ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

ブレナム海岸(NZ)に、ナラボー平原(AUS)を想う。

2014年12月06日 | 自転車の旅 海外
風に吹かれて導かれるまま、北に向けて走ってきました。
いまブレナムにいます。
ようやくインターネットを使える環境になりました。

クライストチャーチから5泊6日、
ひたすら東海岸を北上してきました。

北風が吹けば、
向かい風だけど暖かくて青い空。

南風が吹けば、
追い風だけど冷たく鉛色の空。

というふうに、
天気もまちまちな6日間でした。

先月と同じルートを辿ったのですが、
飽きるということがありません。

クライストチャーチから北へ60km、
ワイパラという村まではカンタベリー平野が続き、どこまでも牧場と、ぶどう畑が広がります。
ワイパラからカイコウラまでの100kmは、
山と谷の連続がどこまでも続きます。

カイコウラ前後の100kmは、
ひたすら砂丘の連続と海岸線。
北海道のサロベツ原野に似ています。

海岸線が終わるとその先70kmくらい、
再び山と谷の連続が続き、
やがてブレナム海岸に至ります。



クライストチャーチ市内には自転車専用信号機があるんです。
信号に近づくと感知して青に変わる!
おおお!


市内を南北に走る鉄路の脇に自転車専用道があり市街地脱出に良いのです。


クライストチャーチ郊外のカイアポイ。
おしゃれな海辺の住宅地です。


カンタベリー平野を北へ。
貨物列車が走ってきました。


ニュージーランドといえば、
ピックアップトラックでしょ。
しばしば荷台に牧羊犬が乗ってます。


いつもお世話になってます!
チェビオットのパブ。
ちなみに、Hotelとは酒場のこと。
アコモデーションと書いてあれば泊まれます。

パブの部屋はモーテルの半値程度、バックパッカーズのシングルくらいの値段です。
いわゆる「ホテルのフロント」がないので、バーカウンターで一杯引っかけながら宿泊を申し込みます。
「部屋ある?」みたいに。

2014年現在、いまやモーテルは軽く1万2千円くらい。円安と物価と消費税増税のトリプルパンチをまともに食らってざっと10年前の3倍!
大名旅行かリゾートか!
そんな大盤振舞いが出来る身分でもないので、そうそう泊まれません。
出来る範囲で節約します。


俺たちの味方、フォースクエア!
主に田舎町にあります。


俺たちの味方、ワッチーズ!


パスタの缶詰なんです。
茹ですぎてユルユルなパスタ。(笑)


贅沢なソーセージ入りでござるよ!


面白い雲だなあ。


ニュージーランドの道は山と谷。
つまり峠の連続であります。
それでも南島は北島よりはだいぶマシ。


やっと海辺に出た。
カイコウラの南20km.OAROにて。


南風がもたらした冷たい霧雨に揉まれながら、
ひたすらチャリチャリ…


なんにもない…。
こういうの見つけたら、ありがたく転がり込みます。
信号所、っていうのかなあ。


なんにもないところに、教会。
たぶん開拓時代には村があったのかな。


ひたすら、


ただ、ひたすら北へ…


英語、英語、英語。
10分も読めばぐったり…
よく眠れる。


かつての道路・鉄道併用橋。
道路、剥がしてますね。
右手に新しい橋が見えます。


数年前まではココを走ったのですよ。
似たような橋が各地にあったんですが、
姿を消してしまいました。


ブレナムが近づき広大な湿地、干潟が目立ってきました。
あれ~、オーストラリアのナラボー平原そっくり。

ただ、ナラボーは干潟ではなく、土漠でした。
気温20~30度、雨少なし。
ただひたすら、平坦な土漠が2,000キロ近く続く、ほんとに、
ひたすらな所でした。


似てるなあ。
ワラビーが走ったり、ラクダがいたり。
いないって!


このナラボー平原、走破横断することは困難なイメージがありますが、
実は、楽勝だったりします。

だって、平坦なんだもな。

50~100kmごとにロードハウスがあり、ガソリンスタンドにカフェや売店や宿泊が併設されており、さらには20kmごとにキャンプに適した駐車場RAがあり、何も困らなかった。
事前に調べたときは食糧入手が困難とか水がないとか、まるで辺境の探検みたいなことを書いてるブログを見てしまい、
かなりビビって食糧と水を満載で走り出したんですが、

いやいや実は毎日ステーキサンドイッチ食べてます~、みたいな。(笑)

んもー。

チャリダー諸君、

頑張ってる俺!
チャレンジする俺!
凄いことしてるぜ俺!

みたいな主張したがるかなー?

毎日ステーキサンドイッチ食べましたよ~って
正直に書いてもいいじゃん。(笑)

なんて思います。

あらかじめロードハウスに食糧を郵送したとか、
車で先行している友人に食糧を埋めてもらい掘り出して使用とか、

なんなんだよ。
「恐るべき空白」のリメイクかよ。
ビビるじゃねーか。

困難に見えて、実は楽勝だった
ナラボー平原。

初心者チャリダー諸君、
まずはニュージーランド。
そしてナラボーだ。

毎日ステーキサンドイッチ食えるし、
コーラ飲める。
スパムの缶詰とかチョコレートクッキーとか、
萎びたバナナやニンジンで良ければ売ってるから。

ただし、

実は、ナラボー終わって海岸線沿いにパースを目指すルートのほうがよほど困難でした。

インド洋の、なんと遠かったことか。
でもそれだけに、
インド洋の玄関口かつ、
南極観測船最後の補給港である
フリーマントルに着いたときの喜びというか、
安堵。

インド洋の生牡蠣、なんと美味かったことか!

ブレナム海岸を眺めながら、暖かな向かい風に向かってペダルを踏みながら、
そんなこと思い出しました。


ムール貝でも食うかな。