確か米朝師が「鹿政談」のマクラでやっていた小噺。
有名な奈良の大仏さんの目が、内側に落ち込んだことがある。
近々法要があるというのに、大仏さんの目玉が、中へぶらんと垂れ下がったまま。
下から見るとちょうど目の部分に穴が空いたままになっていて、なんともお気の毒な…。
「えらいこっちゃ。足場を組んだりしてたら、2日や3日で修理でけん。どないしたもんかいな。」
大騒ぎになった。
そこへ、子供を一人連れた職人がやって来た。
「わしが10両で請けおうてやる。」
「10両!そやけど、早よできるんやったら頼むわ。で、どれくらい日にちがかかる?」
「何日もいるかいな。ほんのいっとき(一刻)もあったら十分や。」
「ほんまかいな?そやかて足場組んで…」
「足場も何もいらん。10両くれるんやったら今すぐとりかかるが、どないや?」
「わかった。すぐに直してもらえるんやったら安いもんや。今からやってくれ!」
10両受け取ると男は、先に鉤の付いた縄を取り出して、ぐるぐるぐるぐる振り回したかと思うとツーッ!と投げる。
すると、縄の先についた鉤が大仏さんの目の縁にガッと引っかかった。
縄のこちら側の端を、かたわらの柱にしっかり括りつけると、子供に向かって
「行け!」
と合図した。
子供は、スルスルッと縄を伝って、簡単に大仏さんの目にたどりつく。
大仏さんの胎内には、年中足場が組んであるんやそうで、子供は目の中へ入ると、その足場を頼りに目の縁にかかっていた鉤をポーンと外した。
目玉を内側から起こしてグッとはめ込み、カンカンカンと金槌で縁を叩いて、目玉の修理ができあがった。
ところが、子供は中に閉じ込められてしもた。
「えらいこっちゃがな!どないするんや!」
と皆が見守っていると、子供は鼻の穴からすべり出てきた。
「おぉ!かしこい子ぉやなぁ。」
と皆、感心しきり。
『目から鼻へ抜ける』というのは、これから始まった。
ホンマか!?まあ落語の世界の話。
どっちでもよろしかろうが、事実をご存知の方はご一報を。
紫亭京太郎氏はまだやったことのない噺であるが、バカバカしくも落語らしくて、ちょっと気に入ってたりする。
でも宴席でやっても、大きな笑いは取れんやろなぁ。
有名な奈良の大仏さんの目が、内側に落ち込んだことがある。
近々法要があるというのに、大仏さんの目玉が、中へぶらんと垂れ下がったまま。
下から見るとちょうど目の部分に穴が空いたままになっていて、なんともお気の毒な…。
「えらいこっちゃ。足場を組んだりしてたら、2日や3日で修理でけん。どないしたもんかいな。」
大騒ぎになった。
そこへ、子供を一人連れた職人がやって来た。
「わしが10両で請けおうてやる。」
「10両!そやけど、早よできるんやったら頼むわ。で、どれくらい日にちがかかる?」
「何日もいるかいな。ほんのいっとき(一刻)もあったら十分や。」
「ほんまかいな?そやかて足場組んで…」
「足場も何もいらん。10両くれるんやったら今すぐとりかかるが、どないや?」
「わかった。すぐに直してもらえるんやったら安いもんや。今からやってくれ!」
10両受け取ると男は、先に鉤の付いた縄を取り出して、ぐるぐるぐるぐる振り回したかと思うとツーッ!と投げる。
すると、縄の先についた鉤が大仏さんの目の縁にガッと引っかかった。
縄のこちら側の端を、かたわらの柱にしっかり括りつけると、子供に向かって
「行け!」
と合図した。
子供は、スルスルッと縄を伝って、簡単に大仏さんの目にたどりつく。
大仏さんの胎内には、年中足場が組んであるんやそうで、子供は目の中へ入ると、その足場を頼りに目の縁にかかっていた鉤をポーンと外した。
目玉を内側から起こしてグッとはめ込み、カンカンカンと金槌で縁を叩いて、目玉の修理ができあがった。
ところが、子供は中に閉じ込められてしもた。
「えらいこっちゃがな!どないするんや!」
と皆が見守っていると、子供は鼻の穴からすべり出てきた。
「おぉ!かしこい子ぉやなぁ。」
と皆、感心しきり。
『目から鼻へ抜ける』というのは、これから始まった。
ホンマか!?まあ落語の世界の話。
どっちでもよろしかろうが、事実をご存知の方はご一報を。
紫亭京太郎氏はまだやったことのない噺であるが、バカバカしくも落語らしくて、ちょっと気に入ってたりする。
でも宴席でやっても、大きな笑いは取れんやろなぁ。