ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

南緯46度強風地帯はチャリダー泣かせ ダニーデンからインバーカーギルへ ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月18日 | 自転車の旅 海外


南緯46度を越えた。
ダニーデンは南緯45.86だったのだが、
モスギルを経て南に向かって走るうちにいつの間にか南緯46度に突入していた。


ブログが遅れて滞る一方だし、
「長文でくどい!」との苦情もあるので、今回はサクッと済まそう。

この区間のレポートは、
このブログのカテゴリー
「自転車の旅 海外」の中にある
「ニュージーランド」で過去から何本か見つかるはず。
毎回同じようなことを書いているから、
参考にしてください。(情報を必要としてる人だけ)

補足。クルマの人!
やたら警察多いから注意。パトカーには前後にレーダーが付いていて、すれ違いでも捕まるから。

モスギルを出たら、サウスランド地方。
ニュージーランドの最南端地域になる。

全地球的に見ても人が居住するかなり南の地域に位置し、
実際に、最南端の町「インバーカーギル」
(南部ではスコットランド訛りが激しいのでインバーカーゴと発音する)
には、世界最南端の◯◯がいくつもある。

世界最南端のスタバ
世界最南端のマクドナルド
世界最南端のバーガーキング
世界最南端のサブウェイ
世界最南端の日本料理店

など。
どうでも良さそうな世界最南端がいっぱいだ。

いや、南米チリの「プンタアレナス」(南緯53度)が最南端でしょ?
いやいや、マゼラン海峡を挟んで向かいのフエゴ島にある「ウシュアイア」が最南端でしょ?

いや。
そこには、スタバもマクドナルドもないんです。だからインバーカーゴに。
すみません。(なんで謝ってんだろ俺)

実際、どうでもいい。
まあしかし、
面白そうだろ?

とりあえず南に向かおう。


目立った峠もなく快適に走る。


俺を見て逃げ出す羊。


どこまで逃げる?
そんなにキモイかな俺?


数十キロごとに小さな町。


クルーサ川に架かる橋。
バルクルーサ


バルクルーサ近くで、
古いガイド仲間(北海道富良野でラフティング会社を経営している)とばったり遭遇。
地球は狭いな。


この季節は菜の花を至るところで見かける。


牛は見た!


円陣を組む牛。


強風地帯に突入。


サウスランド地方は天気も滅茶苦茶だ。


雨にやられた。


クリントン。(町の名前)


ゴア近く。(町の名前)
天気めちゃくちゃ。


風、強い。


悲惨。


もう無理。
チャリダー泣かせのサウスランド地方なのだ。











ダニーデン脱出は容易ではないのだ。 ダニーデン ー モスギル ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月17日 | 自転車の旅 海外

ダニーデン脱出は容易ではない。

ダニーデンから隣町モスギルに抜ける、
事実上のダニーデン脱出経路は、
3通りの方法がある。

代表的な経路は
「3マイル・ヒル」を経由する16km。
最短かつ、市街地を突破しない。
しかし。
ヒルと言うからには昼だろうが夜だろうが、「ヒル」つまり峠越えの道なのだ。

つまり、3回くらい
「参った!」
「参りました!」
「降参!」
スリー・マイル
3・参る
三回くらい降参したくなる峠越えなのだ。

また坂かよ。
回避したい俺。



そもそもダニーデンは坂多すぎ。
振り向けばそこは坂。
もーやだ。



いくら近くても三回参りたくない俺は、
隣町モスギルまでの距離35kmの「メインサウスロード」を選ぶ。
市街地を縫うように、現在の国道(ダニーデン付近は自動車専用道路なので自転車進入禁止)の旧道をいくのだ。

善は急げ。
ダニーデンの町はさっさと素通りして、
と言いたいところだが、
「ダニーデン駅」を通りがかってしまったので、
ちょっとだけ立ち寄っていく。



すぐ、遠近法をやりたくなる俺。



鉄道っていいよね。



すぐ自撮りしたがる俺。



ガラスに写った姿も自撮りしたがる俺。



ダニーデンはスコットランド移民が拓いた町。この駅など完全にスコットランドだ。
欧米か!?



