四季では久々の上演になる「ウェストサイド物語」を見てきました。
なんだか評判悪いんだけど・・・と思いながら見に行きましたが、うーん、なるほどね・・・(汗)
かなり批判的なことを書きますので、劇団四季大好きという方は読まれないことをお勧めいたします。万一読んでしまって気分を害されたらごめんなさい。
「ウェストサイド-」は、宝塚での舞台を2回と、映画をテレビで1、2回見てるかな。
作品としては古さもあって、手放しで大好き、というわけではないのですが、とにかく音楽が好きでして。CDは持ってて、よく聴きます。
多分
これかな? ジャケットは私が持ってるのとは違うんですが。バーンスタイン指揮、トニーがホセ・カレーラスで、マリアがキリ・テ・カナワというすごい録音です。ちゃんと二人ともトニーとマリアの格好で写真撮ってるのがウケたなあ(笑)
これ、録音なんで、全員歌が上手い人なのもいいんですよね(笑)
とまあそんな訳で、作品としては一番ではないけれど、音楽はミュージカルの中で一番好きな作品ですね。(2番は「エビータ」かなあ)
一番好きなミュージカルナンバーは、といわれたら、「マリア」を挙げると思います。
そんな作品なので、色々と不満も出てくるんですが・・・いや、思い入れなくてもあれは・・・
むにゃむにゃ
秋劇場と聞いて「またテープか!?」と思いましたが、生演奏でちょっとホッ。でも秋劇場オケピットできるのかよ・・・とも思ってしまいました。「ジーザス」とか「エビータ」とか「コーラスライン」とかもなぜ生演奏にできないのか・・・
音出しを聴いていたら、まあ東宝のオケよりはいいかな、と思ったのですが・・・いやあ、バーンスタインとクロード・ミッシェル・シェーンベルクの差は大きいんですなあ・・・
なんか管楽器、特に金管がひどかった・・・。唯一ヴァイオリンだけは上手く、パーカッションもまあ問題なかったのですが、管は全般的にひどかったなあ。
木管の音程が合ってないのもひどかったけど、やっぱり金管ですよ。
ソロで音を外すとかそういうレベルじゃなくて、バックで吹いてるだけでもう音が邪魔というか(汗)
唯一ヴァイオリンは上手かったので、弦とパーカッションだけだと問題ないんですが、金管が入るとなんかがっくり、という感じでした・・・
まあバーンスタインは難しいんでしょうけど・・・でも昔宝塚で見た時は、なかなか上手い人集めてたと思うんですけどね。宝塚のオケも普段はそんなに上手くないけれど(見たことはあまりないですが)、さすがにバーンスタインは上手い人を連れてきたんだな、なんて思った記憶がありますから。
序曲を聴いていて全く心が躍らず、この時点でかなり不安が・・・
バーンスタインは難しい、というのはキャストの歌でも思いましたね。
踊りの人だけれど歌もそこそこ歌える人を揃えられたのはさすが四季、と思いましたが・・・
ダンスメインの人たちは仕方ないとしても、トニーは芸大卒の人とか、せめて音大出てる人にやらせられなかったものか・・・
阿久津さんは声も出ていてそんなに下手じゃないし、音符どおりには歌えていたのですが・・・それだけじゃバーンスタインは歌いこなせないんだなあ、と実感しました。
「マリア」をあんなに何にも心に留まらずに聞き流せてしまったのは初めてです(汗)思わず井上芳雄くんの「マリア」を脳内変換で流したくなりました・・・(確かコンサートか何かで歌ってたような)
木村花代さんのマリアが歌いだした「トゥナイト」で、ようやく本来の音楽の良さにたどり着けたように思いました・・・。合格点出せたのは彼女の歌だけだったかもしれません。
ただし、後述しますが、演技的にはちょっと物足りなかったのですが・・・。でも歌は本当に素晴らしかったです。
アニタの樋口麻美さんも良かったけれど、昔見た樹里咲穂さんのアニタが素晴らしい演技だったので・・・あのアニタには及びませんでしたね。
「Somewhrere」のソロの人も今イチでしたね・・・。Somewhereで泣けないなんて・・・ラストの音楽と一緒なので、結末を知っていると音楽だけで泣けるところなのに。なんかここも鈴木ほのかさんが歌うSomewhereを脳内変換したくなりました・・・。(ライヴかコンサートで歌ってて、泣けたなあ)
しかし、今イチだったのは「歌」のせいだけではないですね・・・
以前宝塚で見た時に、さすがに男役の女性が不良少年たちを演じているのには違和感があって、ちゃんと男性が演じているのを見たいなあと思ったのですが・・・
うーん、男性が演じていても変なのね(汗)日本人にはヤンキーの不良少年は無理なんでしょうか・・・
まあ、私は冒頭のジェッツとシャークのやりとりのダンスシーンは、映画で見ても苦手なんですが。なんか「何踊ってんの?」と思ってしまって(汗)
なんか、優等生が不良少年を演じている、という感じが随所に漂っていて、最後まで違和感に苦しみました。
何が違和感って、滑舌よすぎなんですよ・・・。こんなに滑舌良い不良少年なんてあり? という(汗)
なんか、体育館を「たいいくかん」としっかり「い」を二つ発音していたのを聞いた時には座席から滑り落ちそうになりました・・・(汗)
全体的に、いかにも四季のストレートプレイ、という台詞回しで、非常に違和感を感じましたね・・・。いくら50年前の話だと言っても、こんな喋り方の不良少年はないでしょう。クイーンズイングリッシュでN.Y.の不良少年を演じるなんてあり得ないでしょう、という感じ・・・
皆演技が下手なのかな・・・と思ってしまったのですが、それもあるのかもしれませんが、むしろ演出というか演技指導の問題という気もしました。あまりにも皆同じような喋り方なんで・・・。トニーもマリアもアニタもですよ。
そんな中、アクションの西尾健治さんだけが自然な演技をしていたように思いました。彼がああいう演技をできるってことは、やっぱり他の人が上手くないってことなのか・・・?
あと、メインキャストの演技ももう一つでしたかね・・・。
マリアもアニタも、もっと気持ちの入った演技ができるはずだし、そうでないと感動しないんですよね。物語が古いだけに、共感するには熱演あるのみ、というところもありますしね・・・
「ジーザス」や「エビータ」はもっと熱演してるんだから、これは演出の問題ではないと思います。
回を重ねればこのあたりは良くなるのでしょうが、でも今回私が見たのは決して公演が始まってすぐ、ではないんですよね。うーむ。
というわけで、音楽も演技も今ひとつ・・・と来たら、やはり面白くはないですよね・・・
あ、多分ダンスは良かったんでしょうけど、私的には音楽と脚本重視なので、ダンスだけ良くてもなあ・・・です(汗)
以前、久々の再演だった「コーラスライン」を見た時も、キャストの実力不足で「うーむ」だったのですが(汗)あの時はそれでも「次は良くなるかもしれないからまたやったら来よう」と思えたのですが。
今は正直、四季の「ウェストサイド-」はもう見なくていいや・・・という気持ちになってしまいました。残念ですが。