昭和20年-2
ここで「太平洋戦争」を今一度おさらいしておく。
【戦い済んで日が暮れて~】
昭和16年12月の「開戦」から3年9ヶ月、昭和12年の「日中戦争」から数えれば9年、さらに昭和6年の「満州事変」まで遡ると実に15年に及ぶ長い戦争が日本の大敗北でようやく終っている。
ここに、“日出る国・日本帝国”は崩壊したのである。
では、「日本敗北の要因」は何であったのだろうか?・・・
第一にその戦争計画の無謀極まる失策にあるように思う。日中戦争の泥沼に踏み込んだまま、貧弱な経済力を無視して、我が身の丈の十倍以上の経済力を有する強大国家との長期に及ぶ対決を余儀なくされたことである。
具体的には、潜水艦や飛行機による海上交通の封鎖で日本商船は壊滅し、日米両国の戦争能力の不均等を拡大させ、やがては日本経済を破綻に追い込んだ。
他方、封鎖と並行する連合国の軍事作戦の圧力は、日本の陸海空戦力を次第に消耗と崩壊の一途をたどらせるに至ったのである。
専門書によると、「戦争の帰結は本土爆撃以前の(昭和19年末)に、既に太平洋上または外郭防衛線上に決定されつつあった。本土空襲は日本敗北の基本的原因ではなく、日本の敗戦は本土戦略爆撃が開始される以前に既に確定的となっていたのである。
加えて、連合軍の潜水艦と飛行機の攻撃による日本商船の莫大な損失、日本軍の陸海空三方面における相次ぐ軍事的敗北、原爆と通常爆弾による空からの攻撃、ドイツの敗北、ソ連参戦の衝撃など、一切が相合して日本に降伏を余儀なくさせた」とある。
では、この戦いによるバランスシートはどうなっているのだろうか?・・以下の如しなり。
【太平洋戦争・負債勘定】
1、人的損害 ・・・全戦没者310万人以上(日中戦争死没者18,9万人含む)
① 軍人・軍属の戦死・行方不明:240万人(陸軍約183万人・海軍約57万人)
② 空襲・その他による一般市民の死者:70万人(うち原爆による死者:32万人)
2、物的損害 ・・・兵器の損害は当時の価格で700億円
① 軍事的損失:航空機52,700機 ・ 艦艇870隻
② 商船被害:損失814万トン・大破75万トン
3、戦 費 ・・・当時の価格で総額7,559億円(日中戦争以降の総軍事費)
※昭和19年度における軍事費の歳出予算に占める比率は85,5%
4、物的資産被害 ・・・被害総額は当時の価格で653億円
建物・家財道具・港湾・運河・船舶・鉄道・車両・通信設備
とある。
「おわりに」
三百十万に及ぶ人命の損失、おびただしい国富、その他物的の莫大な犠牲や巨大な戦費を注ぎ込んだにもかかわらず、日本は無条件降伏に至っている。壮大な大東亜共栄圏のことも夢のまた夢で終り、辛うじて残された日本本土、そして外地の軍人、軍属及び居留民約七百万人が引き揚げねばならなくなった。 これが敗戦当時の日本の姿である。
“こんな無謀な戦争は決して二度と繰り返してはならぬ”
太平洋戦争の最大の教訓である。
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ここで「太平洋戦争」を今一度おさらいしておく。
【戦い済んで日が暮れて~】
昭和16年12月の「開戦」から3年9ヶ月、昭和12年の「日中戦争」から数えれば9年、さらに昭和6年の「満州事変」まで遡ると実に15年に及ぶ長い戦争が日本の大敗北でようやく終っている。
ここに、“日出る国・日本帝国”は崩壊したのである。
では、「日本敗北の要因」は何であったのだろうか?・・・
第一にその戦争計画の無謀極まる失策にあるように思う。日中戦争の泥沼に踏み込んだまま、貧弱な経済力を無視して、我が身の丈の十倍以上の経済力を有する強大国家との長期に及ぶ対決を余儀なくされたことである。
具体的には、潜水艦や飛行機による海上交通の封鎖で日本商船は壊滅し、日米両国の戦争能力の不均等を拡大させ、やがては日本経済を破綻に追い込んだ。
他方、封鎖と並行する連合国の軍事作戦の圧力は、日本の陸海空戦力を次第に消耗と崩壊の一途をたどらせるに至ったのである。
専門書によると、「戦争の帰結は本土爆撃以前の(昭和19年末)に、既に太平洋上または外郭防衛線上に決定されつつあった。本土空襲は日本敗北の基本的原因ではなく、日本の敗戦は本土戦略爆撃が開始される以前に既に確定的となっていたのである。
加えて、連合軍の潜水艦と飛行機の攻撃による日本商船の莫大な損失、日本軍の陸海空三方面における相次ぐ軍事的敗北、原爆と通常爆弾による空からの攻撃、ドイツの敗北、ソ連参戦の衝撃など、一切が相合して日本に降伏を余儀なくさせた」とある。
では、この戦いによるバランスシートはどうなっているのだろうか?・・以下の如しなり。
【太平洋戦争・負債勘定】
1、人的損害 ・・・全戦没者310万人以上(日中戦争死没者18,9万人含む)
① 軍人・軍属の戦死・行方不明:240万人(陸軍約183万人・海軍約57万人)
② 空襲・その他による一般市民の死者:70万人(うち原爆による死者:32万人)
2、物的損害 ・・・兵器の損害は当時の価格で700億円
① 軍事的損失:航空機52,700機 ・ 艦艇870隻
② 商船被害:損失814万トン・大破75万トン
3、戦 費 ・・・当時の価格で総額7,559億円(日中戦争以降の総軍事費)
※昭和19年度における軍事費の歳出予算に占める比率は85,5%
4、物的資産被害 ・・・被害総額は当時の価格で653億円
建物・家財道具・港湾・運河・船舶・鉄道・車両・通信設備
とある。
「おわりに」
三百十万に及ぶ人命の損失、おびただしい国富、その他物的の莫大な犠牲や巨大な戦費を注ぎ込んだにもかかわらず、日本は無条件降伏に至っている。壮大な大東亜共栄圏のことも夢のまた夢で終り、辛うじて残された日本本土、そして外地の軍人、軍属及び居留民約七百万人が引き揚げねばならなくなった。 これが敗戦当時の日本の姿である。
“こんな無謀な戦争は決して二度と繰り返してはならぬ”
太平洋戦争の最大の教訓である。
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