面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ナイロビの蜂」

2006年06月11日 | 映画
活動家の妻と外交官の夫。
事故死とされた妻の死に疑問を持ち、謎を追ううちに明るみに出る製薬会社のとんでもない陰謀と、妻の深い愛情。

直情型の妻と、代々外交官を輩出してきた名門出身の穏やかな外交官の夫。
対照的なカップルは、しかしお互いに無い部分を補い合うように深く融和し、大きな愛でお互いを包みあっている。

触れてはならない闇に立ち入り、やはり殺されていた妻を追い、自分も殺される夫。
二人の遺志は仲間に引き継がれ、陰に蠢いていた巨悪は白日の下へとさらされていく。

夫婦の深い愛情という主題は間違いなく感動的ではあるが、当り前のことでしょう?そんなもん、というのは、やはりひねくれすぎているのだろうか。
個人的には、自ら死に臨むシーンが受け入れられずに入り込めなかったが、製薬会社がアフリカを“食いモノ”にしているという話には、さもありなんと思いつつ、憤らずにいられない。
「ホテル・ルワンダ」でも描かれていたが、白人社会によるアフリカ“軽視”の事実。
唾棄すべき現実がそこにある。

ナイロビの蜂
2005年/イギリス  監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