ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

力の指輪サントラ トラックごと感想その1

2022年08月25日 | 指輪物語&トールキン

さて、8/20に配信開始となった、力の指輪のサントラのトラックごと感想を書いていきたいと思います。

39曲もあるので、さすがに何回かに分けますね(^^;)

そして、トラックごとと言いつつ、順番には書かないことにします。

まず、登場人物や場所の名前がついているトラックから先に感想を書きます。おそらく昨日の記事で書いた、ベアー・マクリアリーさんのインタビューによると「15のテーマ」にあたると思います。

どれが15になるのかはよくわからないと昨日書きましたが、だいたいわかりました!ベアーさんが言う「イントロ、Aパート、Bパート、展開部」の構成になっている曲です。

これによると2Galadriel 3 Kazad-dum 4Nori Brandyfoot 5The Stranger 6Numenor 7Sauron 8Valinor 10Elrond half-elven 11DurinⅣ 12Harfoot Life 13Bronwyn and Arondir 14Halbrand 18Elendil and Isildur 15Nolwa Mahtar  16Nampat の15曲になるかと思います。

Nolwa MahtarとNampatはテーマなのか?とも思いますが、場面につけた音楽とも違う気がするので、多分…です。この2曲は何のテーマなのかというのも気になります。(テーマだったとしてですが。Nolwa Mahtarはコミコンの組曲で使われていたので何かしらテーマだと思うのですが)

ケレプリンボールやギル=がラド、リンドンなんかのテーマはないんだなーとか。

この他のトラックは、複数のテーマが出てきていて、実際のドラマで使われた場面の音楽が元になっているだろうと思われます。

まず各登場人物や場所のテーマを聴きこんで、それからその他のトラックの場面予想の形で感想を書いてみたいと思います。

 

前置きが長くなりましたが、本題のトラックごとの感想に行きます。

1.The Lord of the Rings:The Rings of Power Main Theme

ハワード・ショアによるメインタイトル曲です。おそらくオープニングで使われるのでしょうね。

昨日の記事でも書きましたが、ベアー・マクリアリーさんの曲とは全く別に作られ、相互の関係はあまりないようです。ちょっと残念…

ベアーさんの曲にもすっかり満足していますが、やはりショアさんの曲を聴くとなんだかなつかいようなほろりとした気持ちになります。

これは、曲が意外に優しくて明るい感じなことも関係しているかもしれません。どういうコンセプトで作られたのかは気になりますね。

まず、以前の記事でも書きましたが、LotRサントラに登場した、裂け谷のテーマと一緒に流れていたWeakness and Redemptionというモチーフと似たようなメロディがホルンで、次いで弦楽器で優しく奏でられます。

Weakness and Redemptionはわりと影のある場面で使われることが多かったですが(Anironのイントロなど。裂け谷のテーマと一緒に流れる時は明るいですね)、ここでは明るく、優しいメロディになっています。

続いて出てくるメロディは、RotKのバラド=ドゥア崩壊の場面や戴冠式で出てきたGondor Rebornというテーマと似ています。やはり明るく優しいメロディです。

それが女声合唱に引き継がれ、次第に短調になり、妖しい雰囲気になって行きます。

そして冒頭に出てきたフレーズが金管楽器によって短調で不穏な雰囲気で演奏されます。混声合唱も加わり、さらに不穏になったところで、二つ目のメロディが弦楽器で優しく流れますが、やがて物悲しくフェードアウトして行きます。

どういうシチュエーションなのかと思いますが、オープニングの映像のイメージにある程度合わせて作られたとかでしょうか。(通常音楽に合わせて映像を作るものかもしれませんが…)

 

2.Galadriel

先行配信されていたこの曲については以前の記事 力の指輪の音楽担当について - ぐらのにっき  に書いています。 

追記すると、戦闘シーンから悲しみに暮れるシーンまであらゆる場面で使える、大河ドラマのテーマ曲みたいだなと(^^;)

RoPのガラドリエルの主人公ぶりがうかがえます。

 

3.Kazad-dum

低弦楽器と打楽器の伴奏に男声合唱や金管楽器が流れる、いかにもドワーフらしい楽曲です。

が、個人的にはショアさんの楽曲と比べて、重厚さと深みが足りないなあ、思ってしまいました。ドワーフについての解釈違いと言えるでしょうか(^^;)音楽がそうなのか、RoPのドワーフがそうなのかはわかりませんが。

ただ、勇壮な音楽が弦楽器の流れるようなメロディに移り変わり、女声合唱が入るあたりは、LotRサントラにはない新しいバターンで、こういうところは好きだなあと思います。

 

4.Nori Brandyfoot

ホビットの先祖、ハーフット族の少女エラノール(ノリ)のテーマ曲。

ホビットらしく?最初は木琴、ダルシマー?の伴奏に、LotRサントラでもおなじみのティンホイッスル(多分)で素朴なメロディが流れます。こちらもLotRサントラでおなじみのバウラン(アイリッシュフレームドラム)も多分伴奏に入っています。バグパイプも聞こえるかな?

正直、ちょっといろいろな楽器を詰め込み過ぎじゃないかという気もしますが(^^;)素朴でかわいらしくて、好奇心旺盛なハーフットの女の子のイメージにぴったりですね。

やがてメロディが弦楽合奏に移り、素朴なだけでなく、哀愁も漂う良いメロディだなあということに気が付きます。

最後にはローホイッスルで冒頭より少し物悲し気な雰囲気で終わります。

これもガラドリエルとはまた違うバターンで主人公ぽい曲だなあと思ったりしました。

 

5.The Stranger

彗星とともに現れる謎の人物「よそびと」(the stranger)のテーマ曲。8月21日付の記事 力の指輪サントラ ファーストインプレッション - ぐらのにっき でも書きましたが、今年1月に公開された第一弾予告の後半に出てくるメロディがこの「よそびと」のテーマであることがわかりました!

神秘的なような、おどけたような4分の3拍子の伴奏に乗せて、よそびとのテーマがチェロで美しく流れます。ここでは物悲しい雰囲気です。

そのあとも木管楽器やチェンバロ?、ヴァイオリンなどでメロディがひたすら繰り返され、混声合唱も入り少し盛り上がった後、コールアングレでBパートのメロディが流れ、最終的にはフルオーケストラと混声合唱で盛り上がったあと、物悲しい伴奏で終わります。

よそびとの正体は色々取り沙汰されていますが、よくわからないというのが正直なところ。このテーマ曲を聴くと、どこか悲しい、決して悪い人ではない気がしますが、ところどころ不気味な部分もあり、やはり正体は良くわからないですが…

後の方でも少しこのテーマが変化して出て来ますので、音楽からも「よそびと」の正体に迫れたら面白いかなと思ったりしてます。

 

6.Numenor

トレイラーでも一部流れましたが、壮大かつエキゾチックでとても印象的な曲です。

まずはアジアっぽい弦楽器で始まり、ついでまたアジアっぽい打楽器の伴奏のもと、混声合唱が入り、さきほどの弦楽器とホルンのユニゾンでメロディが演奏されます。これカッコいいなあ。エキゾチックでありつつも、オーケストラで端正に演奏されると、壮大さも感じられて、絶妙な作曲だなあと思います!

メインのメロディラインだけでなく、打楽器のリズムもヌーメノールを表すモチーフですね。後から色々出て来ます。

メロディとかぶさる混声合唱の上から音階が下りてくるフレーズもヌーメノールを表しているでしょうね。

 

7.Sauron

この曲も8/21の記事で言及しています。力の指輪の音楽担当について - ぐらのにっき

LotRサントラのサウロンのイメージを踏襲しつつ、今風のアグレッシブさもあり、絶妙だな~と思います!

 

8.Valinor

幻想的でありながらもどこか暖かく懐かしいような、美しいメロディが子どもの合唱で流れます。途中から混声合唱も合流します。

最初女声合唱かと思ったのですが、子どもの合唱ですよね。あどけない無垢な感じも良いですが、女声合唱の方が神秘的に感じたかなあなんて思いました。

この子どもの声のあどけなさがヴァリノールのイメージなんでしょうか。あ、予告に出てきた遊ぶエルフの子供たちのイメージかな…

そうすると、もしかしたらガラドリエルの思い出の中のヴァリノールなのかもしれませんね。

 

という訳で、まず8曲、登場人物や場所などのテーマ曲の前半を上げました。次回はテーマ曲の後半を書きます。

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