連休はLotRオールナイトの後は「神秘の短剣」三昧・・・と言っていたら、本当にそうなってしまいました(笑)2日で読破しました。と言っても、上下分冊にする必要あるのか?ってくらい薄かったですけど・・・
一気に読んでしまったので印象もまとまらないんですが(汗)とりあえずの感想は、うーん、三部作の真ん中って感じかなーと(汗)
舞台が現実の世界になった分、「黄金の羅針盤」のようなワクワク感?はなくなり、シビアな感じになって行くのですが、一方でまだ本当のクライマックスに至るために伏線を広げている感じがあって・・・
実際、今「琥珀の望遠鏡」を読み始めてますが、いよいよ本題に入った感じというか・・・。章立てとか書き方もいきなり違うし、そもそも厚さが全然違う(汗)
「黄金の羅針盤」も世界観等全くの子供向けではなかったけれど、元気なライラが異世界で活躍するという点において、やはりかなり子供向け、な部分があったような気がしました。
「神秘の短剣」では、舞台が現実世界になった分、事態の深刻さ、逃げ場のなさが感じられるようになったように思います。
そして実際、「黄金の羅針盤」ではイオレク・バーニソンやジプシャンたちや魔女やリー・スコーズビーらが危機には助けに現れてくれたけれど、今回はそんなに助けは現れません。まあ魔女たちは来てくれたけれど最後には・・・だし。
リー・スコーズビーも出てきて嬉しかったけれど、あの結末にはガーン・・・このあたりのシビアさも、「黄金の羅針盤」と違って来ていますね。
そして、今回の主人公、もう一人の主人公でもあるウィルの暗さが、ライラの奔放さとほとんど対照的ですらありますね。
正直、ライラと比べてあまりにもかわい気がなくて、冷静で暗いウィルには、ライラほどの感情移入ができず・・・(汗)
幼い頃から周囲の社会から孤立し、頼るべき母親も7歳の時には守らなければならない存在になり・・・という生い立ちを考えれば、無理もないことなのですが。愛情が足りなかった、過酷な境遇で育った子供は、かわいそうだけれど、甘え方を知らないので、大人から観てとてもかわい気がないものらしいですので、正しい性格付けなんだろうとは思いますが。
それに、ライラと組ませるには、あのくらい冷静でないと無理ですよね・・・(汗)
そんなウィルが、神秘の短剣の守り手に選ばれるという、一見ファンタジーっぽい展開になるのですが、不思議とありがちな感じがしなかったのは、ウィルの暗くて冷静なキャラクターのおかげかもしれません。
そのウィルの冷静さと、自分の失敗のおかげで指を失った、ということが、傲慢なライラに謙虚な気持ちを起こさせ、「自分のためにはもう真理計を観ない」と決意させるような変化を起こさせたあたり、ちょっと感動的でした。
ウィルも、表には出さないけれど、パンタライモンに「ライラは自分よりも勇敢だ。最高の友達だ」と告白するところも、感動的・・・なんでしょうが、なぜかあんまり・・・でした。(そんなにウィル嫌いか?(汗))
まあ、パンタライモンが起きてるってことはライラも起きてるんだけど・・・ってウィルは知らなかったのかなあ?
しかし、あんなに血が出続けてたら、普通出血多量で死ぬと思うんですが・・・(汗)
話の方も、シリーズタイトルのHis dark materialsの意味が半分くらいわかってきたような。でもhisって誰なんだ・・・というのが実は物語の核心でしょうか。
しかし、確かにHis dark materialsを訳すのは難しいでしょうが、「ライラの冒険」はないような気がするなあ・・・(汗)
あと、ダストってそんなに信用していいのか・・・? というのが気になるところですが・・・。
教権の姿と対立関係もだいたいわかってきて面白くなっては来るのですが、このあたりも本当に面白くなってくるのは「琥珀の望遠鏡」に入ってからだし・・・
それに、結局のところ、ライラたちの世界が中心となってるわけ? というのがなんだか・・・ですが。このあたりは最後まで読めばすっきりするかな?
ライラたちの世界がクラシックなのは、時代が違うからかと思ったら、どうもそうではない・・・というのは面白かったです。どうやら教会が権限を握っているところにその理由がありそうな・・・
エレクトリックとアンバーの言葉の意味が逆だったり、とか、違う世界の発達の過程で変わってしまったもの・・・というのも面白かったですね。アンバリックってなんじゃ? という謎も解けたし。単に電気だったのか、というか・・・
アンバー=琥珀と言えば、第三部のタイトルになってますが、このあたり伏線なのかなあ?
そうそう、オックスフォードが舞台になっていたのもまた嬉しかったですね。
ウィルが見つけた窓がある場所、バンベリー通りを北に行ったロータリーのところというけれど、それってトールキンのお墓のあるウォールバーコート墓地に行く途中に通るロータリーでは・・・! 今度行く機会があったらちょっとバス降りてみようかな(笑)
チャールズ卿が住んでるヘディントンも、トールキンの家があったところですね。行ったことあるよ・・・
そう言えばクリストファー・リー様がやってたのってボーリアル卿でしたっけ? それなら続編があったらもうちょっと活躍見られたのか・・・残念。
あと、ライラのオックスフォードの学寮の名前、皆オリジナルなのかと思ったら、こっちの世界にはないところもある、という感じだったんですねー。
ジョーダン学寮は、ベルリオール・カレッジ、ブロード通り・・・というロケーションから考えて、エグゼター・カレッジの向かいのお店とかがあるあたり? とも思ったけれど、「図書館の中庭に面した」なんて描写もあったから、やっぱりエグゼター・カレッジあたりが怪しいかなあと思いました。エグゼター・カレッジの名前は出てなかったし。エグゼター・カレッジ一帯のもうちょっと広い敷地にあった、と考えていいのかなあと。
とまあいつものごとくとりとめのない感想でした。
しかし、このシリーズは買ってそろえてもいいかな、と思ってたのに、結局「黄金の羅針盤」上下と「琥珀の望遠鏡」上だけ買うという中途半端なことに・・・(汗)
とりあえず、引き続き「琥珀の望遠鏡」を読んでます。