確かに「小樽」って書いてある。
距離も妥当。
日本の代表は東京じゃなくて「小樽」なのだ。



ダニーデン脱出。



これを探しながら進む。↓


標識を見落とさないように注意注意。↑
慣れてはいるはずだが、
多少の道迷いをしながら、iPhoneで確認しつつ進む。



住宅街のなかを進む。
登ったり、下ったり、忙しい。



高速国道の脇道みたいなところもある。



標識を探して進む。↑



たまたま見つけた、
『これまたストリート』
出口なし。

途中から、



道の名前が、
・サウスロード
でもなく、
・メインサウスロード
でもなく、
・メインロード
でもなく、
・モリスロード
に進むようにと標識は示す。



モリスロード。
これまた、
森ですロードやん。



これまた、峠かいな…



これまた峠は、標高133m。



西の方から、
これまた怪しい雲が近づいてきた。
まだ早い時間だけど、次の町までは40km以上ある。
空模様を鑑みて、本日はモスギル止まりとする。

宿を訪ねるにはまだ早すぎる時間なので
公園で昼寝をしていたら急に肌寒くなり、場所を変えてNew World(スーパー)でゆっくり買い物をした。

スーパーを出たら、真っ暗だ。
朝は快晴だったのに、空はいつの間にか鉛色。今にも雨粒がドッと落ちてきそうな気配。


宿に入る。

部屋に入って落ち着く間もなく、
本格的に雨が降り出した。









殺戮山を行く ダニーデン、マウントカーギル越え ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月13日 | 自転車の旅 海外
君は、生き残ることが出来るか?

それはさておき。
きょうの行程は僅か42km。
しかし、この中に2つの山越えが含まれる。

1つ目
Kilmog hill 230m
2つ目
Mt.Cargill 400m

ところで。
俺は目が悪い。
ハズキルーペの人なのだ。

そんな俺は、ほんの先程まで、
Kilmog hill
を、
Killing hill
だと思っていた。

なんて名前なんだよ気味悪いな。
マジで思っていた。

このブログを書くためにメガネをかけて、
ようやく「勘違い」に気づいた次第。

Killing hill
殺戮山とか、
皆殺しの山とか、

大藪春彦かよ。

もういいから、
…先に進もう。

雨上がりのワイコウアイティ集落を出発した。

カントリーロードだ。
すぐに1つ目の山越えが始まる。

その、1つ目の山越え「殺戮山」にはピークが3つある。

1つ目と2つ目は、標高200m付近で、
ちょっと下ってはまた登る。
上の写真のように、何の特徴もない。
メインのピークは230〜240mくらい。

もちろん殺戮されない。

山を下るとワイタティ村。
入江が見えてくる。

ほとんど海抜0mまで下って、また次の山に登るわけだ。

ワイタティの遠浅な海

ダニーデンからやってきた観光列車がいた。

沸いたティー(マジ変換)もとい、
ワイタティ村から先、
国道1号線は自動車専用道路になるので
自転車は旧道を走行する。
その案内板はわかりやすい。

見覚えのある小屋。
思い出がある。

30歳代半ばの頃、ビショ濡れでここを通りかかった俺は、この小屋で雨やどりをしていたのだ。

そのとき、
この裏の家に住むお爺さんに、
「うちに来てお茶でも飲んで休んでいきなさい」と、声をかけられた。

そういう御恩は身に染みるし、
いつまでたっても忘れないものだ。

そのときは、この「アート」はなかったなあ。

さあ行こうマウント・カーギル!

