および行為
  生産物および用具
  自然物および自然現象
が組み合わさる。
分類番号については、CDにて分類番号順語彙一覧を見ることができる。分類項目・番号の全体については、その凡例を参照されたい。一つ一つの項目・番号に古典のどのような語句が属し、また現代のどのような語句が属するかということを、その一覧によって知ることができる。分類番号順語彙表も添えてあるので、それによって具体的なことを承知してほしい。

たとえば「菓子」の番号は1.4340である。[1.]は「名詞」、[1.4]は「生産物および用具」、[1.43]は「食料」をあらわす。14340を検索すると(表では検索をかんたんにするためにピリオドを略してある)、「あをざし(青插)」「かさなりちまき(重粽)」「つばいもちひ(椿餅)」「ふずく(粉熟)」「へいだん(餅餤)」がえられる。(単独の「ちまき」は用例がなく、「かいもちひ」「もちひ」は「料理」にある。)


また別冊としているものを次に公開している。

 別冊をインターネット公開(PDF)
○古典語の統計と意味...宮島達夫
http://kasamashoin.jp/shoten/miyajima.pdf

○Excelによる『日本古典対照分類語彙表』データの活用...小木曽智信(国立国語研究所准教授)
http://kasamashoin.jp/shoten/togiso.pdf


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