面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「健康診断」

2006年06月21日 | 落語
これも題名はこれでエエのかな?と思いながらの小噺。

ある男が体調を崩して病院へ。
診察のあと、医者がアドバイスをくれる。
「ええか、君。これからワシの言うことをきいて、1ヶ月後にまた来なさい。1ヶ月ちゃんとしてたら良うなるから。まず、ご飯は腹八分目にするように。君は大食いやということやけど、いつも腹いっぱい食べるのは良うない。必ず腹八分目くらいでおいとくように。それから、酒も日に2合まで。酒好きやということやけど、飲みすぎはいかん。飲んでも2合まででおいとくように。それとタバコは日に3本まで。ええか、ワシの言うたことを守って1ヶ月したらまた見せに来なさい。」
男もいっしょうけんめい医者の言うことを守っていると、体調が良くなってきた。
1ヵ月後、また医者のところへ行って、
「先生!おかげさんで、すっくりと良うなりました。ありがとうございました。」
「そうか、それは良かった。どうや、ワシの言うこと守るのは辛かったか?」
「へぇ、辛かったでっけど、1ヶ月キッチリ守らなあかんと思て、必死でやりました。」
「そうかそうか。それで何が一番辛かった?君、大食いや言うてたからな。ご飯を腹八分目というのは辛かったか。」
「いや、まあ始めのうちはしんどかったでっけど、そのうち慣れてきて大丈夫でしたわ。」
「そうか。ほな酒を日に2合まで、ちゅうのは辛かったか?君、酒好きや言うてたさかいにな。」
「いや、それもまあ、ガマンでけるようになりましたけど、タバコ日に3本ちゅうのが一番辛かったですわ。」
「ほぉ、そんなに辛かったか?」
「へぇ、なんせ普段吸わんもんで。」

紫亭京太郎氏は会社の宴席でたまにかけてきているが、どうもハズした記憶がない。
よく考えると結構ウケているネタである。
まあ氏もこのネタは好きなのだが。
艶笑小噺集の中で、笑福亭松喬師が演じて面白かったので、持ちネタとしたものである。
(松喬師のプレイとは、もちろん相違はあるが)