マウント・カーギルロードは牧場のなかを進む。

あまり急坂ではなく、だらだら長い。

日本の山道に似たような感じ。
急がす、だらだらと登る。

こんな山道、日本にはよくある山道。

早歩き程度の速度(時速4〜5km)でゆっくり登ったら楽。交通量はほとんどない。

標高350mを超えたら台地の上に出てきた感。

エニシダが猛烈に繁茂している。
特定外来種で、環境省は駆除に苦慮しているそうだ。

ニュージーランド全土を覆い尽くしている上、枯れにくく、薬剤に強く、繁殖力、生命力、ともに半端ないそうだ。

マウント・カーギル道の頂上付近は牧歌的な美しい村だ。
決して急峻で厳しい山岳地帯ではない。

羊が戯れるマウント・カーギル。

ここが最高標高地点。
出発からちょうど4時間。
ランチ休憩、自転車メンテ休憩込み。
変なもの写ってるけど勘弁。

ダニーデンの海が見えてきた。

ここからは、結構な勾配でダニーデンの町へ、真っ逆さまに下っていく。

ギアを2-7あたり、ブレーキは前3後7くらいの割合で握る。

前ブレーキは緊急の時の保険で取っておく感じだ。

長い下りなので万事油断禁物。
日本の道のようなわけにはいかない。
アスファルトは粗く、
至るところに小石が浮いている。
小さな穴もある。

勾配が急で、油断すると時速60に達するから気が抜けない。
カーブも頻繁にある。
時速50を超えないよう注意する。
また、路面状況にも気が抜けない。
万一にも穴を拾ったら一発でアウトだ。
大転倒するだろう。

殺戮されかねない。(しつこい?)

そんな、
緊張のダウンヒルを終えてダニーデンの町に吸い込まれた。

地元のチャリダーなどのGJな視線がこそばゆい。
マウントカーギルロードを下ってきた旅自転車に寄せられるGJ。
なんか嬉しい。

都会は久しぶり。

きょうの宿に着いた。
ダニーデンの中心に近いバッパーなのだ。

ちなみに、
バッパーとは、「バックパッカーズ・ホステル」のことで、日本ではゲストハウスと呼ばれている格安宿泊施設のことを指す。

ただし欧米ではゲストハウスといえば大きな邸宅に泊まる2食付き、
屋敷の主人のおもてなし、
豪華な食事というプレミアムな宿泊施設のことをいうのでご注意なのだ。

もしうっかり、「ゲストハウスに泊まりたい」なんて言うと一泊3万は下らない。

それにしてもなんで日本では
「ゲストハウス」っていう名称にしちゃったんだろ。バッパーでいいのに。

ちなみに、旭川には「バックパッカー」という名のオートバイ屋がある。しかもBMWの契約店である。もう、わけがわからない。

久しぶりに腹いっぱい米のメシを食い、
満足満足。

3合の米に「ヒガシマルうどんスープの素」を入れて炊いたら具のない『炊き込み御飯』が出来た。
乾燥ネギを振りかけて、これまたうまかった。

もう、
食ったから寝る。

日が暮れる頃になって、
ダニーデンは雨が降り出した。



2016年のカーギル山越えの話
「雷様と俺」




ニュージーランドの天気予報が当たるようになってきたぞ ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月13日 | 自転車の旅 海外

最近、
ニュージーランドの天気予報が当たる。

なんでもないようなことだけど、
驚くべきことだ。

以前はというと、

kiwiの性格そのもので、

まあまあ、
たぶんそうなるよ
気にしないで


こんな感じだったと思う。
たぶん。

それがまあ、
近年は当たる当たる。
時間予報まで、結構な高い確率で当たる。

昨夜はこうだった。
「明日の朝の8時前後は雨」
というポイント予報。

当たった。

ポイント予報だよ!
マジかkiwi

最近、当たるなあとは
薄々感じてはいたが、
まさかココまでとは。

今朝は、
朝、目覚めると
空はどんより鉛色で重たかった。
朝メシのトーストをむしゃむしゃ食っていたら、
そのうち雨が降ってきた。

やべえ!出発できないやん!
と焦っていたが、
きょうの天気予報の、

「午後は一時回復」
「ボチボチな天気」

に僅かな期待を持ちつつ待っていたら
まもなく本当に雨があがり、
しばらくしたら
空に青さが見られるまでになってきた。

これならば出発できる。
風もまずまず。

きょうはダニーデンに向けて山を2つ越えなければならない。
大した山越えじゃないけどボクはこの山越えと相性が良くない。

すぐ雨が降るし、ある年など
雷にやられた。
そのときのブログ
山の雷ほどやばいものはない。
マジ死ぬかと思った。

だからダニーデン入りにはトラウマがあり、
慎重にも慎重を期すようにしている。

さあ出発だ。

夕方には本格的な雨になるという。
その前に、
マウントカーギル(カーギル山)をやっつけよう。

ニュージーランドの天気予報を信じて。









旅は『うねうね』なのだ。 オアマル - モエラキ ボールダー - ワイコウアイティ ニュージーランド南島自転車の旅 

2019年11月12日 | 自転車の旅 海外


オアマルに3泊してようやく晴れた朝を迎えた。
風もいい。チャリダー日和。

楽しかったオアマルの宿を出て
国道1号線に合流する。

そしていきなり、

登り坂の洗礼を受ける。
いきなり汗だく。

オアマルの市街地をあとにしても、
国道1号は登ったり下ったり、

うねうね
うねうね

終わりはない。

下り坂の途中で通行規制。

折角の下り坂が勿体ないので、かなり手前で止まってGOを待つ。

ミルク運搬トラックが、ゴオオオオと唸りながら登ってきた。

ハムデンの小さなスーパーマーケットの前にて

同じアングルで写真を撮ってブログに載せたことがある。3年前かな?
そのときはここに雨合羽を広げて干した。

きょうは快晴だから、ノー問題。

この先に、桃源郷あり。

このボートを目印に国道1号を逸れて左奥の道を進めば、

すんごい綺麗なビーチと、
すんごい綺麗な集落があって、
格安なキャビンを備えたキャンプ場があって、
窓は海に向いていて、
おいしいシーフードレストランがあって、
普通の食堂もあって、
キャンプ場の小道を下に降りるとプライベートビーチがあって、
海はグリーンの宝石みたいで、
もう絶対、1週間は滞在したいもんね的なことになってしまうから、涙を飲んで通過する。

説明が、長い!

モエラキボールダー近くの道路沿いの空き地。

やっぱりココに雨合羽を干したことがある。
この季節は不安定だ。

カモメが、

やたらといる。
うるさい。

目つきの鋭いやつ。

よく見るとコッチを睨んでおる。
絶対。

ここで、本日の豪華ランチ。

カモメくる。

気がついたら囲まれた。

ちょっと怖。

貨物列車がきた。

めちゃ長い。

モエラキボールダーの、

まん丸くなりそこねたやつ。

まん丸くなったやつは、

持ち去られて外輪だけが波打ち際に残されている。

パーマストンの
バベルの塔が見えてきた。(正式名称は知らない)

結構凄いところに立っている。

主要国道1号線だけど、

田舎道のように、のどか。

道端に、ルピナスが目立つようになってきた。

ルピナスが咲くと、南島は夏に向かう。
ちなみに外来種の雑草だ。

予定より1時間早く、本日の予定宿泊地のワイコウアイティ集落に着いた。
お天気と、良い風に恵まれたのだ。

町外れのパブで部屋を借りる。
古いけど、全く文句ないない。

明日はダニーデン。
2つ、山を越えなければいけないのだ。

ニュージーランド的には、すごい峠ではないけれど、
やたらと雨が降りやすい。
ボクとの相性はあまりよろしくない。

うねうねはまだまだ続く。

雨よ降るな。
風よ後ろから吹いてくれ。