面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

嗚呼、誉めぞこない

2006年06月13日 | 野球
むむむ…

3日連続お立ち台に立った鳥谷。
いよいよ待望のヒーロー登場か!?と誉めそやした4日のホークス戦。
勇んで甲子園に足を運んだにも関わらず、目の前の鳥谷は、タコなプレーでその日のドインケツ。

月曜のサッカー、ワールドカップ。
前半を終えて1対0。
後半も残り10分をとっくに過ぎていまだリード。
キーパー川口のファインセーブ連発も手伝って、
「今日は川口が立ってる限り、ゴールにボールは入らんな!」
と一人ごちた途端、残り6分で3失点…。

そして今日。
11日の日曜、イエローボックス8段という、一塁ベンチに戻ってくる選手一人一人の表情がハッキリと見える絶好の席でのライオンズ戦。
延長11回裏、久保田に代打スペ砲投入で後が無い場面ながら、1・2塁のチャンスにピンチヒッターとして登場した今岡。
外角の投球にくらいつくようにしてバット一閃。
打球がライトの頭を越え、感動のサヨナラヒット!
これで今岡もチームも、上昇気流に乗るはず♪
と、勝利に酔いしれた試合の次が今日の楽天戦。
今岡は初回のヒット1本だけ。
チームは15安打7四球とランナー出しまくりも15残塁の非効率な攻撃。

もう絶対に誉めへんからな!
どいつもこいつも、どないなっとんねん!?

「勝ち運」と「走らない走塁」

2006年06月13日 | 野球
すぐそこに選手が!(藤川がキャッチボール)


日が経ってしまったが、6月11日の西武戦、阪神ファン仲間から譲り受けたチケットで、イエローボックス8段という、選手の表情までハッキリわかる抜群の席で観戦した。
ちなみに、この辺のボックス席で観戦するのは2回目。
とはいえ、前回というのは、タイガースに竹之内がいた時代。
(昭和54年か!?)
今もハッキリ覚えているのは、その日は広島戦で、最終回にリリーフエース江夏から、竹之内が逆転サヨナラスリーランをかっ飛ばして勝ったということ。
(だから竹之内がいた時代、という言い方になる)
この席には「勝ち運」があると、勝手に解釈して臨んだのだった。

そして見事、今岡のサヨナラタイムリー!
やっぱり勝ち運は生きていた!と確信した試合となった。

しかしこの試合、チームに勝ち運をもたらしたのは今岡ではなく、中村豊である。
私見であるが、去年の“あの中日戦”以来、彼にはここぞというときの勝ち運がついている。
この試合も8回、先頭打者の鳥谷が二塁打を放ち、ようやく同点機が巡ってきたところで代打として登場。
このミエミエの“ピンチバンター”という難しい役どころで、見事三塁線へ死んだ打球をころがした。
我々スタンドのファンは
「よっしゃー!よう決めた中村!!お見事!!!」
と、ベンチに戻ってくる中村を大きな拍手で迎えようとしたそのとき、あれ?鳥谷が2塁にいてるやん!?え?なんで???という狐につままれた状況に陥れられた。

この真相は、実は翌日のニッカンスポーツで知ることとなった。
事前に吉竹コーチと、「捕手前のボテボテと投手への強いバントのケースは三塁に行くな」と打ち合わせたとか。
そうは言っても三塁に行きたくて仕方ないのが野球選手の本能。
しかしそこで見せたのが鳥谷の冷静な判断力。
中村の三塁方向へのバントはうまく転がったのだが、西武内野陣の猛チャージと守備陣形から「シフトが見えた」という鳥谷は、これは確実にアウトになる瞬時に見極め、二塁を飛び出したものの途中でやめて帰塁。
あまりにも何気ないプレーで、球場で見ていても何食わぬ顔で二塁にいる鳥谷に「??」だったのだが、「走らない走塁」というプレーであったとは、その場では全く気付かなかった。

話を再度中村の勝ち運に戻すと、圧巻だったのが10回表。
「久保田劇場」の渦中で2アウトながらランナー2塁の場面。
ワンヒットで勝ち越し点が入ってしまう。
バッター高山がバット一閃、「カーン!」と乾いた快音を響かせて鋭いライナーがセンターへ!
「あかん!とうとうやられてしもたーっ!」
と頭を抱えて叫んだそのとき、背走しながら落下してきた打球に飛びついた中村のグラブに、ボールがすっぽり!!
もんどりうって倒れこむ中村を確認した2塁塁審嶋田の腕が上がって「アウト!」

狂喜乱舞したのは言うまでもない。
その裏、2度目の打席が回った中村に期待したが、結果はピッチャーゴロ。
前打席の送りバント失敗のサードゴロに続いての凡打に、打率を.333へと下げてしまうこととなったがご愛嬌。
西武の方を向いていた勝利の女神をタイガースへと振り向かせたのは、間違いなく彼である。

そして、その波に乗れたのが今岡だ。
中村豊の「勝ち運」と、やはり際立つセンスをみせる鳥谷の「走らない走塁」が導いた勝利。
いやー、野球はやっぱり奥が深くて面白い!