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日本語教育史(18) ゴロブニンと日本語

2013-07-07 | 日本語教育の歴史
日本語教育史(18) ゴロブニンと日本語

日本語観について、西洋人の日本語発見に、記述の引用がある。

ゴロブニンは、日本幽囚記 を書いた。1816年である。
魯西亞人艦長であったが日本人に捕えられ、1811年に取り調べを受けている。

えぞ松前、野作と書く、野作松前に派遣された通訳は光太夫にロシア語を習った、馬場佐十郎であったが、獄中のゴロブニンについてさらにロシア語を学んだという。
艦長ゴロブニンの手記には、日本国及び日本人論 があり、そこに日本ついての当時の様子を記している。

日本人の礼儀、勤勉はそれまでの宣教師たちの見方に通ずるが、興味のある記述は日本が外に及ばない幕府の政策を近隣する東洋諸国は典型があったと感謝しろというような言及である。
日本国民を、聡明犀利、模倣力、忍耐強く仕事好きと評して、自国の大帝が統治するに比してのその日本国民の将来を慮っていることである。3年間の囚われ、その観察は幽囚されている身にありながら何を思ったのだろうか。日本語の観察の鋭さに同様の思いを持つ。

日本語について、次のように述べる。

>日本語は外国語から伝来した言葉ではなくて、遠い遠い祖先から伝わって来た言語である。彼らはこの祖先をクリール人と共通の祖先だと思っている。  122ページ。

千島列島、カムチャッカのクリール諸島のことである。

>しかし日本人は昔から支那人や朝鮮人やその他の国民とたびたび交通していたので、これらの民族から多数の言葉を取り入れ、それが今では日本固有の言葉となっている。それと同様に幾つかのヨーロッパ語も日本に入っている。たとえば日本人はサヴォンといい、釦はブトン、煙草はタバコという。

続く)

ゴロブニンは1813年松前から釈放、帰国する。1831年ペテルブルグで、悪性コレラで急逝する。1776年生まれ。





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