ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

マリー・アントワネット(ネタバレ)

2007年02月02日 | 映画
どうしようかなーと思ったのですが、観に行ってみました。
で、結果として、まあ観に行ってみても良かったかなと。
美しい衣装とセットと小道具、美しい風景だけでも見る価値はありました。
特に馬車の中のブルーで統一した装飾がきれいだったなあ。
料理やお菓子の豪華な盛り方も綺麗でした。
キルスティン・ダンストのアントワネットもかわいかったです。人懐こくて明るい、誰からも好かれる素直なアントワネットという、この映画でのキャラクターを上手く表現していたと思います。
色が白いから、白い鬘も似合ってたし。
そんな人懐こいアントワネットの、ルイ16世との関係も、微笑ましくて良かったです。
仮面舞踏会にまで一緒に行くほどの仲の良さにはびっくり。オペラが見たい時もまず誘ってたし。
なんでセックスレスだったのか、ルイ16世の心境は謎ですが、「どうしても子供を生まなければ」というプレッシャーがなければ、それなりに幸せな夫婦だったのでは・・・?
フェルゼンとの関係は、むしろ火遊びと言った感じ。このフェルゼンが囚われた国王一家を助けに来るの? と違和感でしたが・・・そこまでやらなかった・・・うーむ(汗)
そして、スウェーデン人にしては濃くないかフェルゼン、と思ったんですが・・・(ルイ16世もちょっと・・・)
人懐こくて明るい、決して馬鹿じゃないけれど普通の女の子が、窮屈な宮廷の中で、馴染んでのびのび過ごしているようでいて、少しずつ追い詰められて行く様が自然に描かれていたと思います。
民衆の姿は終盤のバルコニーのシーン以外には全く出て来ず、宮殿の中やパリへ遊びに出たアントワネットの姿だけが描かれます。
プチ・トリアノンでの田舎暮らしの様子も美しくて、心を許してくつろぐ映像も良かったのですが・・・何か違和感が・・・
なんとなく違和感がありつつも、そんなもんだったのかも、悪い人じゃなくても、こういう感じで外の世界への無関心さが悲劇を引き起こしたのかも、と思えたりもしました。
しかし、民衆を全く出さないで来たことで、バルコニーでのお辞儀に説得力が今ひとつ・・・
「私はここに残る」と言ったルイ16世も、国王としての責任感が・・・と思わせておいて、狩りをしたりと普段どおりの生活を送っていただけなのがうーん。
三部会の話もなかったし・・・いきなり次男が死んでいてびっくりしましたが、三部会がないからなのね・・・
そしてあのラスト。感動的なシーンかな、と思っていたら、あれで終わり? 死ぬところまでやらないんだ・・・
あそこで終わったことで、それまでわりと好意的に見ていたのが、一気に全ての描き方が「薄い」という印象になってしまいました。
死を前にして、あの二人がどんな姿を見せるかが興味深かったのに・・・
まあ、悲劇の王妃というステレオタイプな描き方をしたくなかったというのならわからないでもないんですが・・・でもやっぱり物足りなかったです。
最後まで見て、カンヌで「普通の女の子の自分探しの話にされてしまった」などと酷評されていたというのがよくわかりました・・・
それでも、アントワネットにしてもルイ16世にしてもフェルゼンにしても、ありがちな人物像とは一線を画していたところは評価したいと思います。ミュージカルよりはずっと良かった・・・ってミュージカルを見ている人は皆「ミュージカルよりはよかった」という感想を書いているような・・・(汗)
あと、ポップな感じにしたいという意図はわかるのですが、音楽がどうも耳障りでした(汗)
あの調子っぱずれのヴォーカルとか、走り気味の軽いドラムとか、わざとなんでしょうがどうも気持ち悪かったです(汗)
そんなこんなでしたが、でもまあ、「金返せ」とは思いませんでしたよ(汗)それなりに楽しめはしましたです。

てなわけで、まだ2本しか見てないけど(汗)今年見た映画の順位をつけてみます。
1.ディパーテッド / 2.マリー・アントワネット
今月はあともう1本見に行く予定です。

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2 コメント

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そうなんですか (satesate)
2007-02-04 15:43:02
ぐらさん、こんにちは。

>>ミュージカルを見ている人は皆「ミュージカルよりはよかった」という感想を書いているような・・・

そうなんですか、、、。
「M.A」見たあとだと、やはり比較して見てしまいますよね。

「M.A」や、この映画と見ても、どうしても、
『ベルばら』と比較してしまいます。
『ベルばら』の日本での浸透力って、すごいんですね。

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ミュージカルとベルばら (ぐら)
2007-02-04 20:09:33
いや、皆と言っても2,3人ですけど(汗)
ミュージカルの出来はあれでしたから、同じような感想になるのは無理もないと思いますが・・・

>「M.A」や、この映画と見ても、どうしても、
>『ベルばら』と比較してしまいます。
>『ベルばら』の日本での浸透力って、すごいんですね
確かに、日本人は「ベルばら」であのあたりの歴史を覚えたようなものがあるかもしれませんね。私もそうですが・・・(汗)
「ベルばら」の人物像はステレオタイプ、と思えてしまうくらいに浸透してます、私の場合(笑)
だからむしろ「ベルばら」とは違う人物像が見たいと思うのですが、違えば良いというものでもなく・・・
やはり「ベルばら」はよくできていたなあなんてことも思ってしまいますね。
遠藤周作の「マリー・アントワネット」もそのうち読んでみたいです。
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