安倍晋三首相が「杉原千畝の勇気ある行動は日本人の誇り」と言ったらしい。
【 安倍首相の発言の詳報 】
杉原さんが偉いのは日本政府・外務省にたてついたからだということを、どうやら安倍さんは忘れているのだろう。政府側の人間としては、松岡洋右外相による訓令に違反したかどで彼を外務省から追い出したことを先ず恥ずべきだろう。つまり、そのときの日本政府が人道的立場に立っていたならば、杉原氏の行為は美談でもなんでもなかったということをころっと忘れてはならない。 河野外相がこのことを謝罪し正式に名誉回復が図られたのは1991年になってからのことである。
つまり、祖国日本は杉原氏の行為に対して長い間冷淡であった。つまり、日本政府を支えていたわれわれ日本人が彼に冷淡であったことを意味するのである。ところが、彼に救われ生き延びたユダヤ人が彼を探し当て、イスラエル政府が彼のことを顕彰すると、手のひらを返したように、彼の功績をまるで日本人全体の手柄であるかのように勘違いする。頓珍漢な話である。彼の功績に対する栄誉は彼一人のものであり、日本人たる私たちのものではない。ある意味、日本人の一人として恥じねばならぬ性質のものでもあるのだ。
もし、杉原氏の行為を称揚するのであれば、助けを求めてやってくる難民に対して、日本は一貫して冷酷であったことの説明がつかない。
難儀をしている人々がいたら、杉原氏のように手を差し伸べる。それでこそ正義人道というものだろう。シリア難民を危急から救うために、カナダはチャーター機を飛ばして2万5千人もの難民を受け入れた。ドイツはもっと大勢の難民を受け入れている。だが日本だけは一貫して知らんぷりである。
そんな国日本の宰相が安倍さんである。「杉原千畝の勇気ある行動は日本人の誇り」とは、どの口で言えるのか